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049 それぞれの招待
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「二人とも怪我はない?」
ボクが近づくと、リーシャはふいっと顔を背ける。
「リーシャ? ごめん、他の人なんて呼ばない方が良かった?」
ああ、ボクは二人の身の安全ばかり気にしてしまっていたけど。
こいつらのせいで猫にされたリーシャは、本当は直接けじめを付けたかったのかもしれない。
なんでそこまで頭が回らなかったんだろう。
バカバカバカ。ダメじゃないか。
「ごめん、リーシャ。そうだよね。こんな終わり方……」
「ちょ、ちょっとなんでルルドが謝るのよ」
「だってされたコトを考えたら、自分で決着付けたかったでしょう? なのにボクがいらない水を差しちゃったから」
「いや、そうじゃなくって。そこじゃないでしょう」
大きくため息をつくリーシャをボクは見た。
そこじゃないって、じゃあどこだったんだろう。
生配信で顔出しちゃったのがダメとか?
こういうのなんて言うんだっけ。肖像権みたいな?
猫の時は良かったけど、人の時はまた違うもんね。
しかもリーシャは女の人だし。
きっとそうに違いない。
「お化粧もしてないのに、生配信とかってやっぱり……」
「だーかーら、そうじゃないってば!」
「へ? じゃあ、なんで?」
「あのね……おかしいって思わないの?」
「何が?」
「何がって……」
「ルルド君、リーシャは自分が猫じゃないことが言いたいんじゃないの?」
ボクたちのやり取りをただジト目で見ていたアイリが、やれやれとばかりに手を挙げながら言った。
猫じゃない? んー、猫じゃない。
「呪いだったってことでしょう? それが何か」
「獣人じゃなかったのよ。私、ずっと騙してたの」
「へ? ああ、そういえば」
「そういえばって、ルルド」
「ごめん。全然気にもしてなかったよ」
ボクの言葉にリーシャはぽかんと大きな口を開けていた。
そしてしばらくボクの顔を見つめたあと、急に大きな声で笑い出す。
何がツボだったのだろう。
でもうん。笑っているリーシャのがいいな。
にしても、リーシャのかけられた呪いってどうにか出来ないのかな。
「あ! アイリって呪いの解呪まで出来るの⁉ すごいじゃん。ボク初めて見たよ。確か、僧侶以上の神官クラスとかしか使えない術だよね」
「あの術は……」
「神官なんかじゃ、私の呪いは一時的でも解呪出来ないはずよ」
「そうなの、リーシャ」
「試したからね」
「あ……そうなんだ。アイリって、すごい人だったんだね」
いいとこのお嬢様か何かかとは思っていたけど、神官様よりも上の人って感じなのかな。
それなら、余計にこんなとこにいてもいいような気はしないけど。
確かボクのトコに合流した時に、仕事が特殊だって。
始まったらもうしばらく自由がないとか言ってた気がするけど、それと関係あるのかな。
「ルルド君、あのね?」
そうアイリが言いかけた時、集まってきた騎士たちが一斉にボクたちからアイリを引き離した。
何が起こったのかも分からない。
声を上げるよりも前に、背の高い騎士たちに囲まれたアイリの姿は一瞬で見えなくなってしまったのだった。
ボクが近づくと、リーシャはふいっと顔を背ける。
「リーシャ? ごめん、他の人なんて呼ばない方が良かった?」
ああ、ボクは二人の身の安全ばかり気にしてしまっていたけど。
こいつらのせいで猫にされたリーシャは、本当は直接けじめを付けたかったのかもしれない。
なんでそこまで頭が回らなかったんだろう。
バカバカバカ。ダメじゃないか。
「ごめん、リーシャ。そうだよね。こんな終わり方……」
「ちょ、ちょっとなんでルルドが謝るのよ」
「だってされたコトを考えたら、自分で決着付けたかったでしょう? なのにボクがいらない水を差しちゃったから」
「いや、そうじゃなくって。そこじゃないでしょう」
大きくため息をつくリーシャをボクは見た。
そこじゃないって、じゃあどこだったんだろう。
生配信で顔出しちゃったのがダメとか?
こういうのなんて言うんだっけ。肖像権みたいな?
猫の時は良かったけど、人の時はまた違うもんね。
しかもリーシャは女の人だし。
きっとそうに違いない。
「お化粧もしてないのに、生配信とかってやっぱり……」
「だーかーら、そうじゃないってば!」
「へ? じゃあ、なんで?」
「あのね……おかしいって思わないの?」
「何が?」
「何がって……」
「ルルド君、リーシャは自分が猫じゃないことが言いたいんじゃないの?」
ボクたちのやり取りをただジト目で見ていたアイリが、やれやれとばかりに手を挙げながら言った。
猫じゃない? んー、猫じゃない。
「呪いだったってことでしょう? それが何か」
「獣人じゃなかったのよ。私、ずっと騙してたの」
「へ? ああ、そういえば」
「そういえばって、ルルド」
「ごめん。全然気にもしてなかったよ」
ボクの言葉にリーシャはぽかんと大きな口を開けていた。
そしてしばらくボクの顔を見つめたあと、急に大きな声で笑い出す。
何がツボだったのだろう。
でもうん。笑っているリーシャのがいいな。
にしても、リーシャのかけられた呪いってどうにか出来ないのかな。
「あ! アイリって呪いの解呪まで出来るの⁉ すごいじゃん。ボク初めて見たよ。確か、僧侶以上の神官クラスとかしか使えない術だよね」
「あの術は……」
「神官なんかじゃ、私の呪いは一時的でも解呪出来ないはずよ」
「そうなの、リーシャ」
「試したからね」
「あ……そうなんだ。アイリって、すごい人だったんだね」
いいとこのお嬢様か何かかとは思っていたけど、神官様よりも上の人って感じなのかな。
それなら、余計にこんなとこにいてもいいような気はしないけど。
確かボクのトコに合流した時に、仕事が特殊だって。
始まったらもうしばらく自由がないとか言ってた気がするけど、それと関係あるのかな。
「ルルド君、あのね?」
そうアイリが言いかけた時、集まってきた騎士たちが一斉にボクたちからアイリを引き離した。
何が起こったのかも分からない。
声を上げるよりも前に、背の高い騎士たちに囲まれたアイリの姿は一瞬で見えなくなってしまったのだった。
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