14 / 49
014 互いに守りたいもののために
しおりを挟む
「にゃーー‼」
逃げろって?
逃げたら意味ないじゃん、リーシャ。
ボクは君を助けに来たんだもん。
それにこれは想定内だもん。
まだ大丈夫さ。
「うわぁぁぁぁ」
驚いたフリをしながら、頭を抱えてしゃがみ込む。
ボクの大きな声とオーバーリアクションに、本来だったら他のことにまで警戒しているであろう親鳥の警戒が、ボクに集中している。
だからそう、きっと気づかないはずだ。
ボクに襲い掛かる親鳥は、その背後からガルドたちに狙われていることに。
「ぎゃぁぁぁぁ」
まるで人の叫び声に似た声を、親鳥が上げた。
視界を上げると、タイミングよくガルドたちが斬りかかってきたところ。
大きく広げたその羽根をガルドの大剣が薙ぎ払い、親鳥が大きく体勢崩す。
怒りに狂ったように声をあげ、ガルドたちの方へ反転した親鳥に、畳みかけるようにランタスが攻撃を加えた。
ボクはその戦闘に巻き込まれないように四つん這いでその場から離れると、やや姿勢を低くしたまま走り出す。
本当はこの場で大人しくしている予定だったけど、さっきのリーシャの様子を見ていたからか、気づいた時には動き出してしまっていた。
少しでも早く、あの鳥の巣から出してあげなきゃ。
転びそうになりながら、それでも必死に走り、やや小高くなった巣に手をかけた。
そしてボクに向かって手を伸ばす、リーシャを掴む。
「ルルド!」
「リーシャ!」
大きなリーシャの声。
さっきまで猫のフリしてたのに。
「ダメ!」
「え?」
なんでと言いかけたボクの肩に、鋭い爪が食い込む。
「あああ!」
痛みから天を仰いだボクと、親鳥の視線がぶつかる。
羽根は折れ、瀕死になりながらも親鳥は卵を守ろうとしていた。
必死なんだ。
自分の子を守るために。
だけどボクも必死なんだ。
親鳥がこの卵を守りたいように、ボクだってリーシャを守りたい。
やっと出来た友だちのリーシャを、餌になんてさせられないんだよ。
「やめて! ルルドを離しなさい‼」
ボクはもがきながらもリーシャを巣から出す。
そしてそっと抱きしめた。
リーシャだけは守らないと。
「ルルド、私はいいから。血が……血が出てる。手を離して」
「大丈夫だよ、リーシャ」
きつくリーシャを抱きしめた。
「ルルドを離しやがれ!」
大きく跳躍したガルドの剣が、親鳥に突き刺さる。
「ぎぎゃあぁ!!」
断末魔のような声を上げた親鳥は、ボクたちを巣に放り投げた。
「ぐはっ」
その反動でボクは、卵にぶつかる。
どこまでも卵は硬く、そしてやや温かかった。
「ルルド、ルルド」
リーシャのもふもふとした手が、頬を叩く。
一瞬意識を失いかけたものの、ゆっくりとリーシャを見た。
いつもの綺麗な毛並みは汚れてもいない。
ああ良かった。
リーシャには怪我はなさそうだ。
誰かのために、こんな風に一生懸命になったのは初めてだなぁ。
でも、うん。
すごくどこかが満たされた気がする。
いいな、こういうの。
「ふふふ。良かった」
「なにが良かったのよ! この馬鹿。馬鹿ルルド!」
その大きく透き通る瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「泣かないでリーシャ。ボクは大丈夫だよ。むしろ君を助けられて良かった」
「大丈夫じゃないじゃない。こんなボロボロで」
「でもボクが助けたかったんだ」
「本当に馬鹿、ね」
リーシャはゆっくり近づくと、ボクの胸に顔を埋めた。
ゆっくりとリーシャを撫でながら、自分の体を確認する。
腕を上げると肩が痛むものの、動かないわけではない。
だけどまぁ、うん……。全体的に体が重いのも確かだった。
筋肉痛? 違うなぁ。
打撲って感じなのかな。
「いててっ」
体を起こそうとすると、背中がきしむような気がした。
「ルルド、無理しないで」
「うん。大丈夫。でもさ、自分から動くって結構大変なことだったんだね」
「当たり前でしょう。ルルドは戦闘要員でもないんだし」
「そうだね」
今までうっかり役でしかなかったから、こういうのは初めてかな。
ボクに攻撃が及べば、基本的に撮り直しになっちゃうから。
そういう面ではサイラスたちはしっかりしてたんだよね。
あの最後以外は、放送事故もなかったわけだし。
って、こんなのんびり考えてる暇なかったんだ。
親鳥はどうなったんだろう。
ガルドたちなら問題ないと思うけど。
やっとの思いで起き上がると、あの卵が視界に入る。
大きな卵には、ボクがぶつかったせいかヒビが入っていた。
「大丈夫か、ルルド!」
「うん、ガルド。ボクもリーシャも……」
そう言いながら振り返ろうとしたが、ボクは卵から視線を外すことが出来なかった。
今、卵動かなかった?
なんていうか、あれ。もしかして……。
卵に入っていたヒビがだんだんと大きくなる。
そしてその大きくなったヒビの奥に、灰色のくちばしが見えた。
くちばしはそのヒビを内側からつつくように、大きく出口を広げていく。
「ヒナが……生まれる……」
「ルルド、そこから出るんだ!」
ランタスの声も、その意味も頭では分かっているのに、ボクはその場から動くことが出来なかった。
逃げろって?
逃げたら意味ないじゃん、リーシャ。
ボクは君を助けに来たんだもん。
それにこれは想定内だもん。
まだ大丈夫さ。
「うわぁぁぁぁ」
驚いたフリをしながら、頭を抱えてしゃがみ込む。
ボクの大きな声とオーバーリアクションに、本来だったら他のことにまで警戒しているであろう親鳥の警戒が、ボクに集中している。
だからそう、きっと気づかないはずだ。
ボクに襲い掛かる親鳥は、その背後からガルドたちに狙われていることに。
「ぎゃぁぁぁぁ」
まるで人の叫び声に似た声を、親鳥が上げた。
視界を上げると、タイミングよくガルドたちが斬りかかってきたところ。
大きく広げたその羽根をガルドの大剣が薙ぎ払い、親鳥が大きく体勢崩す。
怒りに狂ったように声をあげ、ガルドたちの方へ反転した親鳥に、畳みかけるようにランタスが攻撃を加えた。
ボクはその戦闘に巻き込まれないように四つん這いでその場から離れると、やや姿勢を低くしたまま走り出す。
本当はこの場で大人しくしている予定だったけど、さっきのリーシャの様子を見ていたからか、気づいた時には動き出してしまっていた。
少しでも早く、あの鳥の巣から出してあげなきゃ。
転びそうになりながら、それでも必死に走り、やや小高くなった巣に手をかけた。
そしてボクに向かって手を伸ばす、リーシャを掴む。
「ルルド!」
「リーシャ!」
大きなリーシャの声。
さっきまで猫のフリしてたのに。
「ダメ!」
「え?」
なんでと言いかけたボクの肩に、鋭い爪が食い込む。
「あああ!」
痛みから天を仰いだボクと、親鳥の視線がぶつかる。
羽根は折れ、瀕死になりながらも親鳥は卵を守ろうとしていた。
必死なんだ。
自分の子を守るために。
だけどボクも必死なんだ。
親鳥がこの卵を守りたいように、ボクだってリーシャを守りたい。
やっと出来た友だちのリーシャを、餌になんてさせられないんだよ。
「やめて! ルルドを離しなさい‼」
ボクはもがきながらもリーシャを巣から出す。
そしてそっと抱きしめた。
リーシャだけは守らないと。
「ルルド、私はいいから。血が……血が出てる。手を離して」
「大丈夫だよ、リーシャ」
きつくリーシャを抱きしめた。
「ルルドを離しやがれ!」
大きく跳躍したガルドの剣が、親鳥に突き刺さる。
「ぎぎゃあぁ!!」
断末魔のような声を上げた親鳥は、ボクたちを巣に放り投げた。
「ぐはっ」
その反動でボクは、卵にぶつかる。
どこまでも卵は硬く、そしてやや温かかった。
「ルルド、ルルド」
リーシャのもふもふとした手が、頬を叩く。
一瞬意識を失いかけたものの、ゆっくりとリーシャを見た。
いつもの綺麗な毛並みは汚れてもいない。
ああ良かった。
リーシャには怪我はなさそうだ。
誰かのために、こんな風に一生懸命になったのは初めてだなぁ。
でも、うん。
すごくどこかが満たされた気がする。
いいな、こういうの。
「ふふふ。良かった」
「なにが良かったのよ! この馬鹿。馬鹿ルルド!」
その大きく透き通る瞳から、大粒の涙がこぼれ落ちる。
「泣かないでリーシャ。ボクは大丈夫だよ。むしろ君を助けられて良かった」
「大丈夫じゃないじゃない。こんなボロボロで」
「でもボクが助けたかったんだ」
「本当に馬鹿、ね」
リーシャはゆっくり近づくと、ボクの胸に顔を埋めた。
ゆっくりとリーシャを撫でながら、自分の体を確認する。
腕を上げると肩が痛むものの、動かないわけではない。
だけどまぁ、うん……。全体的に体が重いのも確かだった。
筋肉痛? 違うなぁ。
打撲って感じなのかな。
「いててっ」
体を起こそうとすると、背中がきしむような気がした。
「ルルド、無理しないで」
「うん。大丈夫。でもさ、自分から動くって結構大変なことだったんだね」
「当たり前でしょう。ルルドは戦闘要員でもないんだし」
「そうだね」
今までうっかり役でしかなかったから、こういうのは初めてかな。
ボクに攻撃が及べば、基本的に撮り直しになっちゃうから。
そういう面ではサイラスたちはしっかりしてたんだよね。
あの最後以外は、放送事故もなかったわけだし。
って、こんなのんびり考えてる暇なかったんだ。
親鳥はどうなったんだろう。
ガルドたちなら問題ないと思うけど。
やっとの思いで起き上がると、あの卵が視界に入る。
大きな卵には、ボクがぶつかったせいかヒビが入っていた。
「大丈夫か、ルルド!」
「うん、ガルド。ボクもリーシャも……」
そう言いながら振り返ろうとしたが、ボクは卵から視線を外すことが出来なかった。
今、卵動かなかった?
なんていうか、あれ。もしかして……。
卵に入っていたヒビがだんだんと大きくなる。
そしてその大きくなったヒビの奥に、灰色のくちばしが見えた。
くちばしはそのヒビを内側からつつくように、大きく出口を広げていく。
「ヒナが……生まれる……」
「ルルド、そこから出るんだ!」
ランタスの声も、その意味も頭では分かっているのに、ボクはその場から動くことが出来なかった。
115
お気に入りに追加
269
あなたにおすすめの小説
拾った子犬がケルベロスでした~実は古代魔法の使い手だった少年、本気出すとコワい(?)愛犬と楽しく暮らします~
荒井竜馬
ファンタジー
旧題: ケルベロスを拾った少年、パーティ追放されたけど実は絶滅した古代魔法の使い手だったので、愛犬と共に成り上がります。
=========================
<<<<第4回次世代ファンタジーカップ参加中>>>>
参加時325位 → 現在5位!
応援よろしくお願いします!(´▽`)
=========================
S級パーティに所属していたソータは、ある日依頼最中に仲間に崖から突き落とされる。
ソータは基礎的な魔法しか使えないことを理由に、仲間に裏切られたのだった。
崖から落とされたソータが死を覚悟したとき、ソータは地獄を追放されたというケルベロスに偶然命を助けられる。
そして、どう見ても可愛らしい子犬しか見えない自称ケルベロスは、ソータの従魔になりたいと言い出すだけでなく、ソータが使っている魔法が古代魔であることに気づく。
今まで自分が規格外の古代魔法でパーティを守っていたことを知ったソータは、古代魔法を扱って冒険者として成長していく。
そして、ソータを崖から突き落とした本当の理由も徐々に判明していくのだった。
それと同時に、ソータを追放したパーティは、本当の力が明るみになっていってしまう。
ソータの支援魔法に頼り切っていたパーティは、C級ダンジョンにも苦戦するのだった……。
他サイトでも掲載しています。
魔力ゼロの出来損ない貴族、四大精霊王に溺愛される
日之影ソラ
ファンタジー
魔法使いの名門マスタローグ家の次男として生をうけたアスク。兄のように優れた才能を期待されたアスクには何もなかった。魔法使いとしての才能はおろか、誰もが持って生まれる魔力すらない。加えて感情も欠落していた彼は、両親から拒絶され別宅で一人暮らす。
そんなある日、アスクは一冊の不思議な本を見つけた。本に誘われた世界で四大精霊王と邂逅し、自らの才能と可能性を知る。そして精霊王の契約者となったアスクは感情も取り戻し、これまで自分を馬鹿にしてきた周囲を見返していく。
HOTランキング&ファンタジーランキング1位達成!!
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」
授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。
途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。
ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。
駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。
しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。
毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。
翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。
使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった!
一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。
その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。
この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。
次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。
悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。
ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった!
<第一部:疫病編>
一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24
二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29
三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31
四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4
五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8
六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11
七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
最弱引き出しの逆襲 ― クラス転移したのはいいけど裏切られたけど実は最強だった件
ワールド
ファンタジー
俺、晴人は普通の高校生。だけど、ある日突然、クラス全員と一緒に異世界に飛ばされた。
そこで、みんなは凄い能力を手に入れた。炎を操ったり、風を呼んだり。でも、俺だけが"引き出し"なんていう、見た目にも無様な能力を授かった。戦いになんの役にも立たない。当然、俺はクラスの笑い者になった。
だけど、この"引き出し"、実はただの引き出しではなかった。この中に物を入れると、時間が経つにつれて、その物が成長する。最初は、その可能性に気づかなかった。
でも、いつしか、この能力がどれほどの力を秘めているのかを知ることになる。
クラスメイトたちからは裏切られ、孤立無援。でも、俺の"引き出し"が、みんなが見落としていた大きな脅威に立ち向かう唯一の鍵だったんだ。知恵と工夫で困難を乗り越えて、俺は最弱から最強へと変貌する。
工夫次第で幾らでも強くなれる引き出し能力で俺は成りあがっていこう。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編
冷遇された第七皇子はいずれぎゃふんと言わせたい! 赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていました
taki210
ファンタジー
旧題:娼婦の子供と冷遇された第七皇子、赤ちゃんの頃から努力していたらいつの間にか世界最強の魔法使いになっていた件
『穢らわしい娼婦の子供』
『ロクに魔法も使えない出来損ない』
『皇帝になれない無能皇子』
皇帝ガレスと娼婦ソーニャの間に生まれた第七皇子ルクスは、魔力が少ないからという理由で無能皇子と呼ばれ冷遇されていた。
だが実はルクスの中身は転生者であり、自分と母親の身を守るために、ルクスは魔法を極めることに。
毎日人知れず死に物狂いの努力を続けた結果、ルクスの体内魔力量は拡張されていき、魔法の威力もどんどん向上していき……
『なんだあの威力の魔法は…?』
『モンスターの群れをたった一人で壊滅させただと…?』
『どうやってあの年齢であの強さを手に入れたんだ…?』
『あいつを無能皇子と呼んだ奴はとんだ大間抜けだ…』
そして気がつけば周囲を畏怖させてしまうほどの魔法使いの逸材へと成長していたのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
ド田舎からやってきた少年、初めての大都会で無双する~今まで遊び場にしていたダンジョンは、攻略不可能の規格外ダンジョンだったみたい〜
むらくも航
ファンタジー
ド田舎の村で育った『エアル』は、この日旅立つ。
幼少の頃、おじいちゃんから聞いた話に憧れ、大都会で立派な『探索者』になりたいと思ったからだ。
そんなエアルがこれまでにしてきたことは、たった一つ。
故郷にあるダンジョンで体を動かしてきたことだ。
自然と共に生き、魔物たちとも触れ合ってきた。
だが、エアルは知らない。
ただの“遊び場”と化していたダンジョンは、攻略不可能のSSSランクであることを。
遊び相手たちは、全て最低でもAランクオーバーの凶暴な魔物たちであることを。
これは、故郷のダンジョンで力をつけすぎた少年エアルが、大都会で無自覚に無双し、羽ばたいていく物語──。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる