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013 突撃隣のハーレムへ
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キモイ。キモすぎる。
しかも語彙力なさすぎよ。
中庭を抜けた一番最奥の温室に、逢引するための部屋を作っていた。
「まったく自分の下半身を満たすためにココまでするとか、異常ですよね。うん。気持ち悪い」
「あはははは。まったくアマリリス嬢は本当に素直だな」
「すみません。少しストレートすぎました」
「今まで王妃候補として自分を押し殺してきたからだろう」
「反動かもしれませんね」
クロードは笑い飛ばしてくれたけど、貴族令嬢っぽくはなかったわよね。
ついつい殿下のことになると、素の私になっちゃうわ。
その花園は殿下たち以外は、近づくのを禁止されていた。
しかし周囲には護衛のための騎士たちは存在している。
だからこそちょうど良かった。
ここで問題を起こせば大勢の観客がいる。
そして公爵であるクロードまで登場したのならば、もう公然の秘密ではなくなるわよね。
「では、クロード様。予定通り、お願いいたしますね」
「ああ……だが、心配だな」
「ふふふ。大丈夫です。私、こう見えてもしっかりしてるので」
私は当初の計画通り、クロードと二手に分かれた。
クロードは控えている護衛騎士たちに、殿下との面会を申し込むようになっている。
もちろん護衛騎士は、いきなり現れたクロードの訪問に困惑しているはずだ。
だってあの花園は、どんな者であっても立ち入り禁止だから。
面会をと言われたところで、騎士たちすら近づけはしない。
そんなことをしたら、自分たちが責められるのだから。
かといって、身分がかなり上のクロードを門前払いにすることも出来ない。
右往左往する騎士たちには申し訳ないけどね。
「さーてと。クロード様が上手くやってくれてる間に、こっちは凸しちゃいましょう」
そう。ただ護衛騎士の注目をクロードに向けておきたいだけ。
私は裏側からこっそりと、花園に近づいた。
もちろんあらかじめ、ココの予備の鍵は持っている。
緊急時のための鍵を、国王陛下の侍女長が持っていたのが運の付きなのよ。
実の息子である殿下は、まさか身内に見放されるなんて思ってもいなかったでしょうね。
クロードの口利きもあったけど、私は侍女長を泣き落とした。
しかも殿下と二人できちんとこれからのことを話したいと言ったら、陛下も侍女長から鍵を受けとることを許可してくれた。
拒否されるかと思ったけど、私が今までかけてきた時間とこの前の夜会での出来事を考えれば、もう避けては通れないことだった。
「さてと。今から楽しい楽しい、ショーや始まりだわ」
私は鍵でドアをあけ、そのまま大きな足音を立てつつ中に侵入した。
しかも語彙力なさすぎよ。
中庭を抜けた一番最奥の温室に、逢引するための部屋を作っていた。
「まったく自分の下半身を満たすためにココまでするとか、異常ですよね。うん。気持ち悪い」
「あはははは。まったくアマリリス嬢は本当に素直だな」
「すみません。少しストレートすぎました」
「今まで王妃候補として自分を押し殺してきたからだろう」
「反動かもしれませんね」
クロードは笑い飛ばしてくれたけど、貴族令嬢っぽくはなかったわよね。
ついつい殿下のことになると、素の私になっちゃうわ。
その花園は殿下たち以外は、近づくのを禁止されていた。
しかし周囲には護衛のための騎士たちは存在している。
だからこそちょうど良かった。
ここで問題を起こせば大勢の観客がいる。
そして公爵であるクロードまで登場したのならば、もう公然の秘密ではなくなるわよね。
「では、クロード様。予定通り、お願いいたしますね」
「ああ……だが、心配だな」
「ふふふ。大丈夫です。私、こう見えてもしっかりしてるので」
私は当初の計画通り、クロードと二手に分かれた。
クロードは控えている護衛騎士たちに、殿下との面会を申し込むようになっている。
もちろん護衛騎士は、いきなり現れたクロードの訪問に困惑しているはずだ。
だってあの花園は、どんな者であっても立ち入り禁止だから。
面会をと言われたところで、騎士たちすら近づけはしない。
そんなことをしたら、自分たちが責められるのだから。
かといって、身分がかなり上のクロードを門前払いにすることも出来ない。
右往左往する騎士たちには申し訳ないけどね。
「さーてと。クロード様が上手くやってくれてる間に、こっちは凸しちゃいましょう」
そう。ただ護衛騎士の注目をクロードに向けておきたいだけ。
私は裏側からこっそりと、花園に近づいた。
もちろんあらかじめ、ココの予備の鍵は持っている。
緊急時のための鍵を、国王陛下の侍女長が持っていたのが運の付きなのよ。
実の息子である殿下は、まさか身内に見放されるなんて思ってもいなかったでしょうね。
クロードの口利きもあったけど、私は侍女長を泣き落とした。
しかも殿下と二人できちんとこれからのことを話したいと言ったら、陛下も侍女長から鍵を受けとることを許可してくれた。
拒否されるかと思ったけど、私が今までかけてきた時間とこの前の夜会での出来事を考えれば、もう避けては通れないことだった。
「さてと。今から楽しい楽しい、ショーや始まりだわ」
私は鍵でドアをあけ、そのまま大きな足音を立てつつ中に侵入した。
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