恋の二度目はアリだけど、転生先に浮気夫は不要です。

美杉。祝、サレ妻コミカライズ化

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017 エピローグ 今度こそ自分の意思で

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 そうかー。
 アマリリス嬢にクロードが求婚、ね。
 完全に他人事して、その二人の会話を聞いていた。
 
 おおん? アマリリス嬢って、私の名前じゃなかったっけ?
 義父とおぼしき人物を目の当たりにしたことで、意識がすっかり前の私に戻ってしまっていた。

 ちょっと待って。今、求婚って言ったわよね。
 しかも陛下も、勝手に二つ返事しちゃってるし。

 あれー。おかしいなぁ。
 殿下からの婚約がなかったことになって、私はこのまま一生お一人様ライフに行くはずだったのに。

 どうしてそうなったの……。

「えっと?」
「アマリリス嬢、あなたさせ良ければ婚約を申し込みたいんだが、どうだろう。今すぐにというわけではない。わけではないが、引く手あまたな貴女を他の男になどとられたくないのだ」
「引く手あまた? クロード様は何か勘違いなさっていらっしゃるのではないですか?」

 元旦那である、あのヒューズの食指に少しも引っ掛からなかったのよ?
 しかも婚約が白紙になった身で、そんなことあるわけないのに。

「君こそ自分の魅力に気づいていないだけさ。その翡翠の瞳も、薔薇の様な唇も何もかもが美しい」
「うーーーー」

 そんなことないと思う。
 思うし、こんな風に面と向かって言われるのって恥ずかしいのね。
 自分でも今、顔が赤くなっているだろうって分かるほど顔が熱かった。

「俺を一人の男として……君のそばに、まずはいさせてほしい。ゆっくりと口説かせてくれ」
「それってそれって……」

 つまりは私を好きって意味ってこと?
 あああああ、なになになに。
 これはどうすればいいの?
 どう言えば正解なの?
 恋愛したいって思ってたけど、さすがにこれは急すぎるでしょう。

 無理無理無理無理。
 心の準備が……ああ、心臓が痛いわ。

「あ、あの! 友だちからなら?」
「それでも構わないさ」

 そう言いつつもクロードは片膝を付き、私の手を取った。
 そして私の手にそのままキスを落とす。
 
「クロード様!?」
「愛しているんだ、アマリリス嬢」
「ん-ーーー」

 友だちって、その意味知ってます?
 いきなり愛してるとか、反則でしょう。
 みんなめっちゃ見てるし。

 もー。なんなのよー。
 叫び出したい私を無視し、何か新しい物語が始まるような、そんな時間がゆっくりと流れていた。
 だけど私は自分の気持ちに気づかないフリをした。

 ちゃんと今度こそは自分で自分の欲しいモノを見つけるために――

❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.:*:.。.✽.。.:*:.。.❁.。.

この度は本作品をお読みいただきまして、ありがとうございました。

ブクマ・しおり・応援・感想等

いただけますと、作者大変感激いたします。

また今回、人生初のファンタジーカップへ参加いたします。

そちらも順次アップしていきますので、応援いただけますと幸いです。

たくさんの作品から見つけていただけまして、本当にありがとうございました(´;ω;`)
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感想 2

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みんなの感想(2件)

むぅ
2024.05.02 むぅ
ネタバレ含む
2024.05.02 美杉。祝、サレ妻コミカライズ化

直します(* >ω<)

2ページ目も検討します。
おせっかいではなく、すごくそういうの嬉しいです。
ありがとぅございます(*T^T)

解除
BLACK無糖
2024.04.24 BLACK無糖

元義父のいらん親心のせいで時間と自由を奪われてきたってワケか。
クズでクソすぎる。
マトモな親なら反省を踏まえて教育をしっかりするし、なんなら関わらせないから根は似た者親子だったんだろうな。
遊んで暮らせるほど慰謝料をふんだくってやれ。

2024.04.24 美杉。祝、サレ妻コミカライズ化

びっくりするほど、遠回りになってしまいましたからね。
その分幸せも慰謝料も、たーっぷりいただきたいものですね(>_<)

解除

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