知らない言葉、知らない感情。

雨水

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最初の出会い

8話〜ヴァロー視点〜

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タロを起こすときょろきょろ周りを見て状況を把握してたのか、降ろして欲しいと身振り手振りで伝えて来たもんだから降ろしてやる。

『※※※※※※※※※※※※』

タロはお礼を言ってるふうに頭を下げた。

ロジーが何を思ったのかタロの隣に立って俺らの言葉で同じように、

「ありがとう!」

と何度も言って来た。

その様子を不思議に思いながら見ていたら、タロが真似をし出した。

「ぁ、りがぁとー?ありぃがとー、ありがとー」

そう言うことか…言葉を教えていたってことだな。

最後の発音がうまく出来てねぇのがまた…。

「バロー、ありがとー」

俺の方に向き直ってからペコリとした。

照れくさい気持ちを誤魔化すために、タロの頭をワシャワシャ撫でてやる。

タロは目を細めて気持ちよさそうにしている。

子供ってこんな可愛いものだったかぁ?

「ロジー、ありがとー」

タロがその後ロジーの野郎にも言ったのは少し気にくわねぇが、タロの成長だっつーことで我慢する。

俺とロジーはその後もタロに道すがらにある物の名前や、タロのする動きに合う言葉を教えてやった。

タロは覚えも良く、教えるのが楽しかった。

覚える度に頭を撫でてやると、顔には出さないがタロは目を細めて、「バローありがとー」と喜ぶ。

休憩時に生活魔法で水を出して飲むと何故か驚き、目をキラキラさせていた。

タロは自分の水を出そうとせず、しかたねぇから俺が出してやると恐る恐る飲んだ。

もしかして魔法を知らないのか…。

飲み水を出す生活魔法は5歳になると教えてもらう魔法だ。

知らないなんて事があり得るのか?

まあどっちにしろタグを見てからだな。

タロは細いなりして我慢強いのか、長時間の移動も文句ひとつ言わず歩いている。

日が暮れても歩き続け、やっと村の明かりが見えて来た。

「歩く?」

村の方を指さして、タロは止まってしまった。

どうゆう意味だ…。

タロも流石に村の明かりを見て気が抜けて疲れが出て来たのだろう。

どれくらい歩くのか気になってるつーことか。

でも子供にしてはだいぶ頑張った方だよな。

ひとりうんうんと納得してタロを抱き上げる。

「バロー!?タロ、歩く」

タロは降りようとする。

ここまで我慢強いと心配してしまう。

俺はタロは充分頑張ったって事で村まで歩かせるつもりはねぇ。

ロジーも頭を撫でて、休めと言っている。

大人しく休むんだな。

暫くするとタロは大人しくなった。

「バロー、ありがとー」

不意打ちに言われドキッとする。

あぁこいつは何なんだ……。

子供にこんなに癒される日が来るなんてな。

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