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第1章 はっぴぃすまいる。
サイコーにヤバいカノジョ
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「いらっしゃいませ。ご注文をどうぞ」
「単品でグランベーコンチーズバーガー1つ」
「はい。かしこまりました。店内でお召し上がりでしょうか?」
「いや、お持ち帰りで」
俺はレジを打ち込む。
「147円です」
目の前にいるおっさんが銭を出して、俺はメンドクセーと思いつつ黙々と数えた。
「3円のお釣りとレシートに書いてある番号を呼ばれるまでおm…」
おっさんは俺の手からレシートを奪っていった。
まだ喋ってる途中でしょうが!!
…と、心の中で叫んだ。
「武田。そろそろ変わるぜ」
「あ、うっす。店長、俺そろそろ時間なんで帰ります」
そう一言店長に声を掛けると、「ご苦労」という声が返ってきた。
そして休憩室へ入ると、そこにはなんと相澤さんが…!!
「あ、相澤さん!!も、もしかして今帰り?!」
「はい。武田先輩もですか?」
「お…じゃなくて…うん!」
これってもしや誘うチャンスなのでは?!
「相澤さん、もしy…」
「ごめんなさい」
まだ喋ってる途中でしょうが!!
「実はこれから用事があって…」
「そうかい」
失恋というわけでなくて、少しホッとした。
「んじゃ、お疲れ」
「はい、お疲れ様でしたー」
俺は帰路についた。
早く家に帰って大学から出されたレポート課題やんなきゃいけなかったし、そのまま真っすぐ帰ろうとした。
すると、TOTAYAで返そうと思っていたやつを思い出し、帰路から外れて渋谷のTOTAYAに向かった。
あぶねー…。
忘れるとこだった…。
俺はO-FRONTにあるTOTAYAで借りていた映画を返す。
『魔術廻戦』面白かったなぁ。
映画館で見れなかったのが悔しいけどな。
そんなことを心の中で口にしながら再び帰路に入る。
電車を乗り継ぐこと数分、八王子駅で降りて住宅街に入った。
しっかし、相澤さんをデートに誘えなかったの悔しいなぁ…。
…でもアイツ高校生だし、カレシぐらいいるか…。
そうやって勝手に1人で落ち込んでると、パトカーが数台目の前を通過した。
んだよ、最近物騒だな…。
確か…スマイル…だっけ?
まさかここにいねぇよな?
不安な感情がどこからか湧き出る。
いやいや。
ないない。
ぜってーありえねぇって。
そんな時、どっからか、呻き声のような音がした。
咄嗟に振り返ってみると、そこには腹部に傷を負った人が苦しそうに呻いていた。
「…え?」
思わず声になって漏れた。
…これ…なんだ?
…誰かの…悪戯か…?
…それとも…夢?
全力で逃げ出したいという感情が俺を誘い込む。
ソイツは変な仮面を被っていた。
その仮面も真っ赤に染まっており、服からズボンまでもが真っ赤。
間違いない…!
コイツは…
『スマイル』本人だ!!
バリバリにそれを証明するかのようにソイツはホチキスを片手にしていた。
どうする?!
コイツ怪我してるぞ?!
応急処置ぐらいするか?!
いや、でもコイツは犯人なんだぞ?!
しかも何人も殺してきた連続猟奇殺人鬼!!
…クソッ!!
なにに迷ってんだ、俺は!!
選択肢なら決まってんだろ!!
同時刻…八王子市…某住宅街にて…
…まただ。
また死体が発見されてしまった。
夜空はパトカーのサイレンの光によって赤く照らされている。
そして周辺には近隣住民がスマホを構えていた。
杉本はマスコミを避けながら現場へ入る。
相変わらずの罵声だったが、杉本からしてみればそれは蛙の鳴き声に過ぎなかった。
これまで伝えるのを忘れていたが、第一発見者は必ず警官となっている。
これは一体どういうことか。
単純なトリックだ。
犯人自ら通報するのだ。
それも犯人自身のスマホでなく、被害者のスマホで。
さらに性別を悟られないようにするための変声機まで使って。
そのため、見つかる死体は目や口をホチキスで留めてあるだけでなく
必ずこのように腐敗して見つかるのだ。
死体の隣にはやはりあのマークがあった。
(フザケやがって…!!)
杉本は怒りで歯をギチギチと鳴らした。
そんな時、鑑識の1人が慌てふためいた様子で杉本を呼んだ。
「杉本さん!!路上に血痕が!!」
「なに?!」
杉本は大急ぎで被害者宅を出て、鑑識が指すところを見るとそこには確かに血痕があった。
「出来したぞ!!」
「あ!杉本さん!」
鑑識が呼び掛けるも彼には届かなかった。
(血痕はまだ新しい…!辿っていけば犯人がいるかも知れない…!)
彼はホルダーから拳銃を取り出して、血痕の跡を懐中電灯で照らしながら進んだ。
まるで虫眼鏡を使って足跡を追いかける探偵のように。
杉本は慎重に夜の闇へ消えた。
「単品でグランベーコンチーズバーガー1つ」
「はい。かしこまりました。店内でお召し上がりでしょうか?」
「いや、お持ち帰りで」
俺はレジを打ち込む。
「147円です」
目の前にいるおっさんが銭を出して、俺はメンドクセーと思いつつ黙々と数えた。
「3円のお釣りとレシートに書いてある番号を呼ばれるまでおm…」
おっさんは俺の手からレシートを奪っていった。
まだ喋ってる途中でしょうが!!
…と、心の中で叫んだ。
「武田。そろそろ変わるぜ」
「あ、うっす。店長、俺そろそろ時間なんで帰ります」
そう一言店長に声を掛けると、「ご苦労」という声が返ってきた。
そして休憩室へ入ると、そこにはなんと相澤さんが…!!
「あ、相澤さん!!も、もしかして今帰り?!」
「はい。武田先輩もですか?」
「お…じゃなくて…うん!」
これってもしや誘うチャンスなのでは?!
「相澤さん、もしy…」
「ごめんなさい」
まだ喋ってる途中でしょうが!!
「実はこれから用事があって…」
「そうかい」
失恋というわけでなくて、少しホッとした。
「んじゃ、お疲れ」
「はい、お疲れ様でしたー」
俺は帰路についた。
早く家に帰って大学から出されたレポート課題やんなきゃいけなかったし、そのまま真っすぐ帰ろうとした。
すると、TOTAYAで返そうと思っていたやつを思い出し、帰路から外れて渋谷のTOTAYAに向かった。
あぶねー…。
忘れるとこだった…。
俺はO-FRONTにあるTOTAYAで借りていた映画を返す。
『魔術廻戦』面白かったなぁ。
映画館で見れなかったのが悔しいけどな。
そんなことを心の中で口にしながら再び帰路に入る。
電車を乗り継ぐこと数分、八王子駅で降りて住宅街に入った。
しっかし、相澤さんをデートに誘えなかったの悔しいなぁ…。
…でもアイツ高校生だし、カレシぐらいいるか…。
そうやって勝手に1人で落ち込んでると、パトカーが数台目の前を通過した。
んだよ、最近物騒だな…。
確か…スマイル…だっけ?
まさかここにいねぇよな?
不安な感情がどこからか湧き出る。
いやいや。
ないない。
ぜってーありえねぇって。
そんな時、どっからか、呻き声のような音がした。
咄嗟に振り返ってみると、そこには腹部に傷を負った人が苦しそうに呻いていた。
「…え?」
思わず声になって漏れた。
…これ…なんだ?
…誰かの…悪戯か…?
…それとも…夢?
全力で逃げ出したいという感情が俺を誘い込む。
ソイツは変な仮面を被っていた。
その仮面も真っ赤に染まっており、服からズボンまでもが真っ赤。
間違いない…!
コイツは…
『スマイル』本人だ!!
バリバリにそれを証明するかのようにソイツはホチキスを片手にしていた。
どうする?!
コイツ怪我してるぞ?!
応急処置ぐらいするか?!
いや、でもコイツは犯人なんだぞ?!
しかも何人も殺してきた連続猟奇殺人鬼!!
…クソッ!!
なにに迷ってんだ、俺は!!
選択肢なら決まってんだろ!!
同時刻…八王子市…某住宅街にて…
…まただ。
また死体が発見されてしまった。
夜空はパトカーのサイレンの光によって赤く照らされている。
そして周辺には近隣住民がスマホを構えていた。
杉本はマスコミを避けながら現場へ入る。
相変わらずの罵声だったが、杉本からしてみればそれは蛙の鳴き声に過ぎなかった。
これまで伝えるのを忘れていたが、第一発見者は必ず警官となっている。
これは一体どういうことか。
単純なトリックだ。
犯人自ら通報するのだ。
それも犯人自身のスマホでなく、被害者のスマホで。
さらに性別を悟られないようにするための変声機まで使って。
そのため、見つかる死体は目や口をホチキスで留めてあるだけでなく
必ずこのように腐敗して見つかるのだ。
死体の隣にはやはりあのマークがあった。
(フザケやがって…!!)
杉本は怒りで歯をギチギチと鳴らした。
そんな時、鑑識の1人が慌てふためいた様子で杉本を呼んだ。
「杉本さん!!路上に血痕が!!」
「なに?!」
杉本は大急ぎで被害者宅を出て、鑑識が指すところを見るとそこには確かに血痕があった。
「出来したぞ!!」
「あ!杉本さん!」
鑑識が呼び掛けるも彼には届かなかった。
(血痕はまだ新しい…!辿っていけば犯人がいるかも知れない…!)
彼はホルダーから拳銃を取り出して、血痕の跡を懐中電灯で照らしながら進んだ。
まるで虫眼鏡を使って足跡を追いかける探偵のように。
杉本は慎重に夜の闇へ消えた。
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