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しおりを挟むつまりだ。
一晩の屈辱―――――性的な屈辱を、ということらしい。
内心唖然としてしまったレントンだったが、そこは指揮官としての面子がある。
何より、普段頼りっぱなしの副指揮官に認められたわけでもあって。
つい、見栄を張って「まあ任せとけ」などと胸を叩いてしまったレントンであった。
しかし。
赤い稲妻の独房にやって来たはいいものの、レントンは途方に暮れてしまった。
見栄を張ったはいいものの、痛めつける以外で屈辱を与えるなど、どうした良いのかとんとわからない。
何より、相手は男だ。
普通の男に比べれば線は細く、戦場での苛烈な働きに似合わず女の様な容貌をしているが、赤い稲妻はれっきとした男だ。
そして生憎レントンは、男に欲情するような趣味は持ち合わせていない。
まあ、男しかいない軍隊で、日々の無聊を慰めるために男同士でナニをし合う輩も多いとは聞くが、レントン自身はそういったことには無縁だ。
第一、男同士といったら、突っ込むのはケツの穴なわけで。
当然、ンコ塗れになるわけだ。
そんな不衛生な所に自分の大事なモノを突っ込む気にはなれない。
考えただけで、萎える。
じゃあ、口に咥えさせたらいいのだろうが、如何せん相手はあの赤い稲妻だ。
不用意に口に突っ込もうものなら、食い千切るぐらいのことはしてのけそうだ。
いや、間違いなく食い千切るだろう。
というわけで。
悩んだレントンが苦肉の策で思いついたのが、自分のナニで赤い稲妻の頬を叩く、というものだった。
縄で簀子のようにぐるぐる巻きにされた赤い稲妻を、自分の前に跪かせる。
不敵に笑ってその目の前でズボンを寛げナニを取り出すと、赤い稲妻が何とも嫌そうに顔をしかめた。
さらにそれを顔に押し付ければ、目に涙を浮かべて悔しがる。
その様子に調子づいたレントンは、腰を振って赤い稲妻の頬をナニで叩いた。
ペチリ、と叩けば、赤い稲妻が悔しそうに呻き声を上げる。
ギリギリと歯を喰いしばってレントンを睨みつけてくるが、それこそ視線だけで人が殺せそうだ。
燃えるような赤い髪にハシバミの瞳をギラギラと光らせたその様は、まさしく赤い稲妻の異名に相応しい。
しかし今は、捕らえられて縛られ、自分なんかのナニで頬を叩かれるなどという屈辱を味わっている。
あの赤い稲妻を屈服させているのだという優越感で、レントンの胸は高揚していた。
その高揚のままに、ペチペチと赤い稲妻の頬を叩き続ける。
しかしながら。
やはり、ナニで頬を叩けば地味に痛いわけで。
一体自分は、いつまでこんなことをしてたらいいんだと自問自答し始めたところで、赤い稲妻に声を掛けられたのだった。
先程までの悔しそうな態度とは打って変わった冷静な態度で、楽しいのかと聞かれ、思わず戸惑ってしまう。
もちろん、楽しいわけがない。
むしろ痛いわけで。
何より、何が悲しくて男の頬をナニで叩かねばならんのだ。
急速に現実に引き戻され遠い目になっていたところ、何を思ったのか、赤い稲妻がレントンのナニに鼻を近づけて、あろうことか匂いを嗅ぎだした。
突然のことに、驚いてそれがピクリと反応してしまう。
その瞬間、顔を上げた赤い稲妻とレントンの視線が絡んだ。
やはり、どことなく小作りなその顔は、男にしては線が細い。
確か年の頃は自分とそう変わらないはずだが、こうやってみると青年というよりも少年のように見える。
見ようによっては、女だといわれてもおかしくはない。
そんなことを考えていると、突然、赤い稲妻がレントンのそれに自ら顔を近づけて、チュッと口付けた。
いわゆる竿の部分に、柔らかな唇の感触と、湿った吐息がかかる。
となると、もちろん反応してしまうわけで。
しかも、女みたいだなどと考えていたのだからなおさらだ。
むくりと鎌首を持ち上げ始めたそれに、思わず自分の事ながら動揺してしまう。
おい、ちょっと待て。
相手は赤い稲妻だぞ?
れっきとした男だぞ?
なんて思うも、今度は先程よりも強く口付けられ、あろうことか口に咥えられたから堪らない。
柔らかく湿った口内の感触に、たちまちのうちにそれが硬く勃ち上がってしまう。
しかも、勃ち上がったすきに、それの先端が赤い稲妻の咽頭部分に擦れて、途端腰が痺れるような快感が襲う。
思わず赤毛の頭を引き寄せて喉の奥に突き入れたい衝動に駆られるも、それよりも早く、赤い稲妻が顔を離したため、すんでのところでレントンは理性を取り戻したのだった。
しかし。
相手は男だというのに、しかも戦場で恐れられる赤い稲妻だというのに、自分の体は熱を持ってしまっている。
更には、盛大に咽こんで顔を上げた赤い稲妻の顔を見て、レントンは固まってしまった。
咽たためか、赤い稲妻の目は涙で潤み、細く白い面ては赤く上気している。
自身の唾で濡れた口元は、ぷっくりと赤い。
恨めし気に見上げられて、その瞬間、レントンは激しく欲情してしまった。
がむしゃらにその唇を奪い、押し倒して服を剥ぎ取りたい衝動に襲われる。
しかし、赤い稲妻は男なわけで。
つまり、今自分は、男に欲情していると。
その事実に、よろよろと後退る。
しかもこのままでは、むりやり押し倒して突っ込みかねない自分が居る。
そう、あそこに。
ンコ塗れになるだろうあそこにだ。
そんな自分に激しいショックを受けたレントンは、ナニを仕舞うことも忘れてその場から逃げ出したのだった。
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