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第二章
17-4
しおりを挟むエーベルトのものを突き立てられる度に中がわなないて、腹の奥に快感が溜まっていく。
ひたすら喘ぎながら、いつの間にかリディアーヌは夢中になって快感を追っていた。
「ああっ、ああっ、ベルっ、ベルっ」
「リディっ、リディっ、……はっ、くっ!」
中のものがいっそう硬く膨らんだと思った瞬間、強く腰を押し付けられて体の奥深くに熱いものが広がった。
どくどくと脈打ちながら吐き出される精を、しがみついて受け止める。
互いに荒い息を吐いて抱きしめ合っていると、触れ合った肌から直接鼓動が伝わってくる。
速いその鼓動は二人とも殆ど同じで、こうしているとどちらのものかわからない。
そのことが、何故か非常に嬉しい。
しばらくそのままでいると、再び中のものが硬くなってくる。
耳元で切なげに吐息を漏らされて、思わずビクリと震えると、それを合図にエーベルトがぐっと奥を突き上げてきた。
「はあんっ」
奥を突かれると、頭が痺れるような快感が走る。
揺すり上げられて、リディアーヌの口から高い声が上がった。
体に刻み込まれるように、何度も中を穿たれる。
既に蕩けきって何も考えられないリディアーヌは、エーベルトにしがみついて嬌声を上げ続けた。
最後に再び強く腰を打ちつけられて、体の奥にエーベルトの熱が放たれる。
互いに汗の掻いた体をぴったりとくっつけて、リディアーヌはそのまま微睡みの中に沈んだ。
翌朝、目を覚ましたリディアーヌは、目の前の眠るエーベルトの顔を見つめて、切ないため息を吐いた。
長い睫毛が白い頬に影を落とし、少し開いた形の良い唇からは安らかな寝息が聞こえている。
無防備に晒された寝顔は少年の頃のままのようでいて、そうではない。
頤から鎖骨へと伸びる筋の浮いた首元、しなやかに盛り上がった肩の筋肉のラインが、彼がまぎれもない男性であることを伝えている。
意識すると、胸が甘く疼くのがわかる。
「……ん」
まだ寝ぼけたエーベルトに抱き寄せられて、その広い胸にすっぽりと包まれたリディアーヌは、途端に胸がドキドキしてきてしまった。
胸に込み上げる甘酸っぱい感覚と、くらくらするような幸福感。
(わ、私。エーベルトが好きなんだわ……)
自分が、この結婚したばかりの夫に恋をしていると、ようやく気が付いたリディアーヌだった。
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