さくらんぼの恋

碧 貴子

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第一章

15-3

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「……うっ、はっ……リディ……」
 一旦動きを止めたエーベルトが、何かを耐えるかのように苦悶の表情を浮かべる。
 縋るようにリディアーヌが腕に手を添えると、それを合図にエーベルトがぐっと最奥を押し上げてきた。

「はあっ!」
 体の奥を深く突き上げられ、頭の芯が痺れたようになる。
 すぐさま体を揺さぶられ、リディアーヌは喘ぎ声を漏らしてぎゅっとエーベルトの腕を掴んだ。
 繋がった部分からは体を揺さぶられる度に、爽やかな朝に相応しくない湿った水音と肌を打つ音が響く。
 それらの音と自分の喘ぎ声で、だんだんリディアーヌは淫らに熱で浮かされたようになってきた。
 それにエーベルトのものが出し入れされる度に、粘膜が擦れてぞわぞわとした甘い痺れが腹の底に溜まっていく。
 不意にリディアーヌは、それが快感であることに気が付いた。

「はあっ、ああっ、ああっ」
 快感に気付いた途端、一気に蜜が溢れ、中の襞が柔らかく包み込むように蠢く。
 前後に揺すられる度に、はしたなく喘ぎ、よがってしまうが、既にそれを気にする余裕はない。
 そのうちに、動きを速めたエーベルトが低く呻いて体を震わせた。
 腹の奥にじんわりと広がる熱が心地よい。
 脱力したエーベルトを抱きとめて、リディアーヌは再び瞼を閉じた。

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