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第一章
14-5
しおりを挟む「ベ、ベル……、後、どれくらい?」
「はっ、……も、もう、殆ど、入ってる……」
「あのね、もう、……大丈夫、そう、……あああっ!」
言うなり一息に貫かれ、じんとした喪失の痛みがリディアーヌを襲った。
それと同時に、エーベルトが低く呻いて腰を押し付け体を震わせる。
中でエーベルトのものが脈打つと同時に、リディアーヌの体の奥に熱いものが広がった。
「はあっ、はあっ……、はあ。……ごめん、無理だった……」
口惜しそうに眉を顰め謝ってくる。
だが、何を謝っているのか分からないリディアーヌは、安堵に思わず笑顔になった。
だって、これで二人は夫婦になれたのだ。
きちんと繋がって、中でエーベルトの子種を受け止めることが出来たのだ、何も問題はない。
「良かった。これで私達、ちゃんと夫婦になれたのね」
「……あ、そ、そうだな……」
嬉しそうに微笑むリディアーヌに、エーベルトが拍子抜けしたような顔になった。
安堵と喜びで、エーベルトの背中に腕を回しギュッと抱き締める。おずおずと抱きしめ返されて、リディアーヌは幸せな気分になってきた。
しばらくそのまま抱きしめ合っていたのだが、その内に再び下腹に強い圧迫が戻ってきたことに気が付いた。既に中のものは、最初と変わらない程硬くなっている。
「……リディ。もう一回、いい?」
「え? あ、うん、……ああっ!」
頷くと同時に揺さぶられる。
硬く膨らんだ中のもので体の奥を突き上げられて、その圧迫感にリディアーヌはエーベルトにしがみついた。
幸い、最初のような痛みは殆どない。
更には先程出された白濁が潤滑剤の役割を果たしたのか、中をエーベルトのものが往復する度に、繋がった場所から淫靡な水音が響き始めた。
次第に、腰を打ちつけられ中が擦られる度に、リディアーヌはなにか頭の芯が痺れるような感覚になってきた。
二人の吐息と、ギシギシと軋む寝台の音が混ざって、非常に淫らな気分になってくる。
ぐちゅぐちゅとますます響く水音に、既に痺れてまともな思考が出来ない頭の中も犯されていくようだ。
「ああっ、ああっ!」
徐々に激しくなる腰の動きに、我を忘れて喘ぐ。ひたすら揺さぶられ、何が何だかわからなくなりそうだ。
最後にいっそう強く揺さぶられて、体の奥を圧迫されるとともに、再び熱い奔流を体内に感じる。
思わずリディアーヌはギュッとエーベルトにしがみついた。
体の深いところで、エーベルトのものがビクビクと跳ね上がるように痙攣しているのがわかる。
きつく掻き抱かれて、リディアーヌは酷く幸せな気持ちになった。
「はぁっ、はぁっ、……リディ……」
「ベル……」
「……もう少し、このままでいても、いい?」
「うん……」
しっとりと汗を掻いた体に抱きしめられて、何とも言えない安心感と充足感に包まれる。肌を通して直接伝わる鼓動も心地よい。言葉では言い表せない何かが、こうしていると伝わるような気がする。
その感覚を堪能するかのように目を閉じたリディアーヌは、あっという間に眠りに落ちたのだった。
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