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第一章
14-4
しおりを挟む「……大丈夫だから」
「う、うん……」
安心させるように声を掛けられて、ホッとする。
リディアーヌが指で触られるのを嫌がっていたのを心配してくれたのだろう。
それが嬉しくて、応えたい、と思う。
受け入れるように脚を開くと、何度か秘裂を往復して蜜を纏わせた指が、ゆっくりとなかに沈められた。
体の中に指を入れられるのは少しだけ怖くて、でもそれ以上に圧倒的に卑猥な感覚だ。本で得た知識で、これが男女の行為に必要な作業だということを頭ではわかっているも、それでもやはり卑猥な行為に感じてしまう。
しかし、自分ですら触ったことのない場所に触れられて、更には指を入れられていると意識した途端、リディアーヌは淫らな気分になってきた。
更にはぐるりとなぞるように中を掻き回されて、体の奥にぞわりとした感覚が沸き起こる。それと同時に蜜が溢れて、指を出し入れされる度にぬちゃぬちゃという水音が立ち始めた。
「はっ……」
「……痛い?」
「だ、大丈、夫……」
痛くはないが、強烈な異物感がある。
体内に指を入れられ弄られているという感覚は、やはり慣れない。
それでも受け入れたいという一心で、ともすれば閉じそうになる脚を開き、意識して体の力を抜く。
すると、開いた陰唇の間に現れた花芽を、エーベルトの親指が掠めた。
途端に、ビリビリとした電流にも似た快感がリディアーヌの体を駆け抜ける。
思わず声を上げると、その場所を覚えたエーベルトが親指をそこに押し当ててきた。
「あぁあっ!」
指で擦られる度、堪らず腰が浮いて嬌声が上がる。
強い快感にシーツを掴んで耐えていると、いつの間にか中に入れられていた指が増やされていた。
一気に潤ったそこからは、指が出入りする度に大きな水音が聞こえている。
ぐちゅぐちゅと中を掻き混ぜられて、さすがに圧迫感はあるものの、だんだんと何かぞわぞわとした感覚が下腹に広がっていくことにリディアーヌは気付いた。
「……はっ、……リディ」
「べ、ベル……」
「ごめん、……もう、いい?」
眉を寄せてそう聞くエーベルトは非常に苦しそうだ。
それでも、瞳にはまぎれもない情欲の光が灯っている。
光る青灰色の瞳に見つめられて、リディアーヌは背筋がゾクゾクした。
コクリと頷くとともに、指が中から引き抜かれる。
先程まであった体内の異物感が消えたことに、そこがひくりとわなないた。
しかし喪失感は一瞬で、すぐに熱くて硬いものがそこに押し当てられる。開いた入り口に先端が入り込んだ瞬間、リディアーヌは体を貫く痛みで声を上げた。
「いっ、痛いっ! ……んんっ!」
「うっ、……はっ、……少しづつ、入れる、から……」
「あうっ、……うっ、う……ん……」
指とは比べ物にならない強烈な圧迫感と痛みで、快感に浮かされていた頭が一気にハッキリする。
それでもそのまま動かずにいてくれている内に、少しずつ痛みが和らいでくるのが分かった。
「ベ、ベル……、大丈夫、…………つうっ!」
また少し、中に入る。
痛みにリディアーヌが顔を歪めると、エーベルトが侵入を止めた。
再びリディアーヌの痛みが和らぐのをそのまま動かさずに待つ。
痛みの為に短い息をするリディアーヌだったが、対するエーベルトも何かに耐えるように苦悶の表情を浮かべている。
そうやってゆっくり、ゆっくりとおし進めていくうちに、ある所を越えたところで、リディアーヌは先程までの強い痛みが急に和らいだのがわかった。
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