さくらんぼの恋

碧 貴子

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第一章

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「……キス、してもいい?」
「ええ……」
 目を閉じて、腕をエーベルトの首筋に回す。
 柔らかい唇の感触と共に口内に舌を差し入れられて、リディアーヌは甘い吐息を漏らした。
 深く口付けられて、頭が痺れたようになり体から力が抜ける。更には触れ合う素肌の温もりと感触に、リディアーヌは陶然となった。

「……ふっ、……ん」
 夢中になって口付けに応えている内に、エーベルトの手がリディアーヌの胸に触れた。
 最初は恐る恐ると、次第に大胆に胸を掴まれ揉まれて、リディアーヌはいつかのように胸の先端がじんじんと熱を持ってくるのを感じていた。

エーベルトの掌で擦れる度に体の奥に疼きが広がっていく。次の瞬間、先端を指で摘まれて、リディアーヌの体をびりりと電流が走った。

「んんっ、……んっ」
 思わず背中を逸らせると、熱い吐息と共にエーベルトがリディアーヌの首筋に口付けた。
 首筋に感じる熱く湿った感触に、そこからぞわぞわとした感覚が広がっていく。ゆっくりとエーベルトの唇が下に降りて行き、身の置き所のないその感覚に体が震えてしまう。胸を揉まれながらふくらみに口付けられて、リディアーヌは堪らず体をくねらせた。

「……んっ、ベルっ」
「くすぐったい……?」
「う、うん……。な、なんか、変な感じ……」

 くすぐったいというよりも、体がなんだかぞわぞわして落ち着かないのだ。

「……じゃあ、これは……?」
「ああっ!」
 言うなり胸の先端を口に含まれて、リディアーヌの口から堪らず嬌声が上がった。
 敏感になったそこを吸われて、リディアーヌの体にびりびりと電流のような感覚が走る。はっきり快感だと認識できるそれに自分の口から甘い嬌声が上がり、リディアーヌは自分のその声に驚いた。
 自分の声なのに、何故か酷く興奮してしまう。同時に、体の奥が疼くように熱くなっていく。
 むずむずする感覚に気付かぬうちに脚を擦り合わせていると、エーベルトが堪えきれないように熱いため息を吐いた。

「……リディ、触ってもいい?」
 胸に顔を埋めて聞いてくる。
 エーベルトの体も、燃えるように熱い。

「だ、駄目よ!」
 また指を入れられるのは嫌だ。
 慌てて答えたリディアーヌに、エーベルトが苦しそうな声になった。
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