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第一章
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可愛いカップルの話を書きたくて書いてみました。
可愛く描けたかどうかは謎ですが、楽しんでいただけましたら幸いです。
――――――――――――――――
ニヴルヘイム侯爵家の一人娘リディアーヌには、同い年の婚約者がいる。
妊娠時期が一緒ということで母親同士が仲良くなり、しかも生まれた子供が男の子と女の子だったため、二人の婚約は産まれてすぐに決まった。ちなみに誕生月まで一緒だ。
なので、二人は赤ん坊のころからずっと一緒にいる。
-----------------ただし、問題が一つ。
リディアーヌは、幼なじみで婚約者のエーベルト・アルシュガルドが大嫌いなのだ。
ニヴルヘイム家の美しい庭で優雅にお茶を飲みながら、リディアーヌは隣に座る淡い金髪の青年、エーベルトを睨みつけた。
「ちょっと、ベル。何でわざわざ隣に座るのよ。これじゃ私たちが仲良いみたいに思われるじゃない」
音を立てずにカップをソーサーに戻す。
そんなリディアーヌをエーベルトが青灰色の瞳で睨み返してきた。
「うるさいな。俺だってリディの隣になんて座りたくないさ。でも、今はまず話し合わなきゃならないことがあるだろ?」
形のよい眉をひそめて、何とも嫌そうに言う。
リディアーヌは渋々頷いた。
そう、今から話すことは周りに聞かれてはならないのだ。
「いいか? 俺達の誕生日までもう半年しかないんだぞ?」
「そうね。……正確にいえば、私の誕生日まで半年と一週間しかないわね」
「本当、嫌な奴だな。そんなの、だいたい半年で良いだろ? 第一俺の誕生日はちょうど半年後だ」
「うるさいわね。重要なのはあなたの誕生日じゃないでしょう?」
リディアーヌは冷たい視線を隣に送った。
「まあ、そうなんだが……。とにかく! リディの誕生日までに、俺達の婚約を何とかしなきゃならないわけだ!」
眉をひそめたまま語気を強めたエーベルトに、リディアーヌは苦虫を噛み潰したような顔で頷いた。
リディアーヌは今度の誕生日で18歳になる。成人となるその日に、二人は結婚することになっているのだ。
もちろん、本人たちは全く納得していない。
リディアーヌがエーベルトを嫌いなように、エーベルトもリディアーヌが嫌いなのだ。
しかし、双方の両親たっての希望で、しかも侯爵家と公爵家、お誂え向きに家格の釣り合いまで取れている二人は、端から見れば運命の組み合わせである。そのため、本人達がいくら嫌だと言ってもまったく取り合ってもらえず、ここまで来てしまったのだった。
それに二人とも心外でしょうがないのだが、何故か双方の両親共に二人が相思相愛の仲だと勝手に勘違いしているのだ。
可愛く描けたかどうかは謎ですが、楽しんでいただけましたら幸いです。
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ニヴルヘイム侯爵家の一人娘リディアーヌには、同い年の婚約者がいる。
妊娠時期が一緒ということで母親同士が仲良くなり、しかも生まれた子供が男の子と女の子だったため、二人の婚約は産まれてすぐに決まった。ちなみに誕生月まで一緒だ。
なので、二人は赤ん坊のころからずっと一緒にいる。
-----------------ただし、問題が一つ。
リディアーヌは、幼なじみで婚約者のエーベルト・アルシュガルドが大嫌いなのだ。
ニヴルヘイム家の美しい庭で優雅にお茶を飲みながら、リディアーヌは隣に座る淡い金髪の青年、エーベルトを睨みつけた。
「ちょっと、ベル。何でわざわざ隣に座るのよ。これじゃ私たちが仲良いみたいに思われるじゃない」
音を立てずにカップをソーサーに戻す。
そんなリディアーヌをエーベルトが青灰色の瞳で睨み返してきた。
「うるさいな。俺だってリディの隣になんて座りたくないさ。でも、今はまず話し合わなきゃならないことがあるだろ?」
形のよい眉をひそめて、何とも嫌そうに言う。
リディアーヌは渋々頷いた。
そう、今から話すことは周りに聞かれてはならないのだ。
「いいか? 俺達の誕生日までもう半年しかないんだぞ?」
「そうね。……正確にいえば、私の誕生日まで半年と一週間しかないわね」
「本当、嫌な奴だな。そんなの、だいたい半年で良いだろ? 第一俺の誕生日はちょうど半年後だ」
「うるさいわね。重要なのはあなたの誕生日じゃないでしょう?」
リディアーヌは冷たい視線を隣に送った。
「まあ、そうなんだが……。とにかく! リディの誕生日までに、俺達の婚約を何とかしなきゃならないわけだ!」
眉をひそめたまま語気を強めたエーベルトに、リディアーヌは苦虫を噛み潰したような顔で頷いた。
リディアーヌは今度の誕生日で18歳になる。成人となるその日に、二人は結婚することになっているのだ。
もちろん、本人たちは全く納得していない。
リディアーヌがエーベルトを嫌いなように、エーベルトもリディアーヌが嫌いなのだ。
しかし、双方の両親たっての希望で、しかも侯爵家と公爵家、お誂え向きに家格の釣り合いまで取れている二人は、端から見れば運命の組み合わせである。そのため、本人達がいくら嫌だと言ってもまったく取り合ってもらえず、ここまで来てしまったのだった。
それに二人とも心外でしょうがないのだが、何故か双方の両親共に二人が相思相愛の仲だと勝手に勘違いしているのだ。
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