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始まり。あいつとの再会へPrat5

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準爵視点その1

今日は最も驚きに満ちた日だ。
全への記憶を持ったまま転生した事に気が付いたあの日と同等の。

最初は・・・。
幼馴染のミラン・クル・シルクウォールに呼び出されて辺境伯の元へと急ぐ。
「ミルク」と小さい頃は呼んでいたがもう今では気軽には声を掛けられなくなった。

長じたのも有るが。

辺境伯の騎士団に入り、めきめきと実力を上げて副団長補佐までいったのが大きいだろう。
もちろん、その出世は僕も嬉しい。

取っ組み合っての喧嘩なんかをしたのはもうだいぶ幼い頃の事だ。
負けん気だけが取り柄で。
結局それに押し切られてしまい、はっきりしている前世の記憶から鍛練方法を伝えた。

ここでは前世の記憶は多かれ少なかれ多くの者たちが持ってはいる。
僕ほどの場合はとても少ないけど。
大体の人達は夢で別人の人生を見るか、特別強烈に覚えている断片くらい。

もっとも。鍛練方法はその頃の親友と色々と試したもので・・・どちらかと言えばオタク趣味全開に近い。
この世界に生まれ変わり、基本的な人体構造は同一だったので流用できた。

異なる点はいくつも有るが。

大きいのは魔法が使える事だろう。
物理現象も法則も準拠しているのに、すべてを捻じ曲げるチカラを持たされているのは何故か?
ここには魔獣や魔物や魔族と言った物理では克服できない相手が居るからだろう。

しかし・・・今の僕ではその答えを知る事が出来ている。

竜の騎士の証を所有し、「賢者」の称号を得たから。
さらにその先も。

証が手に入ってからはお盛んな父の愛人・・・僕を出産してからは第六夫人と成って、何の継承権も得られない不遇の子供時代からは脱却できた。
だけど、そんな母は謀略に巻き込まれ亡くなってしまった。
前世の記憶と魔法の組み合わせはやはりチートで。
オタク方向だったけど。
それでも現代社会で言うパテントとか特許権とかと同等の契約を取り交わして役に立てられそうな魔道具を作れたのは良かった。
しかし、与えられたのは陥没し消滅したグレートエルフ領の立て直しだった。

だけど別の任務が与えられた。

最近急に増えてしまった、魔力の淀みと、崩れ物の湧出。
その対策と原因究明。

そうそう簡単にオタク知識で解消なんてできるか・・・。

その探索で未確認の新種らしき魔物に襲われた奴隷商人の一行。
駆け付けた時は遅かった。
商人側は一発の攻撃魔法で全滅し、商品である奴隷も巻き込まれていた。
その中で一人のネコ系獣人の少女・マミを助けられたのは幸いだった。

彼女の生い立ちも過酷で・・・生まれた村に戻るか尋ねたが拒否された。
それも仕方が無いと思える話を聞いた。
だから、奴隷の身分を解消し、そのまま専属のメイドとする事に。

僕が小さい頃から面倒を見てくれたメイド長は難色を示したが、一人前にすると請け負ってくれた。
その目には怪しく燃える炎が称えられマミはおびえながら抵抗できずに連れ出されて・・・僕は迫力に中てられて固まって何もできなかったが、次に来た時にはメイド服に整えられていたけど凄く似合っていた。

徐々に笑顔を取り戻していったが、懐いてくれたのは僕だけで、メイド長に呼ばれると瞳から光が消えていた・・・。
それでも時間をかけて他のメイド達とも打ち解けていき、ミルクの助力も有って僕と同行するように。
仕事の手伝いまではできないが、なるべく傍に居させる様心掛けた。

気弱な少女で完結するかと思われたが、とんでもない事実が彼女には秘められてやがったんだが。

僕の造った馬車と馬。
前世からの知識で自動車のフレームやサスペイションの構造を転用した物に、この世界の魔法による強化や変わった素材を組み合わせての独自最性すぎる一品。
と、ゴーレムをより動物の動きをトレースしてロボットに近づけて造られた馬。
魔法を学び、使用する事が出来る様になってから夢中で完成させた。
同時に失敗も多く、試行錯誤にかこつけてのギミック満載。
何故か凄い反響が得られてしまい、簡素型を量産する事になって、その功績から準爵を賜ってしまった。

人生何が起こるか全くわからないものだ・・・。
でも。そのお陰で肩身の狭い思いはしなくて済んだ。
母が死んでからは特に狭かった思いが有っただけに。
メイド長なんて思いっ切り泣きながら僕を抱きしめた。

レシプロエンジンみたいな燃焼爆発による運動エネルギーを回転に変化して利用する方法は此方の世界では魔法の方が簡単に実用化ができるので発展していない。
問題は魔力の供給で、大気中や地中と水中に、更に生物の体内に存在しているが持ち出すには一定のプロセスが必要だった。
魔石をバッテリーと魔石して、魔法陣や術式をプログラムや構造機構として利用するわけだが、結果が先に訪れるのが魔法の長所で欠点でもある。
それを理解するのに・・・ラノベやアニメや漫画の解釈が役に立ってしまった・・・。

爆発も可燃性ガスや粉塵爆発も存在する事は子供の頃の実験で確認している。
とてもこっぴどく怒られたけど。

理解を示して許されて実験を続けられたのは父が許してくれたからだ。
何かを感じていたのかもな。

魔法に頼らずにもう一つのソースとしてバッテリーやエンジンを大きくならない様に工夫したのを組み込んでいるのが僕特製の仕様。
魔力切れってのがやっぱり在るし、辛いからね。
生きて帰る事を目的にしているのもある。
補助として魔法以外の動力源は隠れた需要が有ったのは、僕にとって非常に助かった。

今でも、難癖は付けられているけどね。
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