58 / 142
エース
〈13〉
しおりを挟む
叶夜は川岸に作られた簡易的な駐車場に車を停めた。そしてエンジンをきり、背もたれに体を預けた。
フロントガラスがまるでテレビのように川のせせらぎを映している。きらきらと水面の所々がスパンコールのように光る。窓をあければ爽やかな風が車内に舞い込んできた。
「気持ちいいね」
叶夜はエースに話しかける。もうエースの声は聞こえなくなっていた。
「やっぱり来てよかった」
叶夜が嬉しそうに呟くと、かちゃりとロックが外れた音がした。もしやと思ってドアハンドルを押せば、扉がゆっくりと開いた。
叶夜は天井を見上げる。そして微笑んだ。
「ありがとう、エース」
外に出ると川の音や風で草が揺れる音が曇りなく耳に届いてきた。涼しい風を一身に受けて叶夜は伸びをする。やっとリフレッシュが出来たような気がした。
叶夜はエースの隣にある車止めに腰かける。そして目に優しい初夏の景色を楽しんだ。
川の対岸を犬をつれた男性が歩いていく。自転車に乗った高校生くらいの少女二人がその横を通り過ぎていった。
彼らを目で追いながら叶夜は、自分が随分と長い間自然を感じていなかったことに気づいていた。
ずっと仕事ややることに追われて日々を過ごしていたため、ほっと息をつく時間などなかったような気がする。灰色の建物に囲まれた場所で息の詰まる生活をしている叶夜にとって、このように自然の中でゆったり過ごせる時間は貴重なものだった。
(エースのお陰だな)と叶夜は笑む。
最初は(何故こんなことに巻き込まれてしまったのだろう)と思っていたが、今はすっかりこの状況を作り出してくれたエースに感謝していた。
水を含んだ涼しげな風が叶夜の髪をとかすように通り過ぎていった。視界を遮る前髪を手で払い、エースに話しかける。
「エース、君も気持ちいい?」
何も聞こえなかった。けれど恐らく無視されているわけではないのだろう。必死にこちらに言いたいことを伝えようと奮闘するエースの画が頭に浮かび、叶夜は申し訳ない気持ちになる。
車が命をもたない機械で、言葉を話さないものだと思っていたときにはこんなに寂しくなることはなかった。しかし、彼らが話せると知ってしまうと声が聞こえないのが悲しく、声を聞けない自分が恨めしくなる。
(さっきは聞こえたのになあ)
叶夜はエースを見る。
彼は端から見れば、いつもと変わりのない教習車だった。しかし今の叶夜には違って見える。それは橋を通過していく自動車や原動機付自転車も、川岸をサイクリングする自転車も同じだ。
叶夜は自分の常識を壊すこの世界の新しい発見に一瞬めまいを覚えたが、なんとか気を確かにもった。そしていてもたってもいられないように立ち上がる。
腕時計を見ればもう三限目が始まっている時間だ。車から出られたことだし、そろそろ帰らなければならない。
叶夜は扉を開けると車に乗り込んだ。そしてシートベルトをつける。
「さ、エース。帰ろうか」
頷くようにまた室内灯が点滅した。叶夜は鍵をつけエンジンをかける。
(よし、安全運転で帰るぞ)
叶夜はそう自分に言い聞かせると、ギアをリバースにいれゆっくりバックし始めた。
エースが帰ってきたのを見て、朝陽が腰をあげた。そして駐車されるのを見ながら近づく。
「なんだ、もう帰ってきたよ」
エックスがエースを横目に見ながら言う。
「すっごく楽しかった!」とエースが上機嫌で言った。その間にがちゃりと扉が開き、叶夜が降りてきた。
それを見て朝陽はほっとする。
「よかった。出られたんですね」
朝陽の安堵した表情を見て、叶夜が申し訳なさそうに頭をかく。
「ええ、心配をおかけしました。あなたのお陰です。……ありがとうございます、関さん」
叶夜の言葉に朝陽は首を振る。
「いえ。エースを安心させたのはあなたですよ。私はお手伝いをしただけです」
そう言いながら朝陽は叶夜の顔をじっと見た。
そして妙な顔をする。
叶夜がその表情を見て、「顔に何かついていますか?」と慌てて自分の顔を触る。
「いえ、違います。……」
朝陽は叶夜を上から下まで見ると
「……あなた、もしかして男性ですか?」と尋ねた。
その言葉に叶夜がきょとんとする。
「え?ええ、そうですけど」
それを聞いて朝陽が気まずそうな顔をした。
「……すいません。窓越しにあなたの顔を見て、てっきり女性だと思い込んでいました」
それを聞いて叶夜は口をぽかんと開ける。その隣でエースとエックスが同時に吹き出し笑いだした。
「あはは!叶夜が女だって!」
「女って!確かに顔は女顔だけど!」
ひいひい笑う車たちを朝陽は横目で睨み付ける。
「そんなに笑わなくてもいいだろう」
そうムッとして言った朝陽に叶夜がはっとした。
「……笑っているんですか?エース」
朝陽は叶夜の方を見て頷く。
「ええ。ちなみに、彼の隣にいる教習車も笑っていますよ。私がエックスと勝手に名付けたんですけどね」
そう言うと「そうなんですか……」と叶夜がエースとエックスの方を見た。やはり叶夜にはなにも聞こえない。
叶夜は寂しそうな顔をした後、朝陽の方に顔を戻し尋ねた。
「エースは他に何か言っていますか?」
朝陽はちらりとエースを見る。
「エース。叶夜さんに何か伝えたいことはあるか?」
エースは朝陽を見るとこくりと頷いた。そして嬉しそうに口を開く。
「『すっごく楽しかった』って伝えて!あと『ありがとう』も!」
朝陽は頷くと、エースが言った通りに伝えた。叶夜が顔を綻ばせる。
「あとね、事故が起きるのは確かに怖いけど、叶夜の言った通りドライブが出来なくなるのは悲しいから、あんまり気にしないようにするよ!」
そう今までと全く正反対のことを言うエースを見ながらエックスが
「こいつ、すごく単純だろ?」と朝陽に耳打ちした。
「まあ、そうだな。でも助かった」
朝陽はそう頷いてから叶夜にエースの言ったことを伝える。
叶夜は相づちを打ちながら聞いたあと、エースのほうを向いた。そして優しくボディーを撫でる。
「ありがとう、エース。これからもあちこちに行こうね」
エースは撫でられたことに満面の笑みをみせると、
「うん!叶夜大好き!」と言った。
朝陽がそれを満足そうに眺めていると
「要くん!」と後ろから永谷が走ってきた。
フロントガラスがまるでテレビのように川のせせらぎを映している。きらきらと水面の所々がスパンコールのように光る。窓をあければ爽やかな風が車内に舞い込んできた。
「気持ちいいね」
叶夜はエースに話しかける。もうエースの声は聞こえなくなっていた。
「やっぱり来てよかった」
叶夜が嬉しそうに呟くと、かちゃりとロックが外れた音がした。もしやと思ってドアハンドルを押せば、扉がゆっくりと開いた。
叶夜は天井を見上げる。そして微笑んだ。
「ありがとう、エース」
外に出ると川の音や風で草が揺れる音が曇りなく耳に届いてきた。涼しい風を一身に受けて叶夜は伸びをする。やっとリフレッシュが出来たような気がした。
叶夜はエースの隣にある車止めに腰かける。そして目に優しい初夏の景色を楽しんだ。
川の対岸を犬をつれた男性が歩いていく。自転車に乗った高校生くらいの少女二人がその横を通り過ぎていった。
彼らを目で追いながら叶夜は、自分が随分と長い間自然を感じていなかったことに気づいていた。
ずっと仕事ややることに追われて日々を過ごしていたため、ほっと息をつく時間などなかったような気がする。灰色の建物に囲まれた場所で息の詰まる生活をしている叶夜にとって、このように自然の中でゆったり過ごせる時間は貴重なものだった。
(エースのお陰だな)と叶夜は笑む。
最初は(何故こんなことに巻き込まれてしまったのだろう)と思っていたが、今はすっかりこの状況を作り出してくれたエースに感謝していた。
水を含んだ涼しげな風が叶夜の髪をとかすように通り過ぎていった。視界を遮る前髪を手で払い、エースに話しかける。
「エース、君も気持ちいい?」
何も聞こえなかった。けれど恐らく無視されているわけではないのだろう。必死にこちらに言いたいことを伝えようと奮闘するエースの画が頭に浮かび、叶夜は申し訳ない気持ちになる。
車が命をもたない機械で、言葉を話さないものだと思っていたときにはこんなに寂しくなることはなかった。しかし、彼らが話せると知ってしまうと声が聞こえないのが悲しく、声を聞けない自分が恨めしくなる。
(さっきは聞こえたのになあ)
叶夜はエースを見る。
彼は端から見れば、いつもと変わりのない教習車だった。しかし今の叶夜には違って見える。それは橋を通過していく自動車や原動機付自転車も、川岸をサイクリングする自転車も同じだ。
叶夜は自分の常識を壊すこの世界の新しい発見に一瞬めまいを覚えたが、なんとか気を確かにもった。そしていてもたってもいられないように立ち上がる。
腕時計を見ればもう三限目が始まっている時間だ。車から出られたことだし、そろそろ帰らなければならない。
叶夜は扉を開けると車に乗り込んだ。そしてシートベルトをつける。
「さ、エース。帰ろうか」
頷くようにまた室内灯が点滅した。叶夜は鍵をつけエンジンをかける。
(よし、安全運転で帰るぞ)
叶夜はそう自分に言い聞かせると、ギアをリバースにいれゆっくりバックし始めた。
エースが帰ってきたのを見て、朝陽が腰をあげた。そして駐車されるのを見ながら近づく。
「なんだ、もう帰ってきたよ」
エックスがエースを横目に見ながら言う。
「すっごく楽しかった!」とエースが上機嫌で言った。その間にがちゃりと扉が開き、叶夜が降りてきた。
それを見て朝陽はほっとする。
「よかった。出られたんですね」
朝陽の安堵した表情を見て、叶夜が申し訳なさそうに頭をかく。
「ええ、心配をおかけしました。あなたのお陰です。……ありがとうございます、関さん」
叶夜の言葉に朝陽は首を振る。
「いえ。エースを安心させたのはあなたですよ。私はお手伝いをしただけです」
そう言いながら朝陽は叶夜の顔をじっと見た。
そして妙な顔をする。
叶夜がその表情を見て、「顔に何かついていますか?」と慌てて自分の顔を触る。
「いえ、違います。……」
朝陽は叶夜を上から下まで見ると
「……あなた、もしかして男性ですか?」と尋ねた。
その言葉に叶夜がきょとんとする。
「え?ええ、そうですけど」
それを聞いて朝陽が気まずそうな顔をした。
「……すいません。窓越しにあなたの顔を見て、てっきり女性だと思い込んでいました」
それを聞いて叶夜は口をぽかんと開ける。その隣でエースとエックスが同時に吹き出し笑いだした。
「あはは!叶夜が女だって!」
「女って!確かに顔は女顔だけど!」
ひいひい笑う車たちを朝陽は横目で睨み付ける。
「そんなに笑わなくてもいいだろう」
そうムッとして言った朝陽に叶夜がはっとした。
「……笑っているんですか?エース」
朝陽は叶夜の方を見て頷く。
「ええ。ちなみに、彼の隣にいる教習車も笑っていますよ。私がエックスと勝手に名付けたんですけどね」
そう言うと「そうなんですか……」と叶夜がエースとエックスの方を見た。やはり叶夜にはなにも聞こえない。
叶夜は寂しそうな顔をした後、朝陽の方に顔を戻し尋ねた。
「エースは他に何か言っていますか?」
朝陽はちらりとエースを見る。
「エース。叶夜さんに何か伝えたいことはあるか?」
エースは朝陽を見るとこくりと頷いた。そして嬉しそうに口を開く。
「『すっごく楽しかった』って伝えて!あと『ありがとう』も!」
朝陽は頷くと、エースが言った通りに伝えた。叶夜が顔を綻ばせる。
「あとね、事故が起きるのは確かに怖いけど、叶夜の言った通りドライブが出来なくなるのは悲しいから、あんまり気にしないようにするよ!」
そう今までと全く正反対のことを言うエースを見ながらエックスが
「こいつ、すごく単純だろ?」と朝陽に耳打ちした。
「まあ、そうだな。でも助かった」
朝陽はそう頷いてから叶夜にエースの言ったことを伝える。
叶夜は相づちを打ちながら聞いたあと、エースのほうを向いた。そして優しくボディーを撫でる。
「ありがとう、エース。これからもあちこちに行こうね」
エースは撫でられたことに満面の笑みをみせると、
「うん!叶夜大好き!」と言った。
朝陽がそれを満足そうに眺めていると
「要くん!」と後ろから永谷が走ってきた。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
シチュボ(女性向け)
身喰らう白蛇
恋愛
自発さえしなければ好きに使用してください。
アドリブ、改変、なんでもOKです。
他人を害することだけはお止め下さい。
使用報告は無しで商用でも練習でもなんでもOKです。
Twitterやコメント欄等にリアクションあるとむせながら喜びます✌︎︎(´ °∀︎°`)✌︎︎ゲホゴホ
「キミ」が居る日々を
あの
キャラ文芸
ある日、車に轢かれそうになった瞬間、別人格と入れ替わってしまったセツ。すぐに戻ることはできたものの、そのときから別人格ハルの声が聞こえるように。
こうして主人公セツと別人格ハルの少し変わった日常が幕を開けたーー
表紙はつなさんの「君の夢を見たよ」よりお借りしています。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
真紅の蓮華はあやかしを照らす~後宮の占術師と禁断の書~
昼から山猫
キャラ文芸
家の出身ながら、宮廷では風変わりな占術師として扱われる霧香(きりか)。彼女は天象や暦を読み解き、あやかしの動きを察知することに長けていたが、怪しげな術に頼る者と陰口を叩かれていた。後宮の妃が頻繁に悪夢を見るようになり、その解決を命じられた霧香は、占いの結果から皇族に隠された“禁断の書”の存在を示唆する。華々しい式典の裏で起きる怪奇現象、夜ごとに鳴り響く不協和音、そこには真紅の蓮華と呼ばれるあやかしを封じた古代の儀式が関係しているらしい。調査を進めるうち、霧香は禁断の書が皇宮のどこかに眠り、妃たちを蝕む悪夢と深く結びついていることを知る。しかし、やがて誰かが霧香の行動を阻むかのように、決定的な証拠が次々と失われていき――。
コンフィズリィを削って a carillonist
梅室しば
キャラ文芸
【フキの花のオルゴールは、たった一つの抑止力だった。】
潟杜大学に通う学生・甘粕寛奈は、二年生に進級したばかりのある日、幼馴染から相談を持ちかけられる。大切なオルゴールの蓋が開かなくなってしまい、音色が聴けなくて困っているのだという。オルゴールを直すのを手伝ってくれるのなら、とびきりのお礼を用意しているのよ、と黒いセーラー服を着た幼馴染はたおやかに微笑んだ。「寛奈ちゃん、熊野史岐って人の事が好きなんでしょう? 一日一緒にいられるようにしてあげる」
※本作はホームページ及び「pixiv」「カクヨム」「小説家になろう」「エブリスタ」にも掲載しています。
ちゅちゅん すずめのお宿
石田空
キャラ文芸
ある日カラスに突き回されていたすずめを助けた奥菜は、仕事のスランプで旅行しようとしていたところ、助けたすずめにお礼を言われる。
「助けていただいたすずめです。よろしかったらしばらくの間、滞在しませんか?」
それは現世と幽世の間につくられたすずめのお宿、幸福湯だった。
店主のすずめのあおじに上客としてもてなされることとなったものの……この宿にやってくる客、問題児しかいなくないか?
幸福湯にやってくる問題児にトラブル、ただ泊っているだけなのに巻き込まれる奥菜は、がなりながらもそれらに対処していく。
サイトより転載になります。
大正銀座ウソつき推理録 文豪探偵・兎田谷朔と架空の事件簿
アザミユメコ
キャラ文芸
──その男、探偵の癖に真実を語らず。本業は小説家なり。
地獄の沙汰も口八丁。嘘と本当のニ枚舌。でっちあげの事件簿で、今日も難事件を解決するのだ!
大正時代末期、関東大震災後の東京・銀座。
生活費とネタ探しのために探偵業を営むウソつきな小説家・兎田谷。
顔は怖いが真面目でひたむきな書生・烏丸。
彼らと、前向きに生きようとする銀座周辺の人々との交流を書いた大正浪漫×ミステリー連作です。
※第4回ホラー・ミステリー小説大賞で大賞を受賞しました
※旧題:ウソつき文豪探偵『兎田谷 朔』と架空の事件簿
※アルファポリス文庫より書籍発売中
俺様当主との成り行き婚~二児の継母になりまして
澤谷弥(さわたに わたる)
キャラ文芸
夜、妹のパシリでコンビニでアイスを買った帰り。
花梨は、妖魔討伐中の勇悟と出会う。
そしてその二時間後、彼と結婚をしていた。
勇悟は日光地区の氏人の当主で、一目おかれる存在だ。
さらに彼には、小学一年の娘と二歳の息子がおり、花梨は必然的に二人の母親になる。
昨日までは、両親や妹から虐げられていた花梨だが、一晩にして生活ががらりと変わった。
なぜ勇悟は花梨に結婚を申し込んだのか。
これは、家族から虐げられていた花梨が、火の神当主の勇悟と出会い、子どもたちに囲まれて幸せに暮らす物語。
※3万字程度の短編です。需要があれば長編化します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる