異世界ニートを生贄に。

ハマハマ

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67.5「タロウ:マグマ」

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 ウギーとかいう子、めっちゃ強そうやん。
 ヴァンさんたち大丈夫っすかね。

『タロウ、ココ、暑イ、プックル、毛長イ』
「そうすよねー。俺も暑くって辛いっす」

 ほら、頂上にたどり着いたんは良いんやけどね、すぐそこから下覗いたらニ十メートルくらい下? もうそこマグマやねん。

 ん? マグマ? 溶岩?
 まーどっちでも良いけど。

 頂上の中央はっきい穴になっとって、洒落で落ちるとかそんな冗談は絶対言われへん光景っすわ。
 穴ん中、全部マグマ。
 だからもう暑くって暑くって、これもう熱いってレベルっすわ。

 神さまおれへんし、んー、何したら俺の魔力分かる様になるんか全然分からんね。

「プックル、明き神さま居てる?」
『サァ』

 そすよねー。

 こんな事しとっても何にもならへんね。
 で、登って来た方をこっそり覗いたらさ、ウギーいう子が棒持って暴れてるやん。
 あ、ヴァンさん達が抜かれたで。
 ロボやばない?

 あ、やっべ!
 吹き矢吹き矢! 援護射撃っす!


――タロオ――

「プックル? なんすか?」
『プックル、喋ッテナイ』

 そうすか? 呼ばれた気するんすけど。

 あ、ロボどうなったすか?

「おお! ロボの霊力砲直撃! ロボやるっすね! でも効いてねー」

 俺も吹き矢で援護したいんすけど、ヴァンさんの魔法がどんどん出るし打つタイミングあらへん。

 お、なんかジッとしてるけど、もしかして3の改めてお友達から、になったんかな?

――タロオ――

 やっぱ呼ばれてるっすよ!
 けど、辺りを見回してもプックルしかおらんやん。

 ――タロオよ、聞け――

「誰っすか!?」
『タロウ、ドウカシタ?』
「誰かが俺の名前呼んでるみたいなんすよ」
『誰モ、イナイ』

 お、ロボ到着っす!

『タロウ殿! 後ろ! それなんでござるか!?』

 え? 後ろ?
 なんかめっちゃ熱いんすけど、振り向かんならん?

 そーっと振り向いたら……

「のわぁぁ! マグマの柱! ふっと!」

 って、嘘ーん、マジっすか?

「ぐぁぁぁ! あっつ――」

『ヴァン殿!! タロウ殿が!! 溶岩に呑み込まれたでござる!!』
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