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しおりを挟む(「夢、だったのかしら…」)
小鳥が遠くで泣いてる声を聞きながらパチリと目が覚める
殺風景な自室を見渡してはぁ…とため息をついた
昨日の夜は25年間生きてきた中で最高級に心拍数が上がって、頭が爆発するのではないかと心配したぐらい刺激的な夜だった
(「最後までされるかと思ってたけど…」)
私から「結婚する」という言葉を聞いたフィル様は再度、口付けをすると部屋まで送る。といい、丁寧に部屋まで送ってくれた
その先を期待していたような考えをしてしまい、かぁっと頬に熱がこもった
パタパタと手で顔を仰ぎながらベッドから立ち上がった
いつも通り仕事ができるだろうか、と不安に駆られながらも身支度を整えて部屋を後にした
ーー
「王妃様!」
「おはようシャーロット。ちょっといいかしら?」
歩き慣れた廊下をぼーっと歩いていると前方から普段はこんなところではお会いしない王妃様が待っていた
驚いた表情をする私に王妃様はにこりと笑って近くの部屋に入るように促された
「フィルナンドから聞いているだろうけど、ロックフェラー伯爵の復帰に伴って貴方も伯爵令嬢に戻ったわけなんだけど…」
部屋に入り早速本題に入った王妃様はうーん、と悩んでいた
「未婚の貴族令嬢を教育係に据え置くのは…その…」
「…承知しております。少なからず覚悟はしておりました。」
大丈夫です、と笑えば、私ではなく王妃様が辛そうな顔をする
「本当にごめんなさい…教育係じゃなくなってもたまにはお茶をしに登城してきてね」
「はい。ありがとうございます」
王妃様が私をぎゅっと抱きしめてポンポンと背中を撫でてくれた
「あと、本当に申し訳ないんだけど…ロックフェラー伯爵が、今朝登城したの。シャーロットを連れて帰るって話してるから準備をして中央宮に行ってくれるかしら?」
「お父様がですか?突然ですね…では、フィルさ、殿下に挨拶をしてきます」
まさかの今日が退職日になるとは、いきなりすぎて頭が混乱しそうだった
「うーん、フィルナンドには挨拶しなくていいわ!貴方が辞めるって言ったら絶対荒れるから先に逃げちゃいましょう!」
事後報告よ!事後報告!と笑う王妃様
「いえ、流石にそれは…」
「いいのよいいのよ!さっ!準備しちゃって!」
背中を押されながら部屋を出て自室まで誘導される
王妃様の侍女が何人か手伝いをしてくれたため、あっという間に荷造りが終わってしまった
「それじゃあ、また会いましょうね~」
「えぇぇ…王妃様…」
手をひらひらとさせ、護衛たちに連れられて中央宮まで連れていかれる
(「まあ、王妃様がいうなら大丈夫かしら。結婚は…正式に王家からまた連絡がくるわよね?」)
すっかり結婚することに抵抗がなくなっている私は楽観的に考えて、父が待つ中央宮に向かった
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