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しおりを挟む「久しぶりねシャーロット!」
「ラウラ!元気にしていた?」
王妃様の御前ということを忘れて久しぶりの再会に喜んだ
「まあまあ、仲良しさんなのね」
「はい。王妃様。シャーロットは学生時代からの仲ですの」
「いいわね~私、友達と呼べる人なんていなかったから羨ましいわ」
王妃様は隣国の元王女で、結婚を機にこちらに嫁いできたため知り合いという知り合いもいなく随分と寂しい思いをされている、とフィルナンド殿下が言っていたのを思い出した
「まあ!王妃様!私は王妃様を美容仲間だと思っていますわ!」
「美容仲間?」
「はい!美容に関して身分の差などありませんわ!全ての女性はみな美しくなってこそです!!」
その点、王妃様とは本当に話が合いますから楽しいです。と笑顔で話すラウラをみて王妃様は毒気が抜かれたかのようにへにゃりと苦笑した後、扇子で口元を隠してふふふ、と笑った
「さあ、時間もあまりありませんからドレスの採寸をしましょう!」
ラウラがパンパンと手を叩くとラウラお抱えのお針子たちが一斉に部屋に入ってきて王妃様と私を取り囲んだ
「待ってラウラ!私は既製品でいいのよ!」
「却下!!ちゃーんとフィルナンド殿下からシャーロット用にって代金はいただいてるからフルオーダーメイドよ!」
ラウラの言葉にヒェッと驚いた
「ま、まさか…殿下ったら王子費用を…?!」
「あら、そこは心配しなくても大丈夫よシャーロット。あの子自分で稼いでるみたいだから」
「稼いでる…?」
「ええ。確か1年ぐらい前から株やら投資やら…結構上手く行ってるみたいで一貴族ぐらいら資産があるんじゃないかしら」
やっぱり私の息子よね~流石だわ!と親バカぶりを発揮している王妃を尻目に私は頭の中をフル回転させていた
というのもまさかフィルナンド殿下が株や投資に手を出していたことを知らなかったのだ
(「シャリーに隠し事はしない。っておっしゃっていたのに?え、どうして?いや、その前に何で私はショックを受けてるの??」)
「シャーロット?」
突然、ピタリとと固まった私に対してラウラが心配そうに寄り添う
ラウラの手がそっと肩に触れたかと思うとその次には勢いよく揺らし始めた
「帰ってきて!!シャーロット!!王妃様の御前よ!」
「え、あっ、ごめんなさい!ありがとうラウラ…」
ラウラは学生時代から考え事をすると周りの環境など意に介さず固まってしまう私の扱いには慣れていた
昨夜のようにパシリと両頬を軽く叩き、王妃に軽く頭を下げた
ふふふ、と笑いながら王妃様は扇子を机の上に置いた
「それじゃあ、ドレスを選びましょう!」
その言葉が合図となって私はお針子たちにもみくちゃにされながらドレスの採寸とデザインを選ぶ羽目となった
ーー
「今日はありがとうラウラ」
「いいのよ。元々仕事だったし、シャーロットを着飾れて私は楽しかったわ!」
ふんふん、とご機嫌に歩くラウラの横で私は苦笑した
なにせ、ラウラが取り扱うドレスはどれと一級品であり、オーダーメイドとなるとかなりの金額になることがわかっていたから純粋に喜ぶことができなかったのは許して欲しい、と心の中でそっと呟いた
そんな私の気持ちもつゆ知らずラウラは私がが決めたドレスについて楽しそうに話していた
「そういえば、私のドレス、色は決めなくてもいいの?」
手元にあるドレス画の紙を見てラウラに問いかける
「あー…そうね、実はそのデザイン始めて作るものだからまだどんな生地が合うかわからないのよ」
生地によっては出せない色合いもあるから、と話すラウラに私は納得した
たしかにこのデザインは中々斬新的だな、と思っていたからだ
「仮縫いまで時間はあるし楽しみにしていてね!」
「ええ、ありがとう」
それじゃあまたね、と挨拶を互いに交わしてそれぞれの場所へと別れていった
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