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最期
2.
しおりを挟む「エルナンド。入るわよ」
「お義母様」
私はこの国の王太子のエルナンド・フィリペ・デ・ハプスブルクだ
父は国王であるが実の母は国内のとある貴族の娘だったそうだ
というのも生まれてすぐに王宮に連れてこられて目の前にいる義母に育てられたから実母のことは名前も顔も知らない
父である国王は優しい目を向けてくれるが義母はどうしてもどこか冷めた目で私を見てくるのが耐えられなかった
「どうしたのですか?」
「ルフィーナのことです。本当に死刑にするのですか?」
「ルフィーナは……ソルティナに傷害を負わせたのです。未来の王太子妃に対しての暴行です」
「そう。貴方はソルティナの傷を自分の目で見たのかしら?」
「いえ!そんな淑女の足をみるなど破廉恥なことは…!」
義母の言葉に顔がサッと赤くなった
そんな私に対して義母はどこか呆れた表情をしていた
「……貴方を引き取ってから10数年あまり。国王の血を少しでも引く子だと思い育ててきましたが、ルフィーナを貴方が切り捨てるのなら話は変わります」
「お母様…?」
「貴方から母と言われる筋合いはありません」
「え、、、」
「それでは。さようなら」
そう言い残すと銀髪黒髪の美しいほど儚げな義母は部屋から出て行った
義母の言葉と冷たい視線が脳裏から離れず、ぶるりと身震いがした
あの言い方はまるで
(私を捨てる気なのか…?)
ぶんぶんと頭を振り今し方自分が考えた考えを消し去った
まさか、そんなはずはないと、
仮にも私は国王の子供だ
王妃がどうこうできるはずではない
そう確信していた
ルフィーナの死刑の日までは
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