ハプスブルク家の姉妹

Ruhuna

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最期

1.

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「いよいよ、ね」


今日、私は死刑になる


罪状は「王太子の婚約者に対する暴行」だ、そうだ
その程度で死刑にするなど全く持ってありえない話であるがむしろこの状況は私にとって都合が良いものだった





時は遡って私が投獄される数日前





使用人の1人に宝石を渡し、一つのお願い事をした


『この手紙を王妃に届けて欲しい』と、



2.3日するとその使用人が王妃からの手紙を持ってやってきた


王妃からの手紙の内容を読んで私は自然と笑みが溢れた



~~~~~~~~
愛するルフィーナ

ことの詳細は陛下から聞いています
陛下は姉でも妹でもどちらでも構わない。と仰っていますが、私はソルティナに王妃が務まるとは微塵も思っていません。
読み書きも出来ないような者が王妃になどなってしまえばこの国は終わってしまいます。
ルフィーナと結婚するならばと、エルナンドを後継にすることを承諾致しましたが、貴女との婚約がなかったことになった今、エルナンドに対する思い入れはありません。
あなたのしたいようにしなさい。私が協力いたします。 

             王妃
~~~~~~~~~


王妃からの手紙を読んだあとその手紙は暖炉で燃やした
証拠が残ってはいけないためだ
すぐに返事の手紙を書いた



その数日後に私はエルナンド殿下の命によって投獄されたのだ




ーーー



(来たわね)



投獄されて2日が経った頃
地下にある牢屋は誰かが階段を降りてこれば足音が牢屋全体に広がる
そして目の前にやってきたソルティナをみて私はニヤリと笑った
どうやら王妃様はしっかりと仕事をこなしてくれているようだ


久方ぶりにみるソルティナは外見も中身も変わっていなかった
彼女が欲しがるものはいつだって私が持っているものだ
案の定、私から奪い取ったエルナンド殿下にはすでに飽きが来ているのだう
言葉の端々に現状に不満を持っているのが伝わってきた


だからこそ人の同情と関心に飢えている妹の前に最高級の餌をぶら下げることにした



「明日、私は死ぬの。でもね、その場面を全国民が見るの」
「全員が?」
「そうよ。全員の視線がわたし一人に注がれるの」


そう話した瞬間妹の目が輝いたのを見逃さなかった

(食いついた…!)


予想していた通りの食いつきをみせてきた妹に対して笑みが溢れそうになるが我慢をする
今怪しまれるのは良くない 


「ずるいわお姉さま!わたしに頂戴!」
「ええ、いいわよ。そしたら私のいう通りに明日は動いてくれる?」
「え…でも明日はエルナンド様がそばにいるようにって」
「そう。残念ね」
「まってお姉さま!お話だけ!お話だけ教えて!」
「………しょうがないわね。そしたらお話だけよ?」



そうして私はソルティナに近づき悪魔の囁きを行った




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