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「うそ、も、昼…?」


18年間生きてきた中で最も衝撃的な経験となった昨夜


空が白み出した明け方まで彼に揺さぶられていた私は最後はブラックアウトしていた


目が覚めて時計を見たら午後1時
気だるい体をなんとか起こして、サイドテーブルに置かれたベルをなんとかチリリンと鳴らした


「奥様。具合はいかがですか?」

「うん。大丈、けほっ、ぶ。…のど、いたい」


「まあ!それでしたら蜂蜜入りのレモンティーをお持ちしますね。お腹は空いていますか?」

「すいてる」

「では、少しお待ちくださいね」


ベルを鳴らしてすぐに入ってきたアイラはそういうと部屋を出てすぐに飲み物と軽食のサンドウィッチを持ってきた


蜂蜜入りの甘いレモンティーをごくごくと飲んだ私は喉が潤うのを感じた

「ゔぅん!あー。ありがとうアイラ。……アレックスさんは?」


「旦那様なら午前8時ごろに仕事に行かれました」

「ほんとに?」

「はい。いつも通り出社されましたよ」


化け物だ。私の旦那は化け物だ。
私の記憶が正しければ彼ら3時間程度しか寝ていない

目を見開いて驚いている私をよそにアイラは私が飲み食べした食器を片付け出した


「旦那様は元々ショートスリーパーですから気になさらなくても大丈夫ですよ」

「そうなのね。ねえ、お風呂に入ってもいい?」


朝からこんな時間まで寝ていたのに今もまだ体はだるいし眠たさは消えてない
けれど私はお風呂に入って確認をしたいのだ
は痛みはないが、何か挟まっているような感覚に襲われているソコを確認したい





ーー



「いやぁぁぁぁあ!!なにこれ?!」

すぐにお風呂の準備をしてくれたアイラにお礼を伝えて私はそそくさとお風呂場に駆け込んだ

そして全身鏡の前を通って湯船に入ろうとチラリと鏡に映った自分の体に悲鳴をあげてしまった


「奥様?!」

「アイラ…!!なにこの斑点?!」

私の叫び声を聞いたアイラが勢いよくお風呂場に駆け込んでくる
鏡の前にたった私の全身を見て、ふぅと息を吐いたアイラは私に言い聞かせるようにゆっくりと話した


「これはキスマーク、と言われるものです」

「きすまーく」

「キスマークです。昨夜旦那様がつけたものですよ」

「アレックスさんが…?」

恐る恐る全身に散りばめられたその赤い斑点に視線を移す
病気ではないと聞いて少しホッとする


「はい。ですので安心してお風呂に入ってください」


私を安心させるようにニコッと笑ったアイラは私が湯船に浸かるのを確認すると風呂場を後にした




ーー





「…フィオナ、フィオナ」

「……んぅ?」


お風呂から上がった私はホッとしたのかあの後またベッドに横になっていつのまにか寝ていたらしい


仕事帰りのアレックスさんが私の髪を触りながら名前を呼んでいた
その声で目が覚めた私はぼんやりとアレックスさんを眺めた


「体は大丈夫?」

「はい。なんとか」

アレックスさん越しに見える外は日が傾いて夕暮れ時を知らせてくれた


「…おかえりなさいませ」

「ただいま」

こめかみにちゅっと唇が落とされる
なんだかくすぐったい私は「くすぐったいですよ」と笑った


「一緒にディナーを食べよう」

「はい。着替えてくるので、は先に行っててください」

「………」


「えっ」


ベッドから起きあがろうとした私は無言のアレックスさんにまたベッドに押し倒されてしまった
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