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しおりを挟む「お疲れ様でした。お風呂にはいりましょう」
中で待っていたアイラはテキパキとドレスを解き、複雑に結われていた髪も解いていく
適温で入れられた乳白色の湯船にゆっくりと浸かると今日一日の疲れが溶け出すような感覚を受けた
自分で体と頭を洗い、外で待機しているアイラに声をかける
いつも用意されているバスローブがなかったのでバスタオルを体に巻いている
「香油を塗りましょう」
「え、なんで?いいよそんなしなくて」
「まあ!初夜なんですからしっかりと準備しないといけませんよ」
「しょや」
「はい。初夜です」
「………」
「………」
「……香油、塗りましょう」
アイラは固まった私の手を取りソファに誘導する
ぽすりと座った私の腕と脚、さらには背中にまで香油を塗り塗りと塗り始めた
「………無理よ!!」
「大丈夫です。旦那様に任せておけば問題ないですから」
「こ、心の問題よ!書類上は確かに夫婦だけど私たちまだ出会って2週間よ?!」
「そう思う気持ちもわかりますが。こればかりは…」
旦那様がしっかりと準備せよ。と仰ってましたから…と言葉を濁すアイラに私は絶望に染まった瞳を向けた
ーー
「おいで、フィオナ」
「…………」
言葉を失った私はアイラになされるがままに体に香油を塗られて、さらにはスッケスケの下着のみを着用させられてる寝室へと押し込まれた
バスローブに身を包んだアレックスさんはベッドの上で新聞を読んでいたが私の気配を感じたのか新聞を置き、ニコリと笑って扉の前から動かない私に声をかけた
「…恥ずかしいんです」
「夫婦なんだから恥ずかしがらなくてもいいよ」
「そういうことじゃ、ないんです!」
猫が威嚇するようにフシャー!と声を荒げる私をみてクックッと笑うアレックスさんはベッドから立ち上がりその長い足で私の元へと歩いてきた
スケスケな下着が恥ずかしくて両腕と胸と脚の付け根部分を必死に隠している私の元にきた彼は私の後ろにある扉にダンっと両腕をついて私をその腕の中に囲った
ひぇっと情けない声が出た私は恐る恐る上を見上げる
「あの、離れてくれませんか…?」
「フィオナの願いならなんでも聞いてあげるけど、それだけは許可できないな」
「ひぃ」
口元はにっこり笑ってるが目が笑っていない
デジャヴな状況の私はそれでもなんとか抗おうと声を上げた
「もっとお互いのことを知ってからでも遅く、ぎゃっ!」
「却下。私がどれだけこの時を待ってた思う?もう待てない」
私が声を上げたその瞬間に彼の両腕は私の背中と膝の裏へと回され、ヒョイっと持ち上げられた
お姫様抱っこになった私は近すぎるアレックスさんの顔とその行動に顔を真っ赤にしてアタフタと暴れた
「ちょ、え、いや、あの!!」
キングサイズのベッドにぼすん、と降ろされた私に覆い被さる彼に恐怖を覚えた私は必死に逃げ出そうと頭を回転させた
ギャーギャー騒ぐ私を見てふっと笑った彼は、その長くゴツゴツしているのになぜかすらりとしたその指で私の顎をそっと捉えた
強くないけどがっしりと捕まれたせいで固定された頭のせいで彼から目を外すことができなくなった
「痛くはしないから安心して」
「えっ、待っ、んぅ」
ニヤリと笑った彼の顔が近づいてきてと思ったら私のファーストキスは奪われていた
「可愛い私のフィオナ。愛してるよ」
その言葉を皮切りに行われた行為で、破瓜の痛みを感じ、襲いくる激しくも甘美な波に飲み込まれていった
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