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最終章 我が祖国よ永遠に……
第20話 冬の終わりが近づくノーザンランド
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帝国暦323年 冬
クリストファーは執務室で各領内から上がる書類に目を通していた。扉がノックされ湯浴みの用意が整いましたと侍従から声がかかる。
「もうそのような時間か…」
窓を見ると夜の帳が降りていた。
「雪がちらついております、廊下は冷えます故、ガウンをお持ちしました」
「どうりで冷える筈だ」
侍従はガウンをクリストファーに掛けると湯浴みへと案内しようと扉を開けた。
「その前に彼女の部屋に寄る」
クリストファーは毎日の日課である部屋に向かう。部屋の前には顔馴染みの護衛の騎士が立っていた。
「ご苦労」
レンはクリストファーに気付くと礼を取り、部屋の扉を開く。部屋の中にいた侍女ミーラも皇帝の訪れに頭を下げた。
「どうだ?」
「お変わりありません」
ミーラが静かに答える。
「そうか…」
ミーラは静かに頭を下げ、部屋を退室する。
クリストファーはいつものようにベッド横にある椅子に腰掛けると手を伸ばし、青白い光に包まれ、人形のように眠るリーラの頬に触れる。
「いつ目覚めるのだ…」
クリストファーは1年前の戦いを回想した。
リヴァリオン湖に駆けつけた時、口から血を流しながら倒れるリーラを受け止め、
「リーラーーッ」と彼女に声が届くように必死に叫ぶと、突如、眩い光の中から危機を感じ取った精霊王が現れ、命の灯火が消える寸前だったリーラを救ったのだ。
リーラはリディアムによって穢された地を浄化するためにすべての力を出し切り、その反動で魂の器も完全に崩壊したのだ。
『魂は修復したがいつ目覚めるかわからない。生命の契約を果たすと身体が消滅するのだが、なぜ、存在できたのかは皆無だ』
と精霊王は言葉を残し、島へと帰って行った。
精霊王に救われた少女はあの日から目を覚ますことはなく微動だせず精霊王が創った青白い光に守られながら静かに眠り続け、時だけが過ぎていた。
家臣達もリーラが永遠に目覚めない可能性を指摘し、帝国の安泰のために早く伴侶を迎え、後継者を設けるよう打診を始めた。
伴侶を迎えるか、
後継者を弟に譲るか…
しかし、クリストファーの胸の内では答えは決まっていた。リーラ以外傍に置くことを考えられないほど彼女を愛しているのだ。
「ウィリアムに譲位して、私と共に別宮で暮らそうか、そうすればおまえの目覚めをゆっくり待てる…」
クリストファーはリーラの頬を優しく撫でると顔を近づけて、リーラの冷たい唇に自身の唇を合わせた。
◇◇◇
「リーラ…リーラ…」
青白い世界にいたリーラは誰かの呼び声に起き上がる。
「誰?」
「リンダよ」
「リンダ様…」
リーラは起き上がると真っ白ドレスをきた金色に輝く髪の美しい女性を見上げた。
「良く頑張りましたね…
貴女のおかげで無事、国は救われたわ」
「良かった…」
「魂の修復が出来たわ、
そろそろ元の世界に戻りなさい。
貴女の目覚めを待っている人がいるわ」
「私を?」
遠くからリーラ…と呼ぶ声が聞こえる。
「あの声は、クリス…」
「さぁ、行きなさい」
「でも…私、死んだんでしょう?」
「いえ、死んでないわ。貴女と我が妹のリーリラの力で国の浄化がなされたのよ。リーリーラの力が湖に残っていたから生命の契約は実行されなかった。けれど貴女は力を使い過ぎ、魂の器が崩壊したわ」
「じゃあ…」
「命の灯火が消える瞬間に精霊王が現れ、器を修復してくれたのよ」
「私…生きてるの?」
「そうよ、生きているわ」
「私、生きているの…」
リーラに瞳から一雫の涙が流れる。
「リーラ……
最後に神から預かった新たな神託を伝えるわ」
「神託……?!」
「…………………………………です」
「リンダ様………
わ、わたしはその為に生かされたのですか?」
リンダはリーラを抱き締める。
「貴女を解放させてあげれずごめんなさい…
あと、………返してね」
「リンダ様……」
◇◇◇
「むにゃ、むにゃ…リンダ様…」
青白い光は消え去り、今まで声を出すこともなかったリーラが寝言を言い出す。
バサッ!
片足を思い切り蹴り、寝返りを打つ。
沈痛な表情でリーラを見つめていたクリストファーは突然のことに目を見開く。
「光が消えた……
今、見間違いじゃなかったら足を蹴り上げていたような……
ふふっ、あはははッ」
クリストファーはベッドに上がり、
「起きろ、リーラ、起きでいるんだろう?」
と切なる願いを込めながら耳元で囁く。
「うーん……なに……」
リーラは目をしょぼしょぼさせながら重い瞼を開く。
「リーラ…ようやく目覚めた…」
クリストファーは喜びの余りリーラを引き寄せぎゅっと抱き締める。
「うーん、ここは…」
「皇宮だ…」
「えっ……
確かリヴァリオンにいたはずじゃ…」
「最後の戦いで倒れ、一年以上昏睡状態だったんだ」
「く、国は?国はどうなったの?」
「大丈夫だ。ビルとローズ夫人が立て直している」
「姉上が…」
「ダリル殿やハルクもリヴァリオンを立て直している」
「良かった……」
リーラはクリストファーはじっと見つめると涙を流す。
「ク、クリス……
うっ、うっ、ううっ……わ、わたし……
死にたくなんてなかったの…」
クリストファーはそっと引き寄せ、リーラの背中を優しく撫でる。
「辛かったな…リーラ一人に背負わせてしまったな……」
「うっ、うん、うっ…離れたくなかった…」
リーラの瞳から溢れる涙をクリストファーの手で拭ってやる。
「これからは一人じゃない、私がいる。
もう一人で背負うな、リーラ」
「うっ、ううっ…わ、わかったっ……
クリス……クリス、好き、好きよ……」
「リーラ……
ようやくリーラからその言葉が貰えたな…
私も好きだ、いや、愛しているよ」
「クリス……わたしも愛してる」
二人は見つめ合うと深く、深く口唇を合わせ互いの感触を確かめ合った。
◇◇◇
部屋から聞こえるリーラの泣き声から長い眠りから姫が目覚めたと城中に知らせが走る。
翌日にはこの朗報が各領の友人達に届けられたのは言うまでもないだろう……
クリストファーは執務室で各領内から上がる書類に目を通していた。扉がノックされ湯浴みの用意が整いましたと侍従から声がかかる。
「もうそのような時間か…」
窓を見ると夜の帳が降りていた。
「雪がちらついております、廊下は冷えます故、ガウンをお持ちしました」
「どうりで冷える筈だ」
侍従はガウンをクリストファーに掛けると湯浴みへと案内しようと扉を開けた。
「その前に彼女の部屋に寄る」
クリストファーは毎日の日課である部屋に向かう。部屋の前には顔馴染みの護衛の騎士が立っていた。
「ご苦労」
レンはクリストファーに気付くと礼を取り、部屋の扉を開く。部屋の中にいた侍女ミーラも皇帝の訪れに頭を下げた。
「どうだ?」
「お変わりありません」
ミーラが静かに答える。
「そうか…」
ミーラは静かに頭を下げ、部屋を退室する。
クリストファーはいつものようにベッド横にある椅子に腰掛けると手を伸ばし、青白い光に包まれ、人形のように眠るリーラの頬に触れる。
「いつ目覚めるのだ…」
クリストファーは1年前の戦いを回想した。
リヴァリオン湖に駆けつけた時、口から血を流しながら倒れるリーラを受け止め、
「リーラーーッ」と彼女に声が届くように必死に叫ぶと、突如、眩い光の中から危機を感じ取った精霊王が現れ、命の灯火が消える寸前だったリーラを救ったのだ。
リーラはリディアムによって穢された地を浄化するためにすべての力を出し切り、その反動で魂の器も完全に崩壊したのだ。
『魂は修復したがいつ目覚めるかわからない。生命の契約を果たすと身体が消滅するのだが、なぜ、存在できたのかは皆無だ』
と精霊王は言葉を残し、島へと帰って行った。
精霊王に救われた少女はあの日から目を覚ますことはなく微動だせず精霊王が創った青白い光に守られながら静かに眠り続け、時だけが過ぎていた。
家臣達もリーラが永遠に目覚めない可能性を指摘し、帝国の安泰のために早く伴侶を迎え、後継者を設けるよう打診を始めた。
伴侶を迎えるか、
後継者を弟に譲るか…
しかし、クリストファーの胸の内では答えは決まっていた。リーラ以外傍に置くことを考えられないほど彼女を愛しているのだ。
「ウィリアムに譲位して、私と共に別宮で暮らそうか、そうすればおまえの目覚めをゆっくり待てる…」
クリストファーはリーラの頬を優しく撫でると顔を近づけて、リーラの冷たい唇に自身の唇を合わせた。
◇◇◇
「リーラ…リーラ…」
青白い世界にいたリーラは誰かの呼び声に起き上がる。
「誰?」
「リンダよ」
「リンダ様…」
リーラは起き上がると真っ白ドレスをきた金色に輝く髪の美しい女性を見上げた。
「良く頑張りましたね…
貴女のおかげで無事、国は救われたわ」
「良かった…」
「魂の修復が出来たわ、
そろそろ元の世界に戻りなさい。
貴女の目覚めを待っている人がいるわ」
「私を?」
遠くからリーラ…と呼ぶ声が聞こえる。
「あの声は、クリス…」
「さぁ、行きなさい」
「でも…私、死んだんでしょう?」
「いえ、死んでないわ。貴女と我が妹のリーリラの力で国の浄化がなされたのよ。リーリーラの力が湖に残っていたから生命の契約は実行されなかった。けれど貴女は力を使い過ぎ、魂の器が崩壊したわ」
「じゃあ…」
「命の灯火が消える瞬間に精霊王が現れ、器を修復してくれたのよ」
「私…生きてるの?」
「そうよ、生きているわ」
「私、生きているの…」
リーラに瞳から一雫の涙が流れる。
「リーラ……
最後に神から預かった新たな神託を伝えるわ」
「神託……?!」
「…………………………………です」
「リンダ様………
わ、わたしはその為に生かされたのですか?」
リンダはリーラを抱き締める。
「貴女を解放させてあげれずごめんなさい…
あと、………返してね」
「リンダ様……」
◇◇◇
「むにゃ、むにゃ…リンダ様…」
青白い光は消え去り、今まで声を出すこともなかったリーラが寝言を言い出す。
バサッ!
片足を思い切り蹴り、寝返りを打つ。
沈痛な表情でリーラを見つめていたクリストファーは突然のことに目を見開く。
「光が消えた……
今、見間違いじゃなかったら足を蹴り上げていたような……
ふふっ、あはははッ」
クリストファーはベッドに上がり、
「起きろ、リーラ、起きでいるんだろう?」
と切なる願いを込めながら耳元で囁く。
「うーん……なに……」
リーラは目をしょぼしょぼさせながら重い瞼を開く。
「リーラ…ようやく目覚めた…」
クリストファーは喜びの余りリーラを引き寄せぎゅっと抱き締める。
「うーん、ここは…」
「皇宮だ…」
「えっ……
確かリヴァリオンにいたはずじゃ…」
「最後の戦いで倒れ、一年以上昏睡状態だったんだ」
「く、国は?国はどうなったの?」
「大丈夫だ。ビルとローズ夫人が立て直している」
「姉上が…」
「ダリル殿やハルクもリヴァリオンを立て直している」
「良かった……」
リーラはクリストファーはじっと見つめると涙を流す。
「ク、クリス……
うっ、うっ、ううっ……わ、わたし……
死にたくなんてなかったの…」
クリストファーはそっと引き寄せ、リーラの背中を優しく撫でる。
「辛かったな…リーラ一人に背負わせてしまったな……」
「うっ、うん、うっ…離れたくなかった…」
リーラの瞳から溢れる涙をクリストファーの手で拭ってやる。
「これからは一人じゃない、私がいる。
もう一人で背負うな、リーラ」
「うっ、ううっ…わ、わかったっ……
クリス……クリス、好き、好きよ……」
「リーラ……
ようやくリーラからその言葉が貰えたな…
私も好きだ、いや、愛しているよ」
「クリス……わたしも愛してる」
二人は見つめ合うと深く、深く口唇を合わせ互いの感触を確かめ合った。
◇◇◇
部屋から聞こえるリーラの泣き声から長い眠りから姫が目覚めたと城中に知らせが走る。
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