100 / 240
第6章 亡国の王女の子達
第12話 ザイデリカの戦いーピヨピヨ壊滅作戦編ー
しおりを挟む
時はザイデリカ制圧前に遡る。
ザイデリカ侯爵の明らかになった数々の不正、そして領内にゾーン人を不法侵入させ、魅惑の香と呼ばれる悪しき物を帝国に流通させ混乱を招き、帝国を欺いたザイデリカ一族に対し、皇帝はザイデリカ領を明け渡し、罪を認め直ちに投降を求めた。
しかし、もともと自領であったザイデリカをなぜ明け渡し、投降せねばならぬかザイデリカ一族は反発、帝国に応戦の構えを見せたのだ。
帝国の怒りを買ったザイデリカ一族は抵抗虚しく呆気なくガーリングを制圧される。
ザイデリカ一族は領都に騎士を集結させ籠城し、帝国騎士隊を迎え討つ準備をしているのだった。
皇宮ではザイデリカ領都への制圧に向けての出兵準備や最終作戦会議が行われていた。しかし、戦争に反対する反騎士派の貴族達が会議に押しかけてきた。
「ただでさえザイデリカのために国の財政が減ってしまったのにさらに戦でお金をかけるのですか?!どこから資金は出すのですか!!民の生活が安定しないではないですか!」
「やかましい!!そもそも貴族院がしっかり監視しておらぬからこのような事態になったのであろうが!どこの派閥の者だ!名乗りでよ!!」
滅多に声を荒げないギルバート・フォールド財務大臣が反騎士派の貴族院の罵声をピシャッと止める。
静かに耳を傾けていたクリストファーが立ち上がる。
「ザイデリカを野放しにしていた我らには皆罪がある。しかし、今度の戦には金はかけぬ。我には秘策があり、戦法は明らかに出来ないが既に次の戦にも手を打っている。皆も知るところにあるガーリングも秘策で4日で押さえ、負傷者もほとんどでていない。お前達が心配している騎士運営費は減っていない。」
皇帝の発言に反騎士派の貴族達はそうなのかと騒つく。
「陛下は出陣されるのですか?」
「せぬ。」
それでいいのかと貴族達は騒つく。
煩い貴族を黙らせるようにクリストファーは声高らかに宣言する。
「我が秘策で心配無用だ!!ザイデリカ城は一日で落とす!!我が騎士隊の強さを皆に見せつけてやれ!!」
御意と膝をついた各騎士隊長は答える。
「医療面に関して準備はできているか?」
「はい、すでに物資、医者ととも整っております。」
マリン・ウィンターニア医療大臣は答える。
「軍事、食料物資の準備は?」
「はい、すでにユーリィ基地に準備させております。念のため領境にも我が領の騎士を配置を配置しております。」
ユーリアム外務大臣が答える。
「我が領も県境に軍事、食料物資を準備しております。難民対策も万全でございます。」
コールディア法務大臣が答える。
「ハルク、戦闘部隊の編成は?」
「はっ。
第1戦闘部隊を隊長を私、補佐をダリル・ハントン。第3番隊とハイベルク騎士団編成部隊との連合部隊編成致します。
第2戦闘部隊は隊長ラモント・ユーリアム、補佐ビル・リッチモンド。
第5番隊、第1番隊諜報部隊、ユーリアム騎士団との連合編成部隊を、
第3戦闘部隊は隊長キャサリン・ローレンヌ、補佐オースティン・コールディア。
第4番隊、第2番隊、コールディア騎士団との連合編成部隊となります。
ユーリィ基地にて全騎士隊合流後、明朝、開戦予定です。」
「行け!!我が黒獅子よ!!勝利を持ち帰れ!!」
高らかに皇帝の声がかかり、オーッ!!と騎士達の雄叫びが作戦会議室の広間に響く。
パァーン
パァーン
と帝都グランディナに出兵の合図の音が鳴り響く。
出陣する騎士達が街を出て行く。
その中に荷馬車に乗るアデルの姿があった。
アデルは見送りに来てくれたエミリーの姿を見つける。
ーエミリー、必ず戻る。
ーアデル、気をつけて。必ず帰ってきて。
エミリーは祈りながらアデルの姿が見えなくなるまで見送った。
全戦闘部隊はニクラウス街道を通り、ユーリアム領からユーリィ基地にて各騎士団と合流した。
キャサリンは兄のネイサンと久しぶりの再会を果たす。
「兄さん……。久しぶりね。」
「元気だったか?」
「えぇ。ここまで来るのに長かったわね……。」
「あぁ。この戦いが終わったらローレンヌを我の手に……」
「我が手にローレンヌを…
兄さん、この戦い絶対に勝つわよ。」
「あぁ。我らローレンヌ一族のために。」
ローレンヌ兄弟は抱き締めあう。
ユーリィ基地に入ったアデルも久しぶりに友人に会う。
「ピーター!」
「アデル!君も戦闘部隊にいたんだね。」
二人は久々の再会を喜び抱き合う。これから向かう戦場への恐怖を打ち払うように互いに何も語らず抱きしめあった。
早朝、サイフォン新男爵領内を通り黒獅子の騎士達はザイデリカ領都の城を取り囲むように各戦闘部隊は入る。
「させるか!」
ザイデリカ領の騎士が戦闘部隊に領都に入らぬよう迎え討って来た。
ハルクは剣を一振りして斬り捨てる。
バサッ。
「ギャァーッ。」
「敵は僅かだ!!矢を打て!!」
ハルクが叫ぶ。
戦闘部隊の弓矢隊が一斉に矢を放つ。
ピュン
ピュン!
グサッ!
グサッ!
「アーーッ。」
「ワアーーッ。」
敵騎士兵は矢に打たれる、ハルク達は矢を打たれ蹲る騎士を斬り捨てていく。
ハルクは血で濡れた剣を掲げながら領民に叫ぶ。
「抵抗する者は切る!民は戦が終わるまで家に入れ!」
「「キャァー。」」
「急げー!」
「巻き込まれるぞ!家に入れ!」
ザイデリカの街の者は巻き込まれないよう家に入る。
カン、カン、カンと非常警報の鐘が鳴り響く。
「領都の入り口に若干騎士を配置させてたようだが、楽勝だったな、ダリル。」
ハルクがにやりと笑う。
「そうだな。恐らく城に騎士を集結させているんだろう。よし、みな配置についたな。アデル、信号を送れ。」
ダリルが命令する。
「はい!!」
アデルは花火に点火する。
ヒューッ
と花火が空高く上がる。
ヒューッ
と城の向こうからも花火が上がる。
しばらくして別の箇所からも花火が上がる。
「準備できたようだぞ、ハルク。」
ハルクは肩に乗っていたぺぺに声を掛ける。
「ぺぺ様、準備できたようですよ。よろしくお願い致します。」
「わかったピヨ、ピーピヨピヨピヨピーピーピー」
ぺぺの鳴き声が風に乗る。
パサッ
パサッ
パサッ
すると四方八方からたくさんの鳥が集まって来た。ぺぺは集まった鳥達に指示をだす。
「おまえ達よく集まったピヨ。各自合図を送ったら、この火薬玉を城に落とすピヨ。」
集まった鳥達は面白そうだとピヨピヨと鳴く。
その光景を見た騎士達は唖然とする。
あれって確かリーラの飼っている鳥じゃなかったか??とアデルも半信半疑で見守る。
「第3番隊よ!先陣切るぞ!!我らは囮だ。矢が来るから覚悟しろ!ハイデルク騎士隊は梯を準備はしろ!
ダリル、陛下から預かった剣は準備した
か?」
「……。あぁ、準備した。私に使いこなせるか些か心配ではあるんだかなぁ…」
「大丈夫だ!金獅子のダリルよ!よし、三番隊行くぞー!」
「おーっ!」
「怖くない、怖くない!俺は勝てる!おーおーーっ!!」
アデルも剣を抜き城に向かう。
三番隊はダリル先頭に一列で城に向かう。
城の上部の城壁から火の光りが見えた。
敵陣から一斉に火のついた矢が打たれた。
ピュン
ピュン
「剣よ、我に力を与えよ!!風を起れ!!」
ダリルは剣を一振りすると剣から風が生まれる。
ヒュゥー!!
「我が力の風よ、吹けピヨー!!」
ぺぺは翼を羽ばたかせる、
ヒュゥー!!
次々に打たれた矢は風により城へと戻っていく。
「さぁ、次はおまえ達の番ピヨ!火に玉を放り込めピヨ!」
大量の鳥達が戻った矢に火薬玉を落とす。
バン!
バン!
バン!
松明にも火薬玉を落とし大爆発を起こす。さらに鳥達が舞い戻り爆発を起こした中にさらに火薬玉を落とす。
ドカン!!
「一旦退避!!」
正面の門は大爆発により壊れてしまった。
「梯子いらなかったな。」
「そうだな。」
大爆発により予想通り裏の門から多く敵が流出する。
「あらっ、思ったより早かったわね。
」
キャサリンがオースティンを見る。
「えっ?本当にピヨピヨ壊滅作戦成功なのか?」
オースティンはまさかの表情を浮かべた。
ガーリングでのぺぺの活躍をする一部の4番隊は声を上げる。
「最終兵器ぺぺ様万歳!」
「なんだよ、最終兵器ぺぺ様って…」
オースティンは呆れ顔になる。
「ほら、オースティン、ボーッとしてないで行くわよ。戦闘第3部隊出陣!抵抗する者、ゾーンは斬れ!ザイデリカ達も抵抗すれば斬れ!」
「「「おーっ!」」」
「さすがぺぺ様、一瞬で正面を壊滅させたな。」
ラモントも顎髭を触りながら感心する。
第5番隊もぺぺの活躍に盛り上がる。
「これは本当に一日かからないな。」
ビルも納得する。
「さぁ、ビル隊長、剣構えて。来ますよ。」
ジョンがビルの前に立つ。
「死ねー!」
カン!
剣を鞘から素早く抜き敵の剣を受け止め
もう片方の剣で敵を刺す。
グサッ!
「ゾーンの雑魚め。」
ジョンは剣を抜き血を払う。
小さな影が上空からやってきた、
パサッ、パサッ。
「任せろピヨ、 一箇所に纏めてやるピヨ。風よ、巻き起こせピヨ~。風よ、集まれピヨ~。」
逃げてきた者は空に舞い上がり一ヶ所に集められる。
「ぎゃあー。」
「うわぁー。」
そして上空から落とされ気絶する。
第5番騎士達から拍手が起こる。
「ぺぺ様~!!いつもありがとうございます。」
ジョンが手を振るとみな手を振った。
「よし!おまえ達縛り上げろ!ビル、キャサリン達の援護に向かってもいいぞ!」
「ラモント隊長、了解しました。第1番隊城内に向かうぞ!!」
ビルを先頭とした第1番隊も城内に入る。
そして城内戦へと舞台は移る。
ザイデリカ侯爵の明らかになった数々の不正、そして領内にゾーン人を不法侵入させ、魅惑の香と呼ばれる悪しき物を帝国に流通させ混乱を招き、帝国を欺いたザイデリカ一族に対し、皇帝はザイデリカ領を明け渡し、罪を認め直ちに投降を求めた。
しかし、もともと自領であったザイデリカをなぜ明け渡し、投降せねばならぬかザイデリカ一族は反発、帝国に応戦の構えを見せたのだ。
帝国の怒りを買ったザイデリカ一族は抵抗虚しく呆気なくガーリングを制圧される。
ザイデリカ一族は領都に騎士を集結させ籠城し、帝国騎士隊を迎え討つ準備をしているのだった。
皇宮ではザイデリカ領都への制圧に向けての出兵準備や最終作戦会議が行われていた。しかし、戦争に反対する反騎士派の貴族達が会議に押しかけてきた。
「ただでさえザイデリカのために国の財政が減ってしまったのにさらに戦でお金をかけるのですか?!どこから資金は出すのですか!!民の生活が安定しないではないですか!」
「やかましい!!そもそも貴族院がしっかり監視しておらぬからこのような事態になったのであろうが!どこの派閥の者だ!名乗りでよ!!」
滅多に声を荒げないギルバート・フォールド財務大臣が反騎士派の貴族院の罵声をピシャッと止める。
静かに耳を傾けていたクリストファーが立ち上がる。
「ザイデリカを野放しにしていた我らには皆罪がある。しかし、今度の戦には金はかけぬ。我には秘策があり、戦法は明らかに出来ないが既に次の戦にも手を打っている。皆も知るところにあるガーリングも秘策で4日で押さえ、負傷者もほとんどでていない。お前達が心配している騎士運営費は減っていない。」
皇帝の発言に反騎士派の貴族達はそうなのかと騒つく。
「陛下は出陣されるのですか?」
「せぬ。」
それでいいのかと貴族達は騒つく。
煩い貴族を黙らせるようにクリストファーは声高らかに宣言する。
「我が秘策で心配無用だ!!ザイデリカ城は一日で落とす!!我が騎士隊の強さを皆に見せつけてやれ!!」
御意と膝をついた各騎士隊長は答える。
「医療面に関して準備はできているか?」
「はい、すでに物資、医者ととも整っております。」
マリン・ウィンターニア医療大臣は答える。
「軍事、食料物資の準備は?」
「はい、すでにユーリィ基地に準備させております。念のため領境にも我が領の騎士を配置を配置しております。」
ユーリアム外務大臣が答える。
「我が領も県境に軍事、食料物資を準備しております。難民対策も万全でございます。」
コールディア法務大臣が答える。
「ハルク、戦闘部隊の編成は?」
「はっ。
第1戦闘部隊を隊長を私、補佐をダリル・ハントン。第3番隊とハイベルク騎士団編成部隊との連合部隊編成致します。
第2戦闘部隊は隊長ラモント・ユーリアム、補佐ビル・リッチモンド。
第5番隊、第1番隊諜報部隊、ユーリアム騎士団との連合編成部隊を、
第3戦闘部隊は隊長キャサリン・ローレンヌ、補佐オースティン・コールディア。
第4番隊、第2番隊、コールディア騎士団との連合編成部隊となります。
ユーリィ基地にて全騎士隊合流後、明朝、開戦予定です。」
「行け!!我が黒獅子よ!!勝利を持ち帰れ!!」
高らかに皇帝の声がかかり、オーッ!!と騎士達の雄叫びが作戦会議室の広間に響く。
パァーン
パァーン
と帝都グランディナに出兵の合図の音が鳴り響く。
出陣する騎士達が街を出て行く。
その中に荷馬車に乗るアデルの姿があった。
アデルは見送りに来てくれたエミリーの姿を見つける。
ーエミリー、必ず戻る。
ーアデル、気をつけて。必ず帰ってきて。
エミリーは祈りながらアデルの姿が見えなくなるまで見送った。
全戦闘部隊はニクラウス街道を通り、ユーリアム領からユーリィ基地にて各騎士団と合流した。
キャサリンは兄のネイサンと久しぶりの再会を果たす。
「兄さん……。久しぶりね。」
「元気だったか?」
「えぇ。ここまで来るのに長かったわね……。」
「あぁ。この戦いが終わったらローレンヌを我の手に……」
「我が手にローレンヌを…
兄さん、この戦い絶対に勝つわよ。」
「あぁ。我らローレンヌ一族のために。」
ローレンヌ兄弟は抱き締めあう。
ユーリィ基地に入ったアデルも久しぶりに友人に会う。
「ピーター!」
「アデル!君も戦闘部隊にいたんだね。」
二人は久々の再会を喜び抱き合う。これから向かう戦場への恐怖を打ち払うように互いに何も語らず抱きしめあった。
早朝、サイフォン新男爵領内を通り黒獅子の騎士達はザイデリカ領都の城を取り囲むように各戦闘部隊は入る。
「させるか!」
ザイデリカ領の騎士が戦闘部隊に領都に入らぬよう迎え討って来た。
ハルクは剣を一振りして斬り捨てる。
バサッ。
「ギャァーッ。」
「敵は僅かだ!!矢を打て!!」
ハルクが叫ぶ。
戦闘部隊の弓矢隊が一斉に矢を放つ。
ピュン
ピュン!
グサッ!
グサッ!
「アーーッ。」
「ワアーーッ。」
敵騎士兵は矢に打たれる、ハルク達は矢を打たれ蹲る騎士を斬り捨てていく。
ハルクは血で濡れた剣を掲げながら領民に叫ぶ。
「抵抗する者は切る!民は戦が終わるまで家に入れ!」
「「キャァー。」」
「急げー!」
「巻き込まれるぞ!家に入れ!」
ザイデリカの街の者は巻き込まれないよう家に入る。
カン、カン、カンと非常警報の鐘が鳴り響く。
「領都の入り口に若干騎士を配置させてたようだが、楽勝だったな、ダリル。」
ハルクがにやりと笑う。
「そうだな。恐らく城に騎士を集結させているんだろう。よし、みな配置についたな。アデル、信号を送れ。」
ダリルが命令する。
「はい!!」
アデルは花火に点火する。
ヒューッ
と花火が空高く上がる。
ヒューッ
と城の向こうからも花火が上がる。
しばらくして別の箇所からも花火が上がる。
「準備できたようだぞ、ハルク。」
ハルクは肩に乗っていたぺぺに声を掛ける。
「ぺぺ様、準備できたようですよ。よろしくお願い致します。」
「わかったピヨ、ピーピヨピヨピヨピーピーピー」
ぺぺの鳴き声が風に乗る。
パサッ
パサッ
パサッ
すると四方八方からたくさんの鳥が集まって来た。ぺぺは集まった鳥達に指示をだす。
「おまえ達よく集まったピヨ。各自合図を送ったら、この火薬玉を城に落とすピヨ。」
集まった鳥達は面白そうだとピヨピヨと鳴く。
その光景を見た騎士達は唖然とする。
あれって確かリーラの飼っている鳥じゃなかったか??とアデルも半信半疑で見守る。
「第3番隊よ!先陣切るぞ!!我らは囮だ。矢が来るから覚悟しろ!ハイデルク騎士隊は梯を準備はしろ!
ダリル、陛下から預かった剣は準備した
か?」
「……。あぁ、準備した。私に使いこなせるか些か心配ではあるんだかなぁ…」
「大丈夫だ!金獅子のダリルよ!よし、三番隊行くぞー!」
「おーっ!」
「怖くない、怖くない!俺は勝てる!おーおーーっ!!」
アデルも剣を抜き城に向かう。
三番隊はダリル先頭に一列で城に向かう。
城の上部の城壁から火の光りが見えた。
敵陣から一斉に火のついた矢が打たれた。
ピュン
ピュン
「剣よ、我に力を与えよ!!風を起れ!!」
ダリルは剣を一振りすると剣から風が生まれる。
ヒュゥー!!
「我が力の風よ、吹けピヨー!!」
ぺぺは翼を羽ばたかせる、
ヒュゥー!!
次々に打たれた矢は風により城へと戻っていく。
「さぁ、次はおまえ達の番ピヨ!火に玉を放り込めピヨ!」
大量の鳥達が戻った矢に火薬玉を落とす。
バン!
バン!
バン!
松明にも火薬玉を落とし大爆発を起こす。さらに鳥達が舞い戻り爆発を起こした中にさらに火薬玉を落とす。
ドカン!!
「一旦退避!!」
正面の門は大爆発により壊れてしまった。
「梯子いらなかったな。」
「そうだな。」
大爆発により予想通り裏の門から多く敵が流出する。
「あらっ、思ったより早かったわね。
」
キャサリンがオースティンを見る。
「えっ?本当にピヨピヨ壊滅作戦成功なのか?」
オースティンはまさかの表情を浮かべた。
ガーリングでのぺぺの活躍をする一部の4番隊は声を上げる。
「最終兵器ぺぺ様万歳!」
「なんだよ、最終兵器ぺぺ様って…」
オースティンは呆れ顔になる。
「ほら、オースティン、ボーッとしてないで行くわよ。戦闘第3部隊出陣!抵抗する者、ゾーンは斬れ!ザイデリカ達も抵抗すれば斬れ!」
「「「おーっ!」」」
「さすがぺぺ様、一瞬で正面を壊滅させたな。」
ラモントも顎髭を触りながら感心する。
第5番隊もぺぺの活躍に盛り上がる。
「これは本当に一日かからないな。」
ビルも納得する。
「さぁ、ビル隊長、剣構えて。来ますよ。」
ジョンがビルの前に立つ。
「死ねー!」
カン!
剣を鞘から素早く抜き敵の剣を受け止め
もう片方の剣で敵を刺す。
グサッ!
「ゾーンの雑魚め。」
ジョンは剣を抜き血を払う。
小さな影が上空からやってきた、
パサッ、パサッ。
「任せろピヨ、 一箇所に纏めてやるピヨ。風よ、巻き起こせピヨ~。風よ、集まれピヨ~。」
逃げてきた者は空に舞い上がり一ヶ所に集められる。
「ぎゃあー。」
「うわぁー。」
そして上空から落とされ気絶する。
第5番騎士達から拍手が起こる。
「ぺぺ様~!!いつもありがとうございます。」
ジョンが手を振るとみな手を振った。
「よし!おまえ達縛り上げろ!ビル、キャサリン達の援護に向かってもいいぞ!」
「ラモント隊長、了解しました。第1番隊城内に向かうぞ!!」
ビルを先頭とした第1番隊も城内に入る。
そして城内戦へと舞台は移る。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
王子殿下の慕う人
夕香里
恋愛
エレーナ・ルイスは小さい頃から兄のように慕っていた王子殿下が好きだった。
しかし、ある噂と事実を聞いたことで恋心を捨てることにしたエレーナは、断ってきていた他の人との縁談を受けることにするのだが──?
「どうして!? 殿下には好きな人がいるはずなのに!!」
好きな人がいるはずの殿下が距離を縮めてくることに戸惑う彼女と、我慢をやめた王子のお話。
※小説家になろうでも投稿してます
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
今日も旦那は愛人に尽くしている~なら私もいいわよね?~
コトミ
恋愛
結婚した夫には愛人がいた。辺境伯の令嬢であったビオラには男兄弟がおらず、子爵家のカールを婿として屋敷に向かい入れた。半年の間は良かったが、それから事態は急速に悪化していく。伯爵であり、領地も統治している夫に平民の愛人がいて、屋敷の隣にその愛人のための別棟まで作って愛人に尽くす。こんなことを我慢できる夫人は私以外に何人いるのかしら。そんな考えを巡らせながら、ビオラは毎日夫の代わりに領地の仕事をこなしていた。毎晩夫のカールは愛人の元へ通っている。その間ビオラは休む暇なく仕事をこなした。ビオラがカールに反論してもカールは「君も愛人を作ればいいじゃないか」の一点張り。我慢の限界になったビオラはずっと大切にしてきた屋敷を飛び出した。
そしてその飛び出した先で出会った人とは?
(できる限り毎日投稿を頑張ります。誤字脱字、世界観、ストーリー構成、などなどはゆるゆるです)
hotランキング1位入りしました。ありがとうございます
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる