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第6章 亡国の王女の子達
第10話 リーラと医療院への道
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皇宮横に並ぶ白色の建物、通称白獅子棟に足を踏み入れるリーラ。
この建物は貴族院や各大臣達の執務室がある。
入り口にて財務大臣室への用件を伝え案内されるリーラ。
緊張しながら扉をたたくと部屋の中から入室許可の声がかかる。
中には官史らしき人達が何人かいてその内の1人が奥の部屋まで案内してくれた。
「大臣、お待ちかねのハントン卿がいらっしゃいました」
難しい表情で書類を睨んでいたギルバート・フォールドは書類から顔を上げると嬉しいそうな表情になる。
黒髪に沢山の白髪か混じり灰色の瞳を持つギルバート・フォールドは、リーラを部屋の中央にあるソファへと案内する。
「お茶とお菓子を用意を頼む」
「はじめまして。リーラ・ハントンでございます。お気遣い不用でございます。お呼びと聞き参上いたしました」
「今後の第6番隊のことで色々を話をしたくてね。どうぞ、楽に。リーラ王女様」
「………」
おまえも知っているのかと不機嫌な表情を出すリーラを見てなんてわかりやすい子なんだとギルバートは笑いだす。
「そんなに警戒しなくていいよ。まず、お礼を言おう。呪いを解いてくれてありがとう。まずは、自己紹介だな。私は前々皇帝の弟で名をギルバート・フォールドと言う。フォールド公爵とも呼ばれている」
リーラははっとした表情になる。
「そう、気づいたかな?ルマンドの父親で、君のことは息子から聞いてたよ」
「ルマンドのお父さんなんですか!あまり似てないから全然わからなかったです」
「あははは、直球でくるな。ルマンドは気にしてるからあまり言わないでやってくれよ」
「す、すみません…」
「ルマンドはねぇ、母親似だからよくきれいとか言われだよ。それが弱く見られると気にしているだ」
「わかります。結構つまらないことを気にするタイプですよね。あっ…、余計な事を言いました」
「あははは。全くその通りだよ。リーラ王女のおかげであの子もかなり変わったよ。ありがとう」
扉がノックされ黒髪の官史が色とりどりのお菓子を並べてくれる。
「大臣にグランディナで1番のお菓子を用意しろと命じられまして、朝1番に並んでご用意しました。さぁ、しっかりお召し上がりくださいね」
官史の男性がにこりと笑いかける。
「うわーっ、美味しそう~」
リーラはありがとうございますと頭を下げる。
「あぁ。可愛い、癒されるなぁ」
と部屋を出て行った。
「ショーンめ、ベラベラと余計なことばかり話をしよって。さあ、食べながら話そう。さぁ、何から食べよう」
「じゃあ、これから頂きます。パク、モグ、モグ。美味しい~~」
「あははは。可愛いねぇ。りすが食べてるみたいだ。さて、本題に入ろうか?第6番隊が新たに発足されるが,必要経費など考えねばならない。まだ決まったばかりでわからないだろうが、何か要望はあるかい?」
「そうですねぇ、気になっていたのは戦場に怪我をした時、救護隊をどうやって見つけるんだろうとは思ってました。私達はみな黒の騎士服です。正直わかりにくいのではと考えてました。先日、医療院でお世話になった時、お医者様達は白い服を着ていたので思い切って白い騎士服なんてどうです?それなら戦場でもわかりやすいと思うんです」
ふむふむと話を聞いていた大臣はいい考えだと頷く。
「やはり、救護隊の位置が把握しやすい方が目印となり救える速さが変わる。採用しよう。他には騎士服と馬もいるな…。隊長殿と話し合って希望があればまた言ってくれ。暫くは模索しながらになるだろう」
「はい」
トン、トンと扉がたたく音がする。
「入れ」
「ウィンターニア大臣がいらっしゃいました」
銀髪の髪を一つにまとめ上げ黒色ジャケットとロングスカート姿の女性か入ってきた。
「ギルバート、待たせたね。おや、ずらりに人気店のお菓子が並んでいるじゃないか?私のためかい?」
「そんなことある訳ないだろう!」
「あははは、わかっているさ」
軽快な口調で話す女性はマリン・ウィンターニア医療大臣である。
「お初にお目にかかります」
リーラは拳を胸に置き礼を取る。
「楽にしてくれ、ハントン卿。いや、リーラちゃんでいいのかな?」
あはははと遠慮なしにソファに座る。
「息子が世話になったね。ベンジャミンからよくリーラちゃんの話は聞いてたよ。襲撃事件の話も下の双子が聞いてさぁ。リーラちゃんみたいになるって騎士学校に入ってしまったんだ」
「アイリは女だろう!!まぁ、おまえの娘だから剣ぐらい握れるか」
呆れ顔でお茶を飲むギルバート。
「レオンより腕がいいかもなぁ。多分,2人は第6番隊希望だと思うから来年よろしく頼むね」
「はい」
とリーラは頷く。
「救護隊、助かるねぇ。医療院の先生方にいつもいい加減にしろって文句を言われていてね。せっかく手塩にかけて育てたお医者さまが戦場に駆り出され死んじゃうだろう。そりゃ、訓練もしてないど素人が戦場に放り出さるたら奇襲の際逃げられないからね」
「本当によく喋る女だ」
「またまた、丁度皇太后様に頼まれていてね。なんでもエリザベス殿下が医療院で学びたいらしく、護衛をどうしようかなぁと思っていたんだよ。しかし、いいタイミングで騎士達が医療院で学ぶ!
護衛が周りにたくさん!ほら解決!仕事が捗るよ~」
「エリザベス殿下も医療院で学ぶんですか?」
「そうだよ。だから善は急げって言うから今から医療院に案内しよう」
「ありがとうございます!」
「ついでだからエリザベス殿下も一緒に連れて行こう!」
「はい!!」
と2人は立ち上がり部屋を出た。
「ふぅー。嵐のように話し去って行ったな…」
ギルバートはやれやれと一息ついたのだ。
場は変わりエリザベスと合流して医療院に向かったリーラ達。医療院は皇宮からほど近い貴族住居街と商業街の間に位置している。
「先生~!いらっしゃるかい?」
「相変わらずやかましいねぇ。何のようだね、マリン」
白衣を来た小柄な白髪の老女が奥から現れた。
「アーマノ先生、弟子を二人連れて来ました」
「はっ??また勝手な事を言いおって!」
「紹介しますね、エリザベス殿下とリヴァリオン国からやってきて今、ノーザンランドで騎士をしているリーラ副隊長です」
「はっ??」
「はじめまして」
「はじめまして」
「ほらっ、先生、新しい新人欲しいって話してたじゃないですか~」
「馬鹿もん!またまた、高貴な方を連れてきて!なんてこった」
「こちら副隊長の発案で、騎士隊に救護隊を置くことになりました。たくさんの騎士が学びに来ますのでよろしいお願いします」
「騎士隊に救護隊だと!まぁ、ようやく、わたしの意見が通ったのかい?」
「せんせー、意見って、戦争に医者を行かせたくないしか言ってないじゃないですか!」
「うるさいよ!おまえが私の意見に何か上乗せして上に言えばいいんだろが!」
「ちなみに救護隊は半年後に発足です」
「半年後だと!」
「ということで、ビシバシ騎士達を一人前に鍛えて立派な救護員にしてくださいね!」
「はぁーー。仕方ないねぇ。お二人さん、明日から来な!うちは厳しいからね!覚悟するんだよ!」
「「よろしくお願いします!」」
リーラとエリザベスが顔を見合わせ、手を合わせ飛び跳ねながら喜び合う。
「リーラ、私達同僚なるんだから、これから絶対ベスって呼んでよ」
「うーん…、わかりました。ベス」
「ふふふ♪」
この建物は貴族院や各大臣達の執務室がある。
入り口にて財務大臣室への用件を伝え案内されるリーラ。
緊張しながら扉をたたくと部屋の中から入室許可の声がかかる。
中には官史らしき人達が何人かいてその内の1人が奥の部屋まで案内してくれた。
「大臣、お待ちかねのハントン卿がいらっしゃいました」
難しい表情で書類を睨んでいたギルバート・フォールドは書類から顔を上げると嬉しいそうな表情になる。
黒髪に沢山の白髪か混じり灰色の瞳を持つギルバート・フォールドは、リーラを部屋の中央にあるソファへと案内する。
「お茶とお菓子を用意を頼む」
「はじめまして。リーラ・ハントンでございます。お気遣い不用でございます。お呼びと聞き参上いたしました」
「今後の第6番隊のことで色々を話をしたくてね。どうぞ、楽に。リーラ王女様」
「………」
おまえも知っているのかと不機嫌な表情を出すリーラを見てなんてわかりやすい子なんだとギルバートは笑いだす。
「そんなに警戒しなくていいよ。まず、お礼を言おう。呪いを解いてくれてありがとう。まずは、自己紹介だな。私は前々皇帝の弟で名をギルバート・フォールドと言う。フォールド公爵とも呼ばれている」
リーラははっとした表情になる。
「そう、気づいたかな?ルマンドの父親で、君のことは息子から聞いてたよ」
「ルマンドのお父さんなんですか!あまり似てないから全然わからなかったです」
「あははは、直球でくるな。ルマンドは気にしてるからあまり言わないでやってくれよ」
「す、すみません…」
「ルマンドはねぇ、母親似だからよくきれいとか言われだよ。それが弱く見られると気にしているだ」
「わかります。結構つまらないことを気にするタイプですよね。あっ…、余計な事を言いました」
「あははは。全くその通りだよ。リーラ王女のおかげであの子もかなり変わったよ。ありがとう」
扉がノックされ黒髪の官史が色とりどりのお菓子を並べてくれる。
「大臣にグランディナで1番のお菓子を用意しろと命じられまして、朝1番に並んでご用意しました。さぁ、しっかりお召し上がりくださいね」
官史の男性がにこりと笑いかける。
「うわーっ、美味しそう~」
リーラはありがとうございますと頭を下げる。
「あぁ。可愛い、癒されるなぁ」
と部屋を出て行った。
「ショーンめ、ベラベラと余計なことばかり話をしよって。さあ、食べながら話そう。さぁ、何から食べよう」
「じゃあ、これから頂きます。パク、モグ、モグ。美味しい~~」
「あははは。可愛いねぇ。りすが食べてるみたいだ。さて、本題に入ろうか?第6番隊が新たに発足されるが,必要経費など考えねばならない。まだ決まったばかりでわからないだろうが、何か要望はあるかい?」
「そうですねぇ、気になっていたのは戦場に怪我をした時、救護隊をどうやって見つけるんだろうとは思ってました。私達はみな黒の騎士服です。正直わかりにくいのではと考えてました。先日、医療院でお世話になった時、お医者様達は白い服を着ていたので思い切って白い騎士服なんてどうです?それなら戦場でもわかりやすいと思うんです」
ふむふむと話を聞いていた大臣はいい考えだと頷く。
「やはり、救護隊の位置が把握しやすい方が目印となり救える速さが変わる。採用しよう。他には騎士服と馬もいるな…。隊長殿と話し合って希望があればまた言ってくれ。暫くは模索しながらになるだろう」
「はい」
トン、トンと扉がたたく音がする。
「入れ」
「ウィンターニア大臣がいらっしゃいました」
銀髪の髪を一つにまとめ上げ黒色ジャケットとロングスカート姿の女性か入ってきた。
「ギルバート、待たせたね。おや、ずらりに人気店のお菓子が並んでいるじゃないか?私のためかい?」
「そんなことある訳ないだろう!」
「あははは、わかっているさ」
軽快な口調で話す女性はマリン・ウィンターニア医療大臣である。
「お初にお目にかかります」
リーラは拳を胸に置き礼を取る。
「楽にしてくれ、ハントン卿。いや、リーラちゃんでいいのかな?」
あはははと遠慮なしにソファに座る。
「息子が世話になったね。ベンジャミンからよくリーラちゃんの話は聞いてたよ。襲撃事件の話も下の双子が聞いてさぁ。リーラちゃんみたいになるって騎士学校に入ってしまったんだ」
「アイリは女だろう!!まぁ、おまえの娘だから剣ぐらい握れるか」
呆れ顔でお茶を飲むギルバート。
「レオンより腕がいいかもなぁ。多分,2人は第6番隊希望だと思うから来年よろしく頼むね」
「はい」
とリーラは頷く。
「救護隊、助かるねぇ。医療院の先生方にいつもいい加減にしろって文句を言われていてね。せっかく手塩にかけて育てたお医者さまが戦場に駆り出され死んじゃうだろう。そりゃ、訓練もしてないど素人が戦場に放り出さるたら奇襲の際逃げられないからね」
「本当によく喋る女だ」
「またまた、丁度皇太后様に頼まれていてね。なんでもエリザベス殿下が医療院で学びたいらしく、護衛をどうしようかなぁと思っていたんだよ。しかし、いいタイミングで騎士達が医療院で学ぶ!
護衛が周りにたくさん!ほら解決!仕事が捗るよ~」
「エリザベス殿下も医療院で学ぶんですか?」
「そうだよ。だから善は急げって言うから今から医療院に案内しよう」
「ありがとうございます!」
「ついでだからエリザベス殿下も一緒に連れて行こう!」
「はい!!」
と2人は立ち上がり部屋を出た。
「ふぅー。嵐のように話し去って行ったな…」
ギルバートはやれやれと一息ついたのだ。
場は変わりエリザベスと合流して医療院に向かったリーラ達。医療院は皇宮からほど近い貴族住居街と商業街の間に位置している。
「先生~!いらっしゃるかい?」
「相変わらずやかましいねぇ。何のようだね、マリン」
白衣を来た小柄な白髪の老女が奥から現れた。
「アーマノ先生、弟子を二人連れて来ました」
「はっ??また勝手な事を言いおって!」
「紹介しますね、エリザベス殿下とリヴァリオン国からやってきて今、ノーザンランドで騎士をしているリーラ副隊長です」
「はっ??」
「はじめまして」
「はじめまして」
「ほらっ、先生、新しい新人欲しいって話してたじゃないですか~」
「馬鹿もん!またまた、高貴な方を連れてきて!なんてこった」
「こちら副隊長の発案で、騎士隊に救護隊を置くことになりました。たくさんの騎士が学びに来ますのでよろしいお願いします」
「騎士隊に救護隊だと!まぁ、ようやく、わたしの意見が通ったのかい?」
「せんせー、意見って、戦争に医者を行かせたくないしか言ってないじゃないですか!」
「うるさいよ!おまえが私の意見に何か上乗せして上に言えばいいんだろが!」
「ちなみに救護隊は半年後に発足です」
「半年後だと!」
「ということで、ビシバシ騎士達を一人前に鍛えて立派な救護員にしてくださいね!」
「はぁーー。仕方ないねぇ。お二人さん、明日から来な!うちは厳しいからね!覚悟するんだよ!」
「「よろしくお願いします!」」
リーラとエリザベスが顔を見合わせ、手を合わせ飛び跳ねながら喜び合う。
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