88 / 240
第5章 リーラとアンデルクの王子
幕間 会議前のプチ騒動
しおりを挟む
騎士総本部
アンデルク王子襲撃事件の報告について各隊長が会議室に集まる。
「はぁー」
「ラモント。
どうしたのため息なんてついて?
悩みごと?
もしかして~浮気が奥方様にバレちゃった?」
顔を覗きこみニヤリと笑うキャサリン。
「馬鹿やろう!
浮気なんてするか!!
なんでない!!」
宰相ルドルフが入室する。
「みな、すまないが陛下のお越しが遅れる。しかし、びっくりしたぞ。リーラ姫が功績を挙げたらしいな。どのように王子を救出したんだ?」
「詳細はキャサリンとラモントが把握しているのか?」
ハルクが説明をしろとラモントとキャサリンを見る。
「すみません。襲撃時は把握していますが、その後はアンジェラ王女側に護衛に回り、事情聴取は全てラモント隊長に任せました」
みなが一斉にラモントを見る。
びくりとラモントの肩が動く。
「なんだか変だぞ。おまえ何か隠してるな…」
ハルクが怪しむように見る。
「隠していません…」
「キャサリン、敵はどこから現れた?」
キャサリンは怪しいわねとジーッとラモントを見ながら襲撃の前半を話す。
「ユーリィ関所近くのアンデルク側の森から敵が現れ、騎士に扮していた王子を狙ったもようです」
「こちらには何の報告もなく王子が勝手に騎士に扮していたのか?」
ルドルフはイラついた表情になる。
「はい、そうです」
「アホなのか?」
「そうなんです。恐らくアホです。死んでもらって構わなかったんですが、敵からの矢の集中攻撃を受けそのまま川にボッチャーン。アンデルクの騎士達は動揺する中、リーラが気づき真っ先に川へボッチャーンですわ」
「リーラ姫が自ら飛び込んだのか?!それもどうかと思うが…」
「その後はラモントどうぞ」
キャサリンはにやりと笑い全部吐けよと言いたげな表情を見せながらラモントの肩をポンとたたく。
「えぇ?!あぁー。二人を発見した時…」
「全部吐けよ」
ハルクが睨む。
「うっっ。二人を発見した時は基地に向かい歩いてました。王子を確保した際リーラから話を聞くと王子が溺れ意識をなかったので人工呼吸を行い救ったそうです。そして。服も乾かしユーリィ関所まで歩き始めたそうです」
「人工呼吸…唇を合わせてるのか⁈
」
ルドルフが目を見開き驚く。
「嘘~っ。
王子知らずにファーストキスをリーラに奪われてたの~。リーラもやるわね!!」
「いや、王子は認識している。リーラのおかげで助かったので功績を与えてくれと頼まれた」
「おい!!待てよ!服を乾かすってなんだよ!ほら物語であるじゃないか。男と女が雨に濡れて必ず小屋があってさぁ。火をおこして服が濡れているから服を全部脱ぐんだよ。毛布もなぜか用意されていて二人で抱きしめあって暖を取るんだ!裸でだよ!あぁーリーラ!僕はそんな風に指導した覚えはない~。グハッッ」
暴走するビルをハルクが殴る。
「やかましいわっ。おまえどんな本を読んでるんだ⁈」
ルドルフはすまなそうな表情をする。
「申し訳ない!もう少し早く発見できたらそんなふしだらことにならなかった!!未成年に対する管理監督が私のせいで!グハッッ」
ラモントにも1発いれるハルク。
「ビル同様の想像をするな馬鹿者!!」
「はぁ~あなた達馬鹿じゃない?人工呼吸よ。命を救ったんだから褒めないと!!それに今どきの若者はキスぐらいするでしょ。若者にとってはあいさつよ」
呆れたようにキャサリンが言うとオースティンがじっと見つめてくる。
「チューぐらい…挨拶……。おまえは若い時にそんなに口付けを頻繁にしたのか?」
「ば、馬鹿なの?どうしてあなたに私のプライベートな話をしないといけないの??」
「えーいっ、おまえ達!やかましいわっ!」
ハルクもブチ切れる。
「この話はここだけの話だ。陛下に耳には入れないようにしよう。ユーリアム公爵が心配していたようにアンデルク王子とリーラ王女が恋仲にならなければよいのだが…」
ルドルフは不安そうな表情を浮かべた。
この不安を2年後に煽られると思わなかった一同だった。
アンデルク王子襲撃事件の報告について各隊長が会議室に集まる。
「はぁー」
「ラモント。
どうしたのため息なんてついて?
悩みごと?
もしかして~浮気が奥方様にバレちゃった?」
顔を覗きこみニヤリと笑うキャサリン。
「馬鹿やろう!
浮気なんてするか!!
なんでない!!」
宰相ルドルフが入室する。
「みな、すまないが陛下のお越しが遅れる。しかし、びっくりしたぞ。リーラ姫が功績を挙げたらしいな。どのように王子を救出したんだ?」
「詳細はキャサリンとラモントが把握しているのか?」
ハルクが説明をしろとラモントとキャサリンを見る。
「すみません。襲撃時は把握していますが、その後はアンジェラ王女側に護衛に回り、事情聴取は全てラモント隊長に任せました」
みなが一斉にラモントを見る。
びくりとラモントの肩が動く。
「なんだか変だぞ。おまえ何か隠してるな…」
ハルクが怪しむように見る。
「隠していません…」
「キャサリン、敵はどこから現れた?」
キャサリンは怪しいわねとジーッとラモントを見ながら襲撃の前半を話す。
「ユーリィ関所近くのアンデルク側の森から敵が現れ、騎士に扮していた王子を狙ったもようです」
「こちらには何の報告もなく王子が勝手に騎士に扮していたのか?」
ルドルフはイラついた表情になる。
「はい、そうです」
「アホなのか?」
「そうなんです。恐らくアホです。死んでもらって構わなかったんですが、敵からの矢の集中攻撃を受けそのまま川にボッチャーン。アンデルクの騎士達は動揺する中、リーラが気づき真っ先に川へボッチャーンですわ」
「リーラ姫が自ら飛び込んだのか?!それもどうかと思うが…」
「その後はラモントどうぞ」
キャサリンはにやりと笑い全部吐けよと言いたげな表情を見せながらラモントの肩をポンとたたく。
「えぇ?!あぁー。二人を発見した時…」
「全部吐けよ」
ハルクが睨む。
「うっっ。二人を発見した時は基地に向かい歩いてました。王子を確保した際リーラから話を聞くと王子が溺れ意識をなかったので人工呼吸を行い救ったそうです。そして。服も乾かしユーリィ関所まで歩き始めたそうです」
「人工呼吸…唇を合わせてるのか⁈
」
ルドルフが目を見開き驚く。
「嘘~っ。
王子知らずにファーストキスをリーラに奪われてたの~。リーラもやるわね!!」
「いや、王子は認識している。リーラのおかげで助かったので功績を与えてくれと頼まれた」
「おい!!待てよ!服を乾かすってなんだよ!ほら物語であるじゃないか。男と女が雨に濡れて必ず小屋があってさぁ。火をおこして服が濡れているから服を全部脱ぐんだよ。毛布もなぜか用意されていて二人で抱きしめあって暖を取るんだ!裸でだよ!あぁーリーラ!僕はそんな風に指導した覚えはない~。グハッッ」
暴走するビルをハルクが殴る。
「やかましいわっ。おまえどんな本を読んでるんだ⁈」
ルドルフはすまなそうな表情をする。
「申し訳ない!もう少し早く発見できたらそんなふしだらことにならなかった!!未成年に対する管理監督が私のせいで!グハッッ」
ラモントにも1発いれるハルク。
「ビル同様の想像をするな馬鹿者!!」
「はぁ~あなた達馬鹿じゃない?人工呼吸よ。命を救ったんだから褒めないと!!それに今どきの若者はキスぐらいするでしょ。若者にとってはあいさつよ」
呆れたようにキャサリンが言うとオースティンがじっと見つめてくる。
「チューぐらい…挨拶……。おまえは若い時にそんなに口付けを頻繁にしたのか?」
「ば、馬鹿なの?どうしてあなたに私のプライベートな話をしないといけないの??」
「えーいっ、おまえ達!やかましいわっ!」
ハルクもブチ切れる。
「この話はここだけの話だ。陛下に耳には入れないようにしよう。ユーリアム公爵が心配していたようにアンデルク王子とリーラ王女が恋仲にならなければよいのだが…」
ルドルフは不安そうな表情を浮かべた。
この不安を2年後に煽られると思わなかった一同だった。
0
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説
勘当されたい悪役は自由に生きる
雨野
恋愛
難病に罹り、15歳で人生を終えた私。
だが気がつくと、生前読んだ漫画の貴族で悪役に転生していた!?タイトルは忘れてしまったし、ラストまで読むことは出来なかったけど…確かこのキャラは、家を勘当され追放されたんじゃなかったっけ?
でも…手足は自由に動くし、ご飯は美味しく食べられる。すうっと深呼吸することだって出来る!!追放ったって殺される訳でもなし、貴族じゃなくなっても問題ないよね?むしろ私、庶民の生活のほうが大歓迎!!
ただ…私が転生したこのキャラ、セレスタン・ラサーニュ。悪役令息、男だったよね?どこからどう見ても女の身体なんですが。上に無いはずのモノがあり、下にあるはずのアレが無いんですが!?どうなってんのよ!!?
1話目はシリアスな感じですが、最終的にはほのぼの目指します。
ずっと病弱だったが故に、目に映る全てのものが輝いて見えるセレスタン。自分が変われば世界も変わる、私は…自由だ!!!
主人公は最初のうちは卑屈だったりしますが、次第に前向きに成長します。それまで見守っていただければと!
愛され主人公のつもりですが、逆ハーレムはありません。逆ハー風味はある。男装主人公なので、側から見るとBLカップルです。
予告なく痛々しい、残酷な描写あり。
サブタイトルに◼️が付いている話はシリアスになりがち。
小説家になろうさんでも掲載しております。そっちのほうが先行公開中。後書きなんかで、ちょいちょいネタ挟んでます。よろしければご覧ください。
こちらでは僅かに加筆&話が増えてたりします。
本編完結。番外編を順次公開していきます。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました!
断罪後の気楽な隠居生活をぶち壊したのは誰です!〜ここが乙女ゲームの世界だったなんて聞いていない〜
白雲八鈴
恋愛
全ては勘違いから始まった。
私はこの国の王子の一人であるラートウィンクルム殿下の婚約者だった。だけどこれは政略的な婚約。私を大人たちが良いように使おうとして『白銀の聖女』なんて通り名まで与えられた。
けれど、所詮偽物。本物が現れた時に私は気付かされた。あれ?もしかしてこの世界は乙女ゲームの世界なのでは?
関わり合う事を避け、婚約者の王子様から「貴様との婚約は破棄だ!」というお言葉をいただきました。
竜の谷に追放された私が血だらけの鎧を拾い。未だに乙女ゲームの世界から抜け出せていないのではと内心モヤモヤと思いながら過ごして行くことから始まる物語。
『私の居場所を奪った聖女様、貴女は何がしたいの?国を滅ぼしたい?』
❋王都スタンピード編完結。次回投稿までかなりの時間が開くため、一旦閉じます。完結表記ですが、王都編が完結したと捉えてもらえればありがたいです。
*乙女ゲーム要素は少ないです。どちらかと言うとファンタジー要素の方が強いです。
*表現が不適切なところがあるかもしれませんが、その事に対して推奨しているわけではありません。物語としての表現です。不快であればそのまま閉じてください。
*いつもどおり程々に誤字脱字はあると思います。確認はしておりますが、どうしても漏れてしまっています。
*他のサイトでは別のタイトル名で投稿しております。小説家になろう様では異世界恋愛部門で日間8位となる評価をいただきました。
恋人に夢中な婚約者に一泡吹かせてやりたかっただけ
棗
恋愛
伯爵令嬢ラフレーズ=ベリーシュは、王国の王太子ヒンメルの婚約者。
王家の忠臣と名高い父を持ち、更に隣国の姫を母に持つが故に結ばれた完全なる政略結婚。
長年の片思い相手であり、婚約者であるヒンメルの隣には常に恋人の公爵令嬢がいる。
婚約者には愛を示さず、恋人に夢中な彼にいつか捨てられるくらいなら、こちらも恋人を作って一泡吹かせてやろうと友達の羊の精霊メリー君の妙案を受けて実行することに。
ラフレーズが恋人役を頼んだのは、人外の魔術師・魔王公爵と名高い王国最強の男――クイーン=ホーエンハイム。
濡れた色香を放つクイーンからの、本気か嘘かも分からない行動に涙目になっていると恋人に夢中だった王太子が……。
※小説家になろう・カクヨム様にも公開しています
聖女を騙った少女は、二度目の生を自由に生きる
夕立悠理
恋愛
ある日、聖女として異世界に召喚された美香。その国は、魔物と戦っているらしく、兵士たちを励まして欲しいと頼まれた。しかし、徐々に戦況もよくなってきたところで、魔法の力をもった本物の『聖女』様が現れてしまい、美香は、聖女を騙った罪で、処刑される。
しかし、ギロチンの刃が落とされた瞬間、時間が巻き戻り、美香が召喚された時に戻り、美香は二度目の生を得る。美香は今度は魔物の元へ行き、自由に生きることにすると、かつては敵だったはずの魔王に溺愛される。
しかし、なぜか、美香を見捨てたはずの護衛も執着してきて――。
※小説家になろう様にも投稿しています
※感想をいただけると、とても嬉しいです
※著作権は放棄してません
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
病弱な幼馴染と婚約者の目の前で私は攫われました。
鍋
恋愛
フィオナ・ローレラは、ローレラ伯爵家の長女。
キリアン・ライアット侯爵令息と婚約中。
けれど、夜会ではいつもキリアンは美しく儚げな女性をエスコートし、仲睦まじくダンスを踊っている。キリアンがエスコートしている女性の名はセレニティー・トマンティノ伯爵令嬢。
セレニティーとキリアンとフィオナは幼馴染。
キリアンはセレニティーが好きだったが、セレニティーは病弱で婚約出来ず、キリアンの両親は健康なフィオナを婚約者に選んだ。
『ごめん。セレニティーの身体が心配だから……。』
キリアンはそう言って、夜会ではいつもセレニティーをエスコートしていた。
そんなある日、フィオナはキリアンとセレニティーが濃厚な口づけを交わしているのを目撃してしまう。
※ゆるふわ設定
※ご都合主義
※一話の長さがバラバラになりがち。
※お人好しヒロインと俺様ヒーローです。
※感想欄ネタバレ配慮ないのでお気をつけくださいませ。
あの子を好きな旦那様
はるきりょう
恋愛
「クレアが好きなんだ」
目の前の男がそう言うのをただ、黙って聞いていた。目の奥に、熱い何かがあるようで、真剣な想いであることはすぐにわかった。きっと、嬉しかったはずだ。その名前が、自分の名前だったら。そう思いながらローラ・グレイは小さく頷く。
※小説家になろうサイト様に掲載してあります。
好きでした、さようなら
豆狸
恋愛
「……すまない」
初夜の床で、彼は言いました。
「君ではない。私が欲しかった辺境伯令嬢のアンリエット殿は君ではなかったんだ」
悲しげに俯く姿を見て、私の心は二度目の死を迎えたのです。
なろう様でも公開中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる