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第3章 ノーザンランド一族の呪い
第12話 呪われし男の願い
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リーラ達は帝都から馬を走らせノース山脈にあるマヤラク山に向かっている。
リーラとダリルはたまの休日は馬を走らせ薬草採取に向かう。水が綺麗な川が有ると噂で聞くと実際足を運び質の良い薬草を探しに出かける。もともとダリルも精霊から薬草を教えてもらっていたがより知識持ちが現れたのだ。
その功績者はエクストリアだ。
『我は薬草に詳しいぞ。前の持主が薬草研究をしていたからよく覚えている』
ダリルもこれは助かると教えを乞う。
薬草を乾燥させて粉状にして配合すると色々な薬へと変化する技を教えてくれる。剣のくせになかなかの博識ぶりをリーラ達に披露したのだ。精霊がいる森、特に人がいない、空気、水が綺麗な場所に生活するらしく、精霊達がさらに効果を付与させている薬草があるのだ。
「すごいねー!」
褒めると
『もっと褒めろ』
と調子の乗ってくる。
リーラの腰にはいつも短剣だか大剣として擬態化したエクストリアがいた。
エクストリアには太陽と月の印の紋章が付いている。これは光の精霊王が初代王に光の加護を与え光を表す太陽と月を初代王が国の紋章に決めたのだ。ダリルの剣にもその紋章があり、太陽と月と薔薇の花だ。しかし時代と共にリヴァリオンの紋章の意味は忘れさられ紋章も変更された。
リーラは簡単に歴史ある紋章を捨てる先代の王はかなり馬鹿な奴だと思い、剣のエクストリアに念話を送る。
『紋章捨てたなんて馬鹿な王と思わない?』
『そうだな…馬鹿そのものだな』
『なんだか今日テンション低くない』
『低くもなる。なんであれがいるんだ。まぁ、いい。今日は特に気を引き締めろ。一戦あるかもしれない』
『えー。やだ』
リーラはちらりと前を走る黒いローブを来た男性を目にやる。
"確かにあれがいるから襲われるかもしれないわ~実戦あるかもしれない。はっ!あれとか言ってしまったらまた不敬にあたると注意されてしまう。気をつけなくては。"
とぶるりと震えた。
リーラ達はマヤラク山の麓にある村についた。村に着くと馬を預けて森にはいる。村の人達はリーラ達をチラッと見る。
"そりゃそうでしょ!前には金髪を靡かせ貫禄ある男前のおじさんの父さんとハルク総隊長。後ろには目つきは悪いけど高貴なオーラが漂っているクリストファー陛下と顔だけはいいチャラいビル隊長。後ろから見てるあの4人からキラキラしたオーラが出ているんだよね。特に陛下とビル隊長、黒のローブ着ているけど顔が2人とも美形すぎて余計に黒が引き立てて目立つだよ。ほら、村娘達がぽけーっと見てますよ。"
「こら!リーラ!ちゃんと気を引き締めて我々の背後を警護するように」
ビルにリーラの邪な心を読み取るように注意した。
「はい、すみません」
素直に謝るリーラ。
「まぁ、いいじゃないか。恐らく私達がリーラを守らないといけなくなるからな」
とクリストファーに笑われた。
"つまり、私は弱くて役に立たないのか。ガーン"
『あんな奴の言うこと気にするな』
とエクストリアに励まされた。
どうやらエクストリアはクリストファーのことが嫌いなようだ。
森の中はすっかり紅葉していた。
「うわーぁ、綺麗だ」
とリーラが声を出すとクリストファーも
「本当に綺麗だな」
とにこりと笑い、声をかけてくれた。
リーラはクリストファーの横顔を近くから初めて見る。
綺麗な顔立ちで13歳から戦場で戦い続けた血に塗られた黒獅子と恐れられている人物に見えなかった。けれどこの黒靄はその殺した数を身体に受け止めているのかなぁとじっと見つめていると、
「どうした?」
とさらに顔が近づいてきた。
はっと気がつき、
「なんでもありません」
と素早く離れた。
ダリルから失礼のないよう振舞う様に注意されリーラなりに頑張って気をつけていたのだ。
"不敬発言して
牢獄になんて入りたくない!!"
リーラは身震いした。
森の奥に入るとダリルは皆に薬草の説明を始めた。
この時期は木の実にも薬になるものがある説明をしているとビルがメモを取りながら話を聞いていた。クリストファーも横で自然の力は神秘だと関心している。ハルクはただのどんぐりだと思っていたと木の実を次々に早速握り潰していた。
川が流れている所まで歩き大きな石があるので休憩することになった。
川の水でお湯を沸かしお茶を作り皆に配り終えたタイミングでクリストファーがダリルに話しかけた。
「ダリル、いやダリル殿。あなたにお願いしたいことがある」
「はい、どうされました?」
ビルもハルクも改まるクリストファーを驚いた様子で見つめている。
「知っていると思うが我が一族は呪われている。貴殿は大変博識家だ。この呪いを解く方法があれば教えてほしい」
「……」
クリストファーは真剣な眼差しでダリルを見つめている。
「もし、もし、呪いが解けたら私の願いを叶えてくれますか?」
「おい、ダリル?!」
ハルクはダリルの言葉に驚き声をかけた。ビルの顔も引き攣っている。
「ね、ねがいとは何なんだ?」
「私はもう長くありません。どうか、リーラを利用せずノーザンランドの庇護のもと守り抜いてほしいのです」
「あぁ、娘のことか…私の名にかけて娘を守ろう」
「ありがとうございます。できるかわかりませんが呪いの解呪も努力しましょう。その前に私の昔話にお付き合い頂きましょう。あなたは聞かなければならない」
ダリルはクリストファーをじっと見つめ話を始めた。
「300年前、リヴァリオン王国には精霊と人が共存する国でした。精霊は人を助け大変豊かな国だったのです…」
「300年前?」
「精霊??」
とみな、顔を見合わせて驚愕したのだった。
ダリルは一呼吸あけ話を続ける。
彼の昔、昔の話を…
リーラとダリルはたまの休日は馬を走らせ薬草採取に向かう。水が綺麗な川が有ると噂で聞くと実際足を運び質の良い薬草を探しに出かける。もともとダリルも精霊から薬草を教えてもらっていたがより知識持ちが現れたのだ。
その功績者はエクストリアだ。
『我は薬草に詳しいぞ。前の持主が薬草研究をしていたからよく覚えている』
ダリルもこれは助かると教えを乞う。
薬草を乾燥させて粉状にして配合すると色々な薬へと変化する技を教えてくれる。剣のくせになかなかの博識ぶりをリーラ達に披露したのだ。精霊がいる森、特に人がいない、空気、水が綺麗な場所に生活するらしく、精霊達がさらに効果を付与させている薬草があるのだ。
「すごいねー!」
褒めると
『もっと褒めろ』
と調子の乗ってくる。
リーラの腰にはいつも短剣だか大剣として擬態化したエクストリアがいた。
エクストリアには太陽と月の印の紋章が付いている。これは光の精霊王が初代王に光の加護を与え光を表す太陽と月を初代王が国の紋章に決めたのだ。ダリルの剣にもその紋章があり、太陽と月と薔薇の花だ。しかし時代と共にリヴァリオンの紋章の意味は忘れさられ紋章も変更された。
リーラは簡単に歴史ある紋章を捨てる先代の王はかなり馬鹿な奴だと思い、剣のエクストリアに念話を送る。
『紋章捨てたなんて馬鹿な王と思わない?』
『そうだな…馬鹿そのものだな』
『なんだか今日テンション低くない』
『低くもなる。なんであれがいるんだ。まぁ、いい。今日は特に気を引き締めろ。一戦あるかもしれない』
『えー。やだ』
リーラはちらりと前を走る黒いローブを来た男性を目にやる。
"確かにあれがいるから襲われるかもしれないわ~実戦あるかもしれない。はっ!あれとか言ってしまったらまた不敬にあたると注意されてしまう。気をつけなくては。"
とぶるりと震えた。
リーラ達はマヤラク山の麓にある村についた。村に着くと馬を預けて森にはいる。村の人達はリーラ達をチラッと見る。
"そりゃそうでしょ!前には金髪を靡かせ貫禄ある男前のおじさんの父さんとハルク総隊長。後ろには目つきは悪いけど高貴なオーラが漂っているクリストファー陛下と顔だけはいいチャラいビル隊長。後ろから見てるあの4人からキラキラしたオーラが出ているんだよね。特に陛下とビル隊長、黒のローブ着ているけど顔が2人とも美形すぎて余計に黒が引き立てて目立つだよ。ほら、村娘達がぽけーっと見てますよ。"
「こら!リーラ!ちゃんと気を引き締めて我々の背後を警護するように」
ビルにリーラの邪な心を読み取るように注意した。
「はい、すみません」
素直に謝るリーラ。
「まぁ、いいじゃないか。恐らく私達がリーラを守らないといけなくなるからな」
とクリストファーに笑われた。
"つまり、私は弱くて役に立たないのか。ガーン"
『あんな奴の言うこと気にするな』
とエクストリアに励まされた。
どうやらエクストリアはクリストファーのことが嫌いなようだ。
森の中はすっかり紅葉していた。
「うわーぁ、綺麗だ」
とリーラが声を出すとクリストファーも
「本当に綺麗だな」
とにこりと笑い、声をかけてくれた。
リーラはクリストファーの横顔を近くから初めて見る。
綺麗な顔立ちで13歳から戦場で戦い続けた血に塗られた黒獅子と恐れられている人物に見えなかった。けれどこの黒靄はその殺した数を身体に受け止めているのかなぁとじっと見つめていると、
「どうした?」
とさらに顔が近づいてきた。
はっと気がつき、
「なんでもありません」
と素早く離れた。
ダリルから失礼のないよう振舞う様に注意されリーラなりに頑張って気をつけていたのだ。
"不敬発言して
牢獄になんて入りたくない!!"
リーラは身震いした。
森の奥に入るとダリルは皆に薬草の説明を始めた。
この時期は木の実にも薬になるものがある説明をしているとビルがメモを取りながら話を聞いていた。クリストファーも横で自然の力は神秘だと関心している。ハルクはただのどんぐりだと思っていたと木の実を次々に早速握り潰していた。
川が流れている所まで歩き大きな石があるので休憩することになった。
川の水でお湯を沸かしお茶を作り皆に配り終えたタイミングでクリストファーがダリルに話しかけた。
「ダリル、いやダリル殿。あなたにお願いしたいことがある」
「はい、どうされました?」
ビルもハルクも改まるクリストファーを驚いた様子で見つめている。
「知っていると思うが我が一族は呪われている。貴殿は大変博識家だ。この呪いを解く方法があれば教えてほしい」
「……」
クリストファーは真剣な眼差しでダリルを見つめている。
「もし、もし、呪いが解けたら私の願いを叶えてくれますか?」
「おい、ダリル?!」
ハルクはダリルの言葉に驚き声をかけた。ビルの顔も引き攣っている。
「ね、ねがいとは何なんだ?」
「私はもう長くありません。どうか、リーラを利用せずノーザンランドの庇護のもと守り抜いてほしいのです」
「あぁ、娘のことか…私の名にかけて娘を守ろう」
「ありがとうございます。できるかわかりませんが呪いの解呪も努力しましょう。その前に私の昔話にお付き合い頂きましょう。あなたは聞かなければならない」
ダリルはクリストファーをじっと見つめ話を始めた。
「300年前、リヴァリオン王国には精霊と人が共存する国でした。精霊は人を助け大変豊かな国だったのです…」
「300年前?」
「精霊??」
とみな、顔を見合わせて驚愕したのだった。
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