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第2章 憧れの騎士学校生活
第9話 精霊の泉へ
しおりを挟む「うわぁー!!!」
崖から落とされた!
急降下する!
死ぬー!!!
光の粒がリーラの周りに集まる。
ひゅーと風が吹きふわっとリーラを包み込む。ゆっくり下降し、そして、お尻からぽすんと落ちる。
「いたたー」
お尻をさすりながら、遥か上にある頂上辺りを見上げる。
「あの絶壁から落とされたのか…よく生きてたよな」
「きっと君達が助けてくれたんだろ?」
周りを飛ぶを色取り取りの羽を持った人のような生き物に声をかける。落ちると思った瞬間、ふわりとした風に包まれた気がした。
『そうだよ~』
「あの崖を戻るのは、無理だなぁ。君達、道教えてくれる?」
『いいよ~』
リーラを誘導してくれるようだ。
「でも、腹立つー、あの赤髪!帰ったら絶対ぶっ殺す!連打パンチをくらわせてやる」
周り飛んでいる生き物はリーラの殺気で皆ピタリと止まる。
「違う!違う!僕を突き落とした赤髪だよ。腹立たない??」
生き物達は、
『そうだ!そうだ!ぶっ殺す!』
『ぶっ殺すって何?』
『知らな~い』
とよくわからないが同意してくれたようだ。
生き物達について行くとふとリーラは気づいた。
「山を下ってないか?」
今まで木なんてなかったのに。
気付くと森の中にいた。
「まさかリヴァリオンに向かっているんじゃ?!しまったー。無我夢中でついて行ってたから迂闊だった」
生い茂る背の高い雑草をどけながら進む。
「君達大丈夫なのかなぁ?引き返そうよ~」
リーラが声をかけると
『大丈夫~古様が待ってるよ~』
古様って誰だ?と考えていると今まで太陽の光が入らない森だったが広い空間にでた。
その奥に泉らしきものが見えた。その澄み切った泉に樹々からの溢れる太陽の光が差し込み美しく光り輝く。
リーラは呼ばれているような気がして泉の中心に導かれている。
ふと、おじい様の言葉を思いだす。
『昔々、王女が我が家に嫁いできた。髪の色は銀、瞳の色は紺碧色で大変美しい方であった。この方は不思議な力を持っていた。いつか、同じ不思議な力を持つ子が現れたら泉に秘密を隠したと伝えるよう代々言われている』
そして、リーラは泉の中に輝く何かを見つけた。
靴を脱ぎ、ズボンの裾をめくり、冷たい水の中にゆっくり入り、足を進める。中央にある輝く何かを見つけ探るように掴む。
「これだ!はっ!!」
掴んだ瞬間、先から白銀色光が溢れ、リーラを包み込み、誰かの感情が入り込む。
『あなたがこの剣に触れる時、持主である私はこの世にはいないかもしれない。
あなたの持つ力が、この剣に導かれこの地を訪れたのは秘められ力を解放するため。
さぁ、剣に秘められている力を受け取りなさい。受け取る事で力についても知ることができるでしょう。
あなたならこの力を悪意に使うことなく愛するもののために正しく力を使えると信じる。
あなたがこの地を訪れたのは力を欲しているのだろう。あるいは何かの危機を迎えているかもしれない。
その時は、どうかあなたの無事と愛する者達を守れる事を祈ります。
さぁ、我々一族の話をあなたに語ろう。
そして、私のことを語ろう』
この剣の持主でだったリーリラ・リヴァリオン・ラクラインの記憶が入ってくる。
リーラの頭の中に数多くの情報が入ってくる。きっと昔々ご先祖様であろう彼女の人生。初代王のラクラインから不思議な力を継承したが力を悪用しようとした賊に家族が傷つけられ、国と家族を守る為に力を手放したこと。
リーラの体中に今まで感じたことのない漲る力が入ってくる。
『ようやく訪れたか。我が名はエクストリア。ラクラインの力を引き継ぐ剣。 おまえの名は?』
「ロ、違った、リーラ…」
『リーラ……?さぁ、おまえは我をどうしたい』
突然言われても…
「いや、別に何も………」
『……』
静か沈黙だけが過ぎる……。
「そこにいるのは誰だ!」
リーラは声をかけられびっくりする。
しまった。敵か?!
すぐに持っていた剣を構える。
すると、なんだか力が溢れているような、いや溢れている。
リーラを中心に風が生まれる。
「殺れる」
気持ちに反応して剣が笑っているような気がした。
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