25 / 52
第3章 二人からのプロポーズ
第3話 男達の戦い
しおりを挟む
城内にて騎士同士が訓練を行う鍛錬場。朝から騎士同士の打ち合いが行われている。
「はっ!!」
カン!カン!
「とぁー!!」
カン!カン!
「なんだ~カイル?今日はやけに荒れてるなぁ。」
カイルの同僚騎士が汗を拭きながら声をかけてきた。
「彼女とうまく言ってないとか~」
「そんなことではない」
とフンと言いながらカイルも汗を拭く。
「カイル先輩、剣の相手になって下さい」
振り向くと神殿長の息子のエドモンドが立っていた。
「あぁ、わかった」
2人は向かい合うお互い睨みつけ、剣を合わせる。
「おい、なんか練習って雰囲気じゃないな」
「あの若手態度悪いんだよ」
「カイルに何かと歯向かってないか?」
と騎士達は心配そうに口々に話す。
「いくぞー!!はーー!!」
カン!
カン!
カイルの強い打撃がエドモンドを押している。
「チッ」
とエドモンドは舌打ちをしながら打撃を受け流す。
カン!
カン!
カイルはおまえには姫様を渡さない!と強い想いを込め剣を打ち上げる。
カン!!
ヒュルル、
ガチャン!
エドモンドの手から剣は離れ地面に突き刺さる。
「クソッ」
とエドモンドは小さく吐き捨てる。
「カイル先輩ありがとうございます。また、相手してくださいよ。早く先輩を追い抜かしたいので」
と言うとエドモンドは鍛錬場を去って行った。
カイルはエドモンドの想いを態度から感じ取る。
私もお前なんかに負けない!
姫様を守るのは私なのだと決意を込め剣を強く握った。
「カイル、さすがだよ。いい調子だ!あの新人、態度悪いよなぁ。後輩に舐められないようにしないとな。そうだ、騎士団長がおまえをお呼びだ。執務室に向かえ」
わかったと返事をすると王城にある騎士団長の執務室に向かう。
コン、
コン
と扉をたたく。
「入れ」
とリチャードが声を掛けられ執務室に入る。
「すまないな、呼び出して。先日、姉貴と誕生日プレゼントを買いに行っただろう。プレゼントは渡せたのか?」
「団長の姉君とご一緒させて頂きありがとうございます。プレゼントですが、やはり渡すなら高価な品の方が良いと思い加工中なのです」
「まだ準備出来てないのかぁ…」
とリチャードがガクリと肩を落とす。
「はい。しかし、普段着使いできる物もあった方が良いと団長の姉君にアドバイスをもらいネックレスは用意しています」
「それをなぜ渡さない?」
「うっ、なかなか渡すタイミングがないというか、私が非番な時に限って外出をするので渡す機会がなくて…」
リチャードは恐らくリーリラがわざと避けているんだろうと察する。
「誕生日は過ぎてしまったぞ。早く渡さないとタイミングを逃すぞ!」
「は、はい…。わかっています」
「ここだけの話だ。よく聞け。神殿長様が国王に姫様の伴侶候補に息子のエドモンド様を推してきた。神殿長様としては姫様の力をなんとしても取り込みたいのだろう。このままだと姫様の伴侶が決められてしまうぞ。姫様は成人の会にお忍びで出席され、その付添人役をエドモンド様がするそうだ。ぼやっとしてると姫様を奪われるぞ!!」
「クッ…わかっています」
「明日は会場内警備の配置につけ。チャンスを失うなよ、カイル」
「はい」
カイルはエドモンドが行動に出たことを知り悔しさの余り唇を噛んだ。
「はっ!!」
カン!カン!
「とぁー!!」
カン!カン!
「なんだ~カイル?今日はやけに荒れてるなぁ。」
カイルの同僚騎士が汗を拭きながら声をかけてきた。
「彼女とうまく言ってないとか~」
「そんなことではない」
とフンと言いながらカイルも汗を拭く。
「カイル先輩、剣の相手になって下さい」
振り向くと神殿長の息子のエドモンドが立っていた。
「あぁ、わかった」
2人は向かい合うお互い睨みつけ、剣を合わせる。
「おい、なんか練習って雰囲気じゃないな」
「あの若手態度悪いんだよ」
「カイルに何かと歯向かってないか?」
と騎士達は心配そうに口々に話す。
「いくぞー!!はーー!!」
カン!
カン!
カイルの強い打撃がエドモンドを押している。
「チッ」
とエドモンドは舌打ちをしながら打撃を受け流す。
カン!
カン!
カイルはおまえには姫様を渡さない!と強い想いを込め剣を打ち上げる。
カン!!
ヒュルル、
ガチャン!
エドモンドの手から剣は離れ地面に突き刺さる。
「クソッ」
とエドモンドは小さく吐き捨てる。
「カイル先輩ありがとうございます。また、相手してくださいよ。早く先輩を追い抜かしたいので」
と言うとエドモンドは鍛錬場を去って行った。
カイルはエドモンドの想いを態度から感じ取る。
私もお前なんかに負けない!
姫様を守るのは私なのだと決意を込め剣を強く握った。
「カイル、さすがだよ。いい調子だ!あの新人、態度悪いよなぁ。後輩に舐められないようにしないとな。そうだ、騎士団長がおまえをお呼びだ。執務室に向かえ」
わかったと返事をすると王城にある騎士団長の執務室に向かう。
コン、
コン
と扉をたたく。
「入れ」
とリチャードが声を掛けられ執務室に入る。
「すまないな、呼び出して。先日、姉貴と誕生日プレゼントを買いに行っただろう。プレゼントは渡せたのか?」
「団長の姉君とご一緒させて頂きありがとうございます。プレゼントですが、やはり渡すなら高価な品の方が良いと思い加工中なのです」
「まだ準備出来てないのかぁ…」
とリチャードがガクリと肩を落とす。
「はい。しかし、普段着使いできる物もあった方が良いと団長の姉君にアドバイスをもらいネックレスは用意しています」
「それをなぜ渡さない?」
「うっ、なかなか渡すタイミングがないというか、私が非番な時に限って外出をするので渡す機会がなくて…」
リチャードは恐らくリーリラがわざと避けているんだろうと察する。
「誕生日は過ぎてしまったぞ。早く渡さないとタイミングを逃すぞ!」
「は、はい…。わかっています」
「ここだけの話だ。よく聞け。神殿長様が国王に姫様の伴侶候補に息子のエドモンド様を推してきた。神殿長様としては姫様の力をなんとしても取り込みたいのだろう。このままだと姫様の伴侶が決められてしまうぞ。姫様は成人の会にお忍びで出席され、その付添人役をエドモンド様がするそうだ。ぼやっとしてると姫様を奪われるぞ!!」
「クッ…わかっています」
「明日は会場内警備の配置につけ。チャンスを失うなよ、カイル」
「はい」
カイルはエドモンドが行動に出たことを知り悔しさの余り唇を噛んだ。
0
お気に入りに追加
87
あなたにおすすめの小説
慰み者の姫は新皇帝に溺愛される
苺野 あん
恋愛
小国の王女フォセットは、貢物として帝国の皇帝に差し出された。
皇帝は齢六十の老人で、十八歳になったばかりのフォセットは慰み者として弄ばれるはずだった。
ところが呼ばれた寝室にいたのは若き新皇帝で、フォセットは花嫁として迎えられることになる。
早速、二人の初夜が始まった。
巻き込まれ召喚された上、性別を間違えられたのでそのまま生活することにしました。
蒼霧雪枷
恋愛
勇者として異世界に召喚されチート無双、からのハーレム落ち。ここ最近はそんな話ばっか読んでるきがする引きこもりな俺、18歳。
此度どうやら、件の異世界召喚とやらに"巻き込まれた"らしい。
召喚した彼らは「男の勇者」に用があるらしいので、俺は巻き込まれた一般人だと確信する。
だって俺、一応女だもの。
勿論元の世界に帰れないお約束も聞き、やはり性別を間違われているようなので…
ならば男として新たな人生片道切符を切ってやろうじゃねぇの?
って、ちょっと待て。俺は一般人Aでいいんだ、そんなオマケが実はチート持ってました展開は望んでねぇ!!
ついでに、恋愛フラグも要りません!!!
性別を間違われた男勝りな男装少女が、王弟殿下と友人になり、とある俺様何様騎士様を引っ掻き回し、勇者から全力逃走する話。
──────────
突発的に書きたくなって書いた産物。
会話文の量が極端だったりする。読みにくかったらすみません。
他の小説の更新まだかよこの野郎って方がいたら言ってくださいその通りですごめんなさい。
4/1 お気に入り登録数50突破記念ssを投稿してすぐに100越えるもんだからそっと笑ってる。ありがたい限りです。
4/4 通知先輩が仕事してくれずに感想来てたの知りませんでした(死滅)とても嬉しくて語彙力が消えた。突破記念はもうワケわかんなくなってる。
4/20 無事完結いたしました!気まぐれにオマケを投げることもあるかも知れませんが、ここまでお付き合いくださりありがとうございました!
4/25 オマケ、始めました。え、早い?投稿頻度は少ないからいいかなってさっき思い立ちました。突発的に始めたから、オマケも突発的でいいよね。
21.8/30 完全完結しました。今後更新することはございません。ありがとうございました!
異世界転移したら、推しのガチムチ騎士団長様の性癖が止まりません
冬見 六花
恋愛
旧題:ロングヘア=美人の世界にショートカットの私が転移したら推しのガチムチ騎士団長様の性癖が開花した件
異世界転移したアユミが行き着いた世界は、ロングヘアが美人とされている世界だった。
ショートカットのために醜女&珍獣扱いされたアユミを助けてくれたのはガチムチの騎士団長のウィルフレッド。
「…え、ちょっと待って。騎士団長めちゃくちゃドタイプなんですけど!」
でもこの世界ではとんでもないほどのブスの私を好きになってくれるわけない…。
それならイケメン騎士団長様の推し活に専念しますか!
―――――【筋肉フェチの推し活充女アユミ × アユミが現れて突如として自分の性癖が目覚めてしまったガチムチ騎士団長様】
そんな2人の山なし谷なしイチャイチャエッチラブコメ。
●ムーンライトノベルズで掲載していたものをより糖度高めに改稿してます。
●11/6本編完結しました。番外編はゆっくり投稿します。
●11/12番外編もすべて完結しました!
●ノーチェブックス様より書籍化します!
【R18】助けてもらった虎獣人にマーキングされちゃう話
象の居る
恋愛
異世界転移したとたん、魔獣に狙われたユキを助けてくれたムキムキ虎獣人のアラン。襲われた恐怖でアランに縋り、家においてもらったあともズルズル関係している。このまま一緒にいたいけどアランはどう思ってる? セフレなのか悩みつつも関係が壊れるのが怖くて聞けない。飽きられたときのために一人暮らしの住宅事情を調べてたらアランの様子がおかしくなって……。
ベッドの上ではちょっと意地悪なのに肝心なとこはヘタレな虎獣人と、普段はハッキリ言うのに怖がりな人間がお互いの気持ちを確かめ合って結ばれる話です。
ムーンライトノベルズさんにも掲載しています。
獣人の世界に落ちたら最底辺の弱者で、生きるの大変だけど保護者がイケオジで最強っぽい。
真麻一花
恋愛
私は十歳の時、獣が支配する世界へと落ちてきた。
狼の群れに襲われたところに現れたのは、一頭の巨大な狼。そのとき私は、殺されるのを覚悟した。
私を拾ったのは、獣人らしくないのに町を支配する最強の獣人だった。
なんとか生きてる。
でも、この世界で、私は最低辺の弱者。
スパダリ猟犬騎士は貧乏令嬢にデレ甘です!【R18/完全版】
鶴田きち
恋愛
★初恋のスパダリ年上騎士様に貧乏令嬢が溺愛される、ロマンチック・歳の差ラブストーリー♡
★貧乏令嬢のシャーロットは、幼い頃からオリヴァーという騎士に恋をしている。猟犬騎士と呼ばれる彼は公爵で、イケメンで、さらに次期騎士団長として名高い。
ある日シャーロットは、ひょんなことから彼に逆プロポーズしてしまう。オリヴァーはそれを受け入れ、二人は電撃婚約することになる。婚約者となった彼は、シャーロットに甘々で――?!
★R18シーンは第二章の後半からです。その描写がある回はアスタリスク(*)がつきます
★ムーンライトノベルズ様では第二章まで公開中。(旧タイトル『初恋の猟犬騎士様にずっと片想いしていた貧乏令嬢が、逆プロポーズして電撃婚約し、溺愛される話。』)
★エブリスタ様では【エブリスタ版】を公開しています。
★「面白そう」と思われた女神様は、毎日更新していきますので、ぜひ毎日読んで下さい!
その際は、画面下の【お気に入り☆】ボタンをポチッとしておくと便利です。
いつも読んで下さる貴女が大好きです♡応援ありがとうございます!
[R18] 18禁ゲームの世界に御招待! 王子とヤらなきゃゲームが進まない。そんなのお断りします。
ピエール
恋愛
R18 がっつりエロです。ご注意下さい
えーー!!
転生したら、いきなり推しと リアルセッ○スの真っ最中!!!
ここって、もしかしたら???
18禁PCゲーム ラブキャッスル[愛と欲望の宮廷]の世界
私って悪役令嬢のカトリーヌに転生しちゃってるの???
カトリーヌって•••、あの、淫乱の•••
マズイ、非常にマズイ、貞操の危機だ!!!
私、確か、彼氏とドライブ中に事故に遭い••••
異世界転生って事は、絶対彼氏も転生しているはず!
だって[ラノベ]ではそれがお約束!
彼を探して、一緒に こんな世界から逃げ出してやる!
カトリーヌの身体に、男達のイヤラシイ魔の手が伸びる。
果たして、主人公は、数々のエロイベントを乗り切る事が出来るのか?
ゲームはエンディングを迎える事が出来るのか?
そして、彼氏の行方は•••
攻略対象別 オムニバスエロです。
完結しておりますので最後までお楽しみいただけます。
(攻略対象に変態もいます。ご注意下さい)
〈短編版〉騎士団長との淫らな秘め事~箱入り王女は性的に目覚めてしまった~
二階堂まや
恋愛
王国の第三王女ルイーセは、女きょうだいばかりの環境で育ったせいで男が苦手であった。そんな彼女は王立騎士団長のウェンデと結婚するが、逞しく威風堂々とした風貌の彼ともどう接したら良いか分からず、遠慮のある関係が続いていた。
そんなある日、ルイーセは森に散歩に行き、ウェンデが放尿している姿を偶然目撃してしまう。そしてそれは、彼女にとって性の目覚めのきっかけとなってしまったのだった。
+性的に目覚めたヒロインを器の大きい旦那様(騎士団長)が全面協力して最終的にらぶえっちするというエロに振り切った作品なので、気軽にお楽しみいただければと思います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる