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第1章 幼き精霊に愛されし王女

第4話 精霊の剣エクストリアとの出会い

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 城内にはリンダ王女の葬儀に参列する者で溢れていた。大人達をする抜けるようにリーリラ達は走る。
 
 パタパタ、パタパタ。

「あらっ?リーリラ様?どちらへ?
 いかれ…」
侍女達は走り去るリーリラ達を瞬時で見失う。

「うっ?!まだ、お着替えもすんでいらっしゃらないのに…、なんておてんばなのかしら!あの手を繋いでいた男の子は誰かしら?」

パタパタ
パタパタ

城の奥にある扉で精霊達は止まる。

ハァ、ハァ、ハァとリーリラは息を切らす。

「姫様、大丈夫ですか?」
あまりに息を切らすリーリラをカイルは心配する。

「カイル、すごいね。しんどくないの?」

「一応、騎士志望ですから。我が家は、代々リヴァリオン王国の騎士家系でして、ちなみに父は副団長なんです。私は父に憧れておりまして、父のような騎士になりたいと常々思っているのです」
とペラペラと話し終えるとえっへんと腰に手を当ててカイルは誇らしげに話す。

「頑張ってね!応援してるからね!」
とリーリラの笑顔にはい!と照れながら笑うカイル。

二人は重々しい扉を開けると、真っ暗な部屋に入る。
「真っ暗だ…」

「姫様、灯りがないと無理ですよ…」

リーリラはそうだと気付き、扉の前で待つ火の精霊に願い部屋の灯りを灯すように願う。
火の精霊はいいよと部屋の灯りを灯すと一瞬で部屋は明るくなった。

「うわぁー、姫様、すごいですね。精霊を使役させるなんて。さすが王族だ」

「しえき?」

「王族は精霊王から特別な力を継承し、精霊の力を使うことができるのです」

「ちがうよ、ともだちだからだよ。カイルもたのめばきいてくれるよ」
とリーリラが話すと精霊達は首を傾げながら
『できないよ』
と伝える。

「そうなの?」
精霊を見ることが特別な力であることをリーリラは知らなかったのだ。

精霊を見ることが出来ないカイルは
「そうなのです。姫様は特別な力をお持ちなのです!」
とリーリラの力を称えたのだ。

 

 二人は声のする方へ歩いていくと、ほこりを被った剣が飾ってあった。

『ようやく来たか。魂の継承者よ。我は長きに渡り眠りについていた。あまりに精霊達が騒ぐので目が覚めたぞ』

「あなただれ?」
と剣に一人で話しかけるリーリラを見てギョッとするカイル。

「姫様、何一人で喋っているんですか??」
とツッコミを入れるが、リーリラは剣とまだ話し続ける。どうやら剣の声はリーリラしか聞こえないらしい。

『私は、古の土の精霊だ。今は剣となっているが、今お前の周りに飛んでいた精霊達と同じ姿だったのだ』

「けんはつちのせいれいだったの?どうしてけんになってるの?」

『それには深い訳があってなぁ。子供のお前に話してもわからんだろう。それよりお前は大変そうだな。その小さい身体でその力を受け止めてるのか』

「そんなの、いつもねつがでる」

『仕方あるまい、そもそもその光の力は初代王が成人の時に魂の契約したのだ。その時の力をそのまま引き継いだんだ。適応しにくいだろう。どれ、助けてやるか。お前の名は?』

「私、リーリラ!あなたは?」

『我はエクストリアだ。ラクラインと共に戦って精霊の剣と呼ばれる』

 カイルが一人置き去りになっていたことにリーリラは気づくとこの剣は初代様が使っていた剣で元は土の精霊であることを説明するとカイルはそんな国宝級の剣を触るのはダメでしょうと止める前にリーリラはその剣をガシッとつかむ。

リーリラが剣を掴むとリーリラが中心にふわっと風が起こる。

「うわっ、よし!外へ行こう!」

「姫様ー!」
見た目重そうな剣だがリーリラは軽々剣を持ちカイルは不思議そうにする。

「姫様、剣重くないですか?お持ちしましょうか?」

「全然重くないよ!なんだかこの剣、自分で浮いているみたいだもん」

剣を持ち、再び走り、城の外へ向かう。

「姫さまーッ!!」

そして、リーリラとカイルは城の庭に出ると
エクストリアが念話を送る。

『お前の溜まっている力を出そう。さぁ、自身の気を我に渡すんだ』

リーリラは目をつむると力を剣に流す、剣は白銀色に輝きを見せ、リーリラの周りに風が起こる。

『久しぶりに我が力も出すか。リーリラ、地面に突き刺せ!』

グサッ

リーリラが剣を地面に突き刺すと力が地面に流れて地面が一直線上にボコボコと進む。


ドカーン!
そして地面を通して城壁が破壊された。

「『ふぅーッ』」

 身体にこもっていた力を出せ楽になったリーリラは清々しい表情になる。 

カイルはあんぐりと口を開き、壊れた城壁を指刺すと、プルプル震えながら、
「姫様……。あれは駄目ですよ!怒られるますよ!」 

「うーん、おこられるかも…」

 破壊された音を聞きつけ人だかりができ始める。そして二人はこっそりと人だかりに隠れながら逃げるのだった。

        
    
 
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