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第一章
第12話 ふく、お稲荷様に会う
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祖母ふくに睨みつけら威圧を感じたコンちゃんは私の服をぎゅっと握りしめる。
「老婆、眼力をあるな」
とコンちゃんが発した言葉にふく子は目を丸くする。
「はぁ?なんか言った?
沙都、聞こえへん、なんて言ったんや、耳元で話してんか」
私はコンちゃんを抱き抱えて祖母の耳元に連れて行く。
「耳遠いからさっき何言ったのか、おばあちゃんに話してあげて」
「えっ?!
ろうば、がんりきあるなだ」
「当たり前や、何いってるや、赤子のくせに。この子、これくらいか?」
と祖母は皺くちゃな手を上げると指で2と表した。
「二歳か~、ようわからんのよ。本人から話聞いたら、約1,000歳とか言ってるわ」
耳元で話すと「はぁ??」と祖母は怪訝そうな顔をした。私はコンちゃんとの出会いを説明する為に哲也との別れ、その後宝くじが当選して、心機一転、宿を始めようとした経緯を話した。
「やっぱりあんたにも商売の血が騒ぐんやな。その宿は上手くいくで」
祖母は私の説明を聞くとニヤリと笑う。
「その宿候補が稲荷大社の近くにあって、その家の中見た時にこの狐を見つけたんや」
「うん?あんた、きつねというたか?」
「そう、きつねや、実はこの子、狐やねん」
私はコンちゃんに目配せすると、コンちゃんは「ポン!」と幼児姿から狐の姿に変化した。
「なんや…」
祖母は口をぱくぱくと開き、手を胸に当てた。どうやらかなり驚かせたようだ。私は駆け寄り、祖母の背中を撫でる。
「おばあちゃん、心臓、大丈夫?」
「あぁ、稲荷大社…
狐様や…
まさか…お稲荷様とは…
死ぬまでにお稲荷様に会えるなんて、
大金奉納した甲斐があったわ…」
とコンちゃんに手を合わせて拝み始めた。
祖母が拝み始め、気分が良くなったコンちゃんはご機嫌で尻尾を振り振りしながら「コン、コン~、俺様をもっと崇めろ~」と祖母のお膝に乗った。
「いや、お稲荷様が乗らはったわ、
触らして貰ってええんやろか」
「いいぞ!触れ!触れ!」
「お稲荷様に触らせて貰えるなんて…
冥土の土産ができたわ…」
と祖母は震える手でコンちゃんを撫で嬉しそうにニコニコ顔で笑ったのだ。
喜ぶ祖母の姿を見るとさすがにこの偉そうにしているのがまさか妖怪の狐なんですとは私はとてもじゃ無いが言えなかったのだ。
「老婆、眼力をあるな」
とコンちゃんが発した言葉にふく子は目を丸くする。
「はぁ?なんか言った?
沙都、聞こえへん、なんて言ったんや、耳元で話してんか」
私はコンちゃんを抱き抱えて祖母の耳元に連れて行く。
「耳遠いからさっき何言ったのか、おばあちゃんに話してあげて」
「えっ?!
ろうば、がんりきあるなだ」
「当たり前や、何いってるや、赤子のくせに。この子、これくらいか?」
と祖母は皺くちゃな手を上げると指で2と表した。
「二歳か~、ようわからんのよ。本人から話聞いたら、約1,000歳とか言ってるわ」
耳元で話すと「はぁ??」と祖母は怪訝そうな顔をした。私はコンちゃんとの出会いを説明する為に哲也との別れ、その後宝くじが当選して、心機一転、宿を始めようとした経緯を話した。
「やっぱりあんたにも商売の血が騒ぐんやな。その宿は上手くいくで」
祖母は私の説明を聞くとニヤリと笑う。
「その宿候補が稲荷大社の近くにあって、その家の中見た時にこの狐を見つけたんや」
「うん?あんた、きつねというたか?」
「そう、きつねや、実はこの子、狐やねん」
私はコンちゃんに目配せすると、コンちゃんは「ポン!」と幼児姿から狐の姿に変化した。
「なんや…」
祖母は口をぱくぱくと開き、手を胸に当てた。どうやらかなり驚かせたようだ。私は駆け寄り、祖母の背中を撫でる。
「おばあちゃん、心臓、大丈夫?」
「あぁ、稲荷大社…
狐様や…
まさか…お稲荷様とは…
死ぬまでにお稲荷様に会えるなんて、
大金奉納した甲斐があったわ…」
とコンちゃんに手を合わせて拝み始めた。
祖母が拝み始め、気分が良くなったコンちゃんはご機嫌で尻尾を振り振りしながら「コン、コン~、俺様をもっと崇めろ~」と祖母のお膝に乗った。
「いや、お稲荷様が乗らはったわ、
触らして貰ってええんやろか」
「いいぞ!触れ!触れ!」
「お稲荷様に触らせて貰えるなんて…
冥土の土産ができたわ…」
と祖母は震える手でコンちゃんを撫で嬉しそうにニコニコ顔で笑ったのだ。
喜ぶ祖母の姿を見るとさすがにこの偉そうにしているのがまさか妖怪の狐なんですとは私はとてもじゃ無いが言えなかったのだ。
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