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第一章
第8話 コンちゃんの力
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落ち着いた紅太郎に暖かいミルクを出すと喉が乾いてたのか、ゴク、ゴクと飲み始めた。
「私ね、仕事や人間関係に疲れちゃて、心機一転、宿でも営みながらのんびり暮らそうかなぁと思ってね、中古の宿を探してる最中に君を見つけたんよ」
紅太郎はミルクを飲み終えると驚いた様子で私を見上げた。
「あの家で宿?!」
「違う、違う、あの家はボロすぎる」
と私は笑いながら手を振る。
「おまえをあの家の持ち主にすれば俺は助かると考えて、沙都が家の主になると言わせてしまった…」
紅太郎は顔を青ざめ、すまなさそうにする。
「やっぱり……勝手に口が動くからおかしいと思ってん、あの家ボロすぎるから無理、無理。壊して新しく建てるとなるとお金がかかるやろ、立地は最高やけどね~」
「そ、そうだ!!俺の力が回復したらあの家を新しく綺麗に復活出来るぞ」
「ど、どういうこと??」
「長年、あの家には俺の妖力がしみついているから容易く変化できる。沙都から力を拝借すれば俺の妖力も復活できる」
「力を拝借?!」
「沙都の持つ霊力は高い!かなり強い力だ。その力を得たから俺は復活出来たんだ」
「力…=生命力…」
私は力を奪われることで老婆のように皺くちゃになってしまうことを想像して怪訝そうな表情をすると紅太郎は私の考えを悟ったのか説明を加えた。
「沙都のもつ力は渾々と溢れていて、俺が吸収しても次々に産み出されている!安心しろ、あと生命力は頂いてない」
「ほんま?!良かった…」
「おまえの血筋に霊力の高い奴がいたのか??それとも俺を封印した奴らの一族なのか……」
「多分君を封印した人達は陰陽師やろうけど、ないわ、ない、ない、お母さんから聞いたことないな~妖怪や陰陽師はドラマや小説で見たり、読んだりして知ってるけど…」
「ドラマ?小説?」
不思議そうに首を傾げる狐にテレビのスイッチをつけてチャンネルを選び、ドラマを教えてやる。
「うわっ!板の中に人がいる?!」
「これは映像と言って、人が演じている内容を電波で流して見ることが出来るの。板の中にも人はいないし、このスマートフォンを観てごらん、この小さな板で遠くから送られてくる映像を受け取って見ることが出来るんだよ」
「す、すごい……人間は妖を超えた…」
小さな狐は目をキラキラさせながら、テレビとスマートフォンを見ている。そんな姿が可愛いと感じた私は子供向けのアニメのチャンネルを見せてやると大喜びで紅太郎は観だす。
「新しくできるならあの家に決めるか…」
あのボロ家が新しくできるなら立地も抜群の物件の契約を進めてもありだと確信する。その後、私は反対する友人佳子を説得し、あのボロ家の契約を済ませ、学校を退職することにしたのだ。
「私ね、仕事や人間関係に疲れちゃて、心機一転、宿でも営みながらのんびり暮らそうかなぁと思ってね、中古の宿を探してる最中に君を見つけたんよ」
紅太郎はミルクを飲み終えると驚いた様子で私を見上げた。
「あの家で宿?!」
「違う、違う、あの家はボロすぎる」
と私は笑いながら手を振る。
「おまえをあの家の持ち主にすれば俺は助かると考えて、沙都が家の主になると言わせてしまった…」
紅太郎は顔を青ざめ、すまなさそうにする。
「やっぱり……勝手に口が動くからおかしいと思ってん、あの家ボロすぎるから無理、無理。壊して新しく建てるとなるとお金がかかるやろ、立地は最高やけどね~」
「そ、そうだ!!俺の力が回復したらあの家を新しく綺麗に復活出来るぞ」
「ど、どういうこと??」
「長年、あの家には俺の妖力がしみついているから容易く変化できる。沙都から力を拝借すれば俺の妖力も復活できる」
「力を拝借?!」
「沙都の持つ霊力は高い!かなり強い力だ。その力を得たから俺は復活出来たんだ」
「力…=生命力…」
私は力を奪われることで老婆のように皺くちゃになってしまうことを想像して怪訝そうな表情をすると紅太郎は私の考えを悟ったのか説明を加えた。
「沙都のもつ力は渾々と溢れていて、俺が吸収しても次々に産み出されている!安心しろ、あと生命力は頂いてない」
「ほんま?!良かった…」
「おまえの血筋に霊力の高い奴がいたのか??それとも俺を封印した奴らの一族なのか……」
「多分君を封印した人達は陰陽師やろうけど、ないわ、ない、ない、お母さんから聞いたことないな~妖怪や陰陽師はドラマや小説で見たり、読んだりして知ってるけど…」
「ドラマ?小説?」
不思議そうに首を傾げる狐にテレビのスイッチをつけてチャンネルを選び、ドラマを教えてやる。
「うわっ!板の中に人がいる?!」
「これは映像と言って、人が演じている内容を電波で流して見ることが出来るの。板の中にも人はいないし、このスマートフォンを観てごらん、この小さな板で遠くから送られてくる映像を受け取って見ることが出来るんだよ」
「す、すごい……人間は妖を超えた…」
小さな狐は目をキラキラさせながら、テレビとスマートフォンを見ている。そんな姿が可愛いと感じた私は子供向けのアニメのチャンネルを見せてやると大喜びで紅太郎は観だす。
「新しくできるならあの家に決めるか…」
あのボロ家が新しくできるなら立地も抜群の物件の契約を進めてもありだと確信する。その後、私は反対する友人佳子を説得し、あのボロ家の契約を済ませ、学校を退職することにしたのだ。
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