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129th VIP専用賭博場へご案内
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賭博場の奥へと案内された俺たち。
警戒はしているが、今のところ襲ってきたりする気配はない。
ただものじゃない事は明らかだし、襲われたとしてもBOSで構築された体だ。
命に関わる事は無いし、それにレットちゃんや俺たちの動きを見ていたからわかるだろうが、常人の
動きではないのは明らか。
「こちらから地下へ降ります」
部屋内に入ると無音で下へ降りていく。
いかにも隠れて何かしてますっていう作りだ。
地上であれば犯罪は見つけやすいが、地下のいたるところまで犯罪を抑止できる機能は
ないようだ。
月ではそうはいかないが……だからこそ惑星シドーでの核取引を行おうとしたのだろうか。
「到着までに提案がございます。チップの量が膨大なため、より高度な遊びへと挑戦してみては
いかがでしょうか? 地下には地上部分よりもっとスリリングな賭博が楽しめる施設がありましてね……
そちらのレートは地上のチップ十万枚で一枚のチップです」
「わかった」
「お迷いになるのも当然ですが……えっ?」
「いいぜ。百万枚で一枚なら二千と数百枚くらいか。三人で千枚ずつ分けるにはちょっと足りないな」
「んー、お腹空いたからご飯食べたいなぁ。ある?」
「え、ええ。勿論用意してございます。そちらは無料でお召し上がりください。
「またリールを止めればいいの」
「いえ、地下にはジャックポットはございません。あるのは……単純なカードゲーム、メダルゲーム、それと
ダーツゲームです」
「話のついでだ。お前は関係者のようだから告げるが、勝ったチップの端数……いや、この際二千枚の十万チップ以外を使用して取引相手を探して欲しい。いるだろ? この下に」
俺は偽核をわずかにチラ見させると、男の顔が真っ青になって悲鳴をあげる。
断った場合は俺たちを始末する依頼も受けていたのかもしれない。
当然本物なんて持ち運ぶような代物じゃないが、あえてそれっぽい入れ物を模し、核のマークハザードシンボルに催したものまで使用してある。当然よく見れば違う事はわかるのだが……。
「わ、わかりました。しかし本当によろしいのですか? 五百七十二万六千七百チップにも
なるのですが」
「それだけ真剣な取引ということだ。それだけじゃ不足か?」
「十分です。必ず報告いたしますので。その……お名前を伺っても?」
「名前か……俺は怖いヨーンだ」
「……承知しました。取り次ぐまではどうぞ、遊戯をお楽しみください」
目的地に着くと、これでもかと言うほど悪そうなやつらがゴロゴロいた。
地上の賭博場との違いは、スペースの狭さと客の量、それに置かれている物品などの質がけた違いにいいという事。
それとバーカウンターが十か所以上ある。
酒を交えながら商談をしているように見受けられる者もいた。
「雰囲気が別世界だな。これが裏の顔部分ってやつかな?」
「ねぇねぇ、あのお店がいい! あっちいこうよぉ!」
「わかったって。ここに通された時点で食事は無料っぽいから、好きなもの食べればいい」
「ぃやったぁー! それじゃ遊戯は二人に任せるね。ニッキィは一杯食べてくるから!」
「私もニッキィについていく」
「え? お、おい。後は俺でどうにかしろと? ここはまたレットちゃんの出番なのに!」
二人は軽食を取れそうなお店に入っていく。
チェーン店などではないようだが、この中では一番質素でシンプルだ。
ニッキィはこの星の高級料理とかは食べ飽きているのかもな。
地下に降りる時にいたやつは報告で去ってしまったが、受付カウンターに向かうよう
言われていたので、直ぐに受付へと向かった。
「お待ちしておりました。怖いヨーン様。こちらがこのフロアでお使いいただけるチップです。
重いのでお気をつけて」
渡されたチップというより渡されたカードは、純金で出来たカードだった。
そこには2000TIPSと数字が刻まれており、カード自体がとても重い。
「pullマークを押し、数字を入力すると指定枚数そのカードから払い出しされます。
しまう時もカードへ流し込めますので、ご安心ください。チップ自体はプラチナで出来ております。チップ
そのものの美しさを楽しんでいただいても結構です」
「わかった」
「ご健闘を」
丁寧にお辞儀する無表情な女性。これは多分本物の人型だな。
さて……レットちゃんたちはいないが、俺がいいところを見せる時だな!
警戒はしているが、今のところ襲ってきたりする気配はない。
ただものじゃない事は明らかだし、襲われたとしてもBOSで構築された体だ。
命に関わる事は無いし、それにレットちゃんや俺たちの動きを見ていたからわかるだろうが、常人の
動きではないのは明らか。
「こちらから地下へ降ります」
部屋内に入ると無音で下へ降りていく。
いかにも隠れて何かしてますっていう作りだ。
地上であれば犯罪は見つけやすいが、地下のいたるところまで犯罪を抑止できる機能は
ないようだ。
月ではそうはいかないが……だからこそ惑星シドーでの核取引を行おうとしたのだろうか。
「到着までに提案がございます。チップの量が膨大なため、より高度な遊びへと挑戦してみては
いかがでしょうか? 地下には地上部分よりもっとスリリングな賭博が楽しめる施設がありましてね……
そちらのレートは地上のチップ十万枚で一枚のチップです」
「わかった」
「お迷いになるのも当然ですが……えっ?」
「いいぜ。百万枚で一枚なら二千と数百枚くらいか。三人で千枚ずつ分けるにはちょっと足りないな」
「んー、お腹空いたからご飯食べたいなぁ。ある?」
「え、ええ。勿論用意してございます。そちらは無料でお召し上がりください。
「またリールを止めればいいの」
「いえ、地下にはジャックポットはございません。あるのは……単純なカードゲーム、メダルゲーム、それと
ダーツゲームです」
「話のついでだ。お前は関係者のようだから告げるが、勝ったチップの端数……いや、この際二千枚の十万チップ以外を使用して取引相手を探して欲しい。いるだろ? この下に」
俺は偽核をわずかにチラ見させると、男の顔が真っ青になって悲鳴をあげる。
断った場合は俺たちを始末する依頼も受けていたのかもしれない。
当然本物なんて持ち運ぶような代物じゃないが、あえてそれっぽい入れ物を模し、核のマークハザードシンボルに催したものまで使用してある。当然よく見れば違う事はわかるのだが……。
「わ、わかりました。しかし本当によろしいのですか? 五百七十二万六千七百チップにも
なるのですが」
「それだけ真剣な取引ということだ。それだけじゃ不足か?」
「十分です。必ず報告いたしますので。その……お名前を伺っても?」
「名前か……俺は怖いヨーンだ」
「……承知しました。取り次ぐまではどうぞ、遊戯をお楽しみください」
目的地に着くと、これでもかと言うほど悪そうなやつらがゴロゴロいた。
地上の賭博場との違いは、スペースの狭さと客の量、それに置かれている物品などの質がけた違いにいいという事。
それとバーカウンターが十か所以上ある。
酒を交えながら商談をしているように見受けられる者もいた。
「雰囲気が別世界だな。これが裏の顔部分ってやつかな?」
「ねぇねぇ、あのお店がいい! あっちいこうよぉ!」
「わかったって。ここに通された時点で食事は無料っぽいから、好きなもの食べればいい」
「ぃやったぁー! それじゃ遊戯は二人に任せるね。ニッキィは一杯食べてくるから!」
「私もニッキィについていく」
「え? お、おい。後は俺でどうにかしろと? ここはまたレットちゃんの出番なのに!」
二人は軽食を取れそうなお店に入っていく。
チェーン店などではないようだが、この中では一番質素でシンプルだ。
ニッキィはこの星の高級料理とかは食べ飽きているのかもな。
地下に降りる時にいたやつは報告で去ってしまったが、受付カウンターに向かうよう
言われていたので、直ぐに受付へと向かった。
「お待ちしておりました。怖いヨーン様。こちらがこのフロアでお使いいただけるチップです。
重いのでお気をつけて」
渡されたチップというより渡されたカードは、純金で出来たカードだった。
そこには2000TIPSと数字が刻まれており、カード自体がとても重い。
「pullマークを押し、数字を入力すると指定枚数そのカードから払い出しされます。
しまう時もカードへ流し込めますので、ご安心ください。チップ自体はプラチナで出来ております。チップ
そのものの美しさを楽しんでいただいても結構です」
「わかった」
「ご健闘を」
丁寧にお辞儀する無表情な女性。これは多分本物の人型だな。
さて……レットちゃんたちはいないが、俺がいいところを見せる時だな!
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