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125th 勝ったのは誰? 

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 次々と迫り来る障害物を破壊しては進みを繰り返す単調な作業……ではなく
既に観客では変な声が沢山上がっていた。

「凄い! かつてない戦いになりました! 美しい、可愛い、ちょっとえろいの三つ巴の
戦いです! 尻尾ワン選手、美しい脚を見せつける飛び蹴りで向かってくる虫たちを撃退していきます! 
少女ツーは障害物に落書きを始めた!? 可愛い絵を描いています! そして何といっても赤釘スリー! 
障害物を舐めないでください!」

 大歓声のなか、俺と五リラさんは必死に障害物を避け、破壊し、真面目に作業を勤しんでいた。
 そこに生まれたのは同調性。
 互いで親指を立てながら励ましあい、迫る障害を乗り越えていく。

「さて、このままでは終わりません。ステージを一気に難しくします。難易度ヘル! 
障害物が六百六十六倍になります!」
『はい?』

 司会がそう告げた瞬間……落書きをしていた少女ツーは落書きした障害ブロックごと押し流され、ちょっと
えろく障害物ででてきた果物を舐めていた赤釘スリーも大量の果物障害物に押し流されて失格。
 そして真面目にこなしていた五リラと怖いヨーンも攻略に追われることになる。

「うおおおお! 何だよ六百六十六倍って! 桁がおかしいだろ!」
「頑張れ相棒! 俺も負けん! 例え五リラとののしられようとも!」
『うおおおおおおお!』
「二人とも楽しそうね」

 だが俺と五リラとは裏腹に、どう見ても余裕でこなすやつがいた。
 そう、尻尾ワン。
 ずば抜けた身体能力を持つだけじゃない。
 まるで疲れていないのだ。
 これには客の盛大過ぎる大歓声が起こる。

 目にもとまらぬ速さで上段の拳、下段の回し蹴り、中断の回し蹴りから左右破壊、飛び蹴り、裏拳、回
し蹴りとどんどん連続技を繋げていく。

「凄い凄い凄いー! 尻尾ワン選手、本気を見せました! 目にもとまらぬ速さです! 
ついでに参加している怖いヨーン選手と五リラ選手がかすんで見えます!」
『ついで……』
「これはもう大勢決したでしょうか? まだ終わらないんですか、そっちの選手!」
「なんか俄然」
「やる気出てきたぞ! 負けてたまるかーーー!」

 俺と五リラは尻尾ワンの動きに負けないよう、派手なパフォーマンスの動きを見せる。
 しかし体力尽きたか五リラ選手はあえなく撃沈。

 ここまで来れば……後は思い切り尻尾ワンを目立たせればいいな! 

「おらおらどうした! この程度ならずっと続けられるぜ! 難易度ヘル? 大した事ねーな! 
もっと上はねーのかよ!」
「ここにきて怖いヨーン選手が恐怖の挑発です! これはもしかして……上はあるのかぁー!?」
「嘘でしょぉ? これ以上速かったら対応できないでしょ二人ともぉ!」
「あるそうです! 非公開、人知を超えた難易度、マストダイ! マストダイモードへ移行します! 
なんと……ヘルモードの倍!? これはー!」

 一気にぐちゃぐちゃな障害物が押し寄せてくる。何だこれ。見てる方が気持ち悪くなりそうな物量だ。
 拳を振るっても貫通出来ないほどぐっちゃりと障害物がある。
 わずかな隙間目掛けて体をねじらせ、削ろうとするが……無理だ。

「マストダイじゃなくてパーフェクトダイだろ、これ!」
「あーっと怖いヨーン選手、脱落! しかし! なんとまだ競技を続けております! 
尻尾ワン選手! 分厚い障害物を粉微塵に吹き飛ばしております! 真に怖い選手はこの選手でしたー!」
「まだ終わらないの」
「終了、終了です! 優勝は尻尾ワン選手……そして、目だった一番の選手も尻尾ワン選手です!」
「納得いかないんだけど! 何で突然モードが切り替わるのよ! ちゃんとタイミングわかってれば
対応できたわよ!」
「これはどうやら赤釘スリー選手が抗議をしているようです。審査員も困惑しております!」
「ですが……一応規定でしてね。おほ……いやぁ、その。眼だった選手の方なら、もう少しやっても
いいかなー……へへへ。第二ラウンド! 尻尾ワン選手対赤釘スリー選手の仮想ボクシング対決を行います! 
勝者が最も目立った選手として、リール権を得る事にします!」

 ……色仕掛けしやがった……しかしあの女も目立っていたのは事実。
 ここはレットちゃんに頑張ってもらうしかない! 
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