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115th 銅像前の広場
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「まさかこんなところに隠されてたなんて、これじゃ全然気付かないよね?」
「そうだな。隠してるっていうより堂々と見せてるし」
「これが核なの」
俺たちは三人の会話内容を聞いて、既に目的地へと先回りしていた。
そこは広場の中心地で、中央にある謎の変な銅像……のようなものの前に来ている。
あいつらが解読して指し示した場所がここ……つまりこの銅像そのものの事を言っている。
木を隠すなら森の中……じゃないのか? これだと隠しているとは言えない。
しかしだからこそ気付かないのかもしれない。
「でも、これ自体が核ってわけじゃないよね?」
「わからないな……ジェフさんにもまず現地で確認してから判断するって言ってたし。少し近づいて
探ってみよう。あいつらは後どれくらいでくるんだ?」
「まだ時間はかかると思う。作戦大成功だね!」
「そううまくいけばいいんだけど……あれ? レットちゃんはどうした?」
「んー? さっきまでそこにいたのに……」
現在銅像の前は人通りが多く、出店も多く出ている。
この時期は祭りごとが多くあり、多くの宇宙から様々な種族が押し寄せる。
つまりCCにとっては動きやすい状況を作りやすいということだ。
「これはどんな味なの」
「ん? お嬢さん食べたこと無いのかい? これはバヌ焼きっていう食べ物でね。
遠い昔に海中に生息していたタコって生き物が進化した生物のぶつ切りを入れた食べ物だ。
外はカリっと中はふわー……そしてコリコリとした味わい深いバヌの触感を楽しみ、喉を通れば
そいつの吸盤が、喉に付着した遺物を食べてくれちまうっていう最高の食べ物だぜ!」
「ゴクリ……欲しい」
「おう、今なら八個入りで銀貨一枚だが……お嬢さんだし十二個で銀貨一枚にしとくぜ」
「銀貨……任務報告でもらった。これ」
「おう毎度! アツアツのうちに食べてくんな!」
レットちゃんを発見すると、はむはむとバヌ焼きを食べていた。
「美味しい……」
「そうだろう? 昔はこの辺りでもよくバヌが取れたんだが、最近はどうもいけねえ。
地球にゃもっと多くのバヌがいるはずだけどよ。あんな状況じゃ立ち入ることも許されんからな。
早くどうにかしてもらいたいもんだぜ」
「地球がどうにかなれば、これをもっといっぱい食べれるようになるのね」
「そういうこった。頑張って欲しいもんだねえ。惑星シドーと地球人との繋がりは強い。
いわば兄弟惑星みたいなもんだ。早く復興してもらいてえもんだな。ガッハッハ……あれ?」
バヌ焼きの店主が腕を組んで笑っていると、いつの間にかバヌ焼きを食べていた
お嬢さんはいなくなっていた。
「ねえ。ほっぺにソースがついてるんだけどぉ?」
「美味しかった」
「ずるいー! ニッキィもお腹空いてきたぁ。紫電、早く何か食べようよぉ」
「食べにきたんじゃない。任務できたんだぞ! ぐるりと銅像の周りを一周してみたけど、怪しいところは
何もないし、これ自体が核ってことは無さそうだ。そうすると一体どこに……盗聴器からの反応も
歩く音以外しないな」
「様子を見るしかないんじゃないのぉ? だから食べ物ぉ!」
「いや……どうやら向こうもここへ着いたみたいだ。やはり入手したところを抑えるしかないか」
「わかった。様子を見るのね」
「ニッキィもバヌ焼き食べるぅ! 食べる食べる食べるぅー!」
「わかったって! レットちゃん。ニッキィを連れて店に行ってて。俺はベンチから少し様子を伺ってるから」
「私はあっちを食べたい」
「あー! 金貨焼き! あっちにしよ!」
「……おかしいな、任務途中だったのにお祭りに来た気分だ……」
「そうだな。隠してるっていうより堂々と見せてるし」
「これが核なの」
俺たちは三人の会話内容を聞いて、既に目的地へと先回りしていた。
そこは広場の中心地で、中央にある謎の変な銅像……のようなものの前に来ている。
あいつらが解読して指し示した場所がここ……つまりこの銅像そのものの事を言っている。
木を隠すなら森の中……じゃないのか? これだと隠しているとは言えない。
しかしだからこそ気付かないのかもしれない。
「でも、これ自体が核ってわけじゃないよね?」
「わからないな……ジェフさんにもまず現地で確認してから判断するって言ってたし。少し近づいて
探ってみよう。あいつらは後どれくらいでくるんだ?」
「まだ時間はかかると思う。作戦大成功だね!」
「そううまくいけばいいんだけど……あれ? レットちゃんはどうした?」
「んー? さっきまでそこにいたのに……」
現在銅像の前は人通りが多く、出店も多く出ている。
この時期は祭りごとが多くあり、多くの宇宙から様々な種族が押し寄せる。
つまりCCにとっては動きやすい状況を作りやすいということだ。
「これはどんな味なの」
「ん? お嬢さん食べたこと無いのかい? これはバヌ焼きっていう食べ物でね。
遠い昔に海中に生息していたタコって生き物が進化した生物のぶつ切りを入れた食べ物だ。
外はカリっと中はふわー……そしてコリコリとした味わい深いバヌの触感を楽しみ、喉を通れば
そいつの吸盤が、喉に付着した遺物を食べてくれちまうっていう最高の食べ物だぜ!」
「ゴクリ……欲しい」
「おう、今なら八個入りで銀貨一枚だが……お嬢さんだし十二個で銀貨一枚にしとくぜ」
「銀貨……任務報告でもらった。これ」
「おう毎度! アツアツのうちに食べてくんな!」
レットちゃんを発見すると、はむはむとバヌ焼きを食べていた。
「美味しい……」
「そうだろう? 昔はこの辺りでもよくバヌが取れたんだが、最近はどうもいけねえ。
地球にゃもっと多くのバヌがいるはずだけどよ。あんな状況じゃ立ち入ることも許されんからな。
早くどうにかしてもらいたいもんだぜ」
「地球がどうにかなれば、これをもっといっぱい食べれるようになるのね」
「そういうこった。頑張って欲しいもんだねえ。惑星シドーと地球人との繋がりは強い。
いわば兄弟惑星みたいなもんだ。早く復興してもらいてえもんだな。ガッハッハ……あれ?」
バヌ焼きの店主が腕を組んで笑っていると、いつの間にかバヌ焼きを食べていた
お嬢さんはいなくなっていた。
「ねえ。ほっぺにソースがついてるんだけどぉ?」
「美味しかった」
「ずるいー! ニッキィもお腹空いてきたぁ。紫電、早く何か食べようよぉ」
「食べにきたんじゃない。任務できたんだぞ! ぐるりと銅像の周りを一周してみたけど、怪しいところは
何もないし、これ自体が核ってことは無さそうだ。そうすると一体どこに……盗聴器からの反応も
歩く音以外しないな」
「様子を見るしかないんじゃないのぉ? だから食べ物ぉ!」
「いや……どうやら向こうもここへ着いたみたいだ。やはり入手したところを抑えるしかないか」
「わかった。様子を見るのね」
「ニッキィもバヌ焼き食べるぅ! 食べる食べる食べるぅー!」
「わかったって! レットちゃん。ニッキィを連れて店に行ってて。俺はベンチから少し様子を伺ってるから」
「私はあっちを食べたい」
「あー! 金貨焼き! あっちにしよ!」
「……おかしいな、任務途中だったのにお祭りに来た気分だ……」
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