97 / 130
98th 姉の行動予測不能
しおりを挟む
結局チップ類を復元して三日前の状態へと戻すと、自由に動けるようになった。
つまりあの基地内で起こっていた現象の何かが移動疎外をしていた事になる。
黒いモヤのようなものは相変わらずその地点で発生したままだったが……あの絵と何か
関係のある場所なのだろうか。
辺りは確かに火山地帯だが……ここの事は報告しておく必要があるだろう。
「そっちの機械はどう? 動くようになったぁー?」
「ハイ。まもなく動かせると思いマス」
「随分と余計な時間を食ったな。急いで基地まで戻ろう」
「準備完了デス。直ぐに発進いたしマス」
俺たちはメデスマグナ三号へ乗り込むと、再び勢いよく走りだす。
未知の惑星で何の防衛処置もなく、一つ所に留まり続けるのは命を捨てるようなものだ。
帰り道はセイソーの提案で、メデスマグナ三号に搭載されている角部分……この星の生命体の
武器だが、これを使用してみることに。
速度を落とし岩石に突撃してみると、ずぶりと突き刺さった。
岩がまるでバターに突き刺したかのように深々と刺さる。
「マスター。回転させてみてクダサイ」
「こうか?」
ギュルギュルと高速回転すると、突き刺した岩がはじけ飛ぶ。
そのまま速度をゆっくり上げて前進すると、岩を掘って進む事が出来た。
「こりゃすごい。岩石の中を調査できるのか、これ」
「そのようデスネ。まだ実験段階デショウ。しかしこれがあれば新しい鉱脈の発見が出来るかもしれまセン。
ミシーハ博士、凄いデスネ」
「ねえねえ。ミシーハ博士いるの? いないの? いるならサイン欲しい!」
「えっと……」
「ミシーハ博士はおりまセン。断じておりまセン」
「ええー。本当かなぁー。ニッキーの女の勘がここにいるー! っていってるんだよねぇ」
「と、とりあえずパープラー隊長に報告しよう。出来れば擦り付けたい……」
「ん? 何か言ったぁ?」
「何も言ってない……ちょ、首を絞めるなって! 暴れるな!」
「ええー。だって退屈なんだもん。ニッキー早く遊びたいー!」
「ニッキー様は元気が有り余ってマスネ。まず基地に着いたらお食事デモ」
「そういえばお腹すいたぁー。エレットぉー、早くぅー!」
「苦しい……やめてくれ……」
首を絞められつつ急いで基地まで向かうと、上空付近に着く。
しかしハッチが開かない。困ったな……。
「もしかしてメデスマグナ三号に付いてた装置って、ここのハッチを開けたりするやつだったのか?」
「そうかもしれマセン。何かしらのセンサーのようなものでショウカ? それが移動阻害をしていた
可能性はありまスネ」
「えー? 入れないのぉー? どうするのー!?」
「いや、大丈夫みたいだ。開いたぞ……あ……これは言い逃れもうできないな」
ハッチが開き浮上してきたのは、ミシーハ博士のアルバ。
なんていうタイミングで出てくるんだ……。しかも手の上に乗っているのは紛れもなくミシーハ博士。
こちらへ向けて両手を振っている。
「マスター、どうしまショウ」
「思考停止していいかな。俺、疲れてきたよ」
「ええー!? 何あれ!? エレット! 何あれー! 楽しそう。誰か乗ってる!
白衣? あれってミシーハ博士? いるじゃーーん! エレットとセイソーの嘘つきーー!」
つまりあの基地内で起こっていた現象の何かが移動疎外をしていた事になる。
黒いモヤのようなものは相変わらずその地点で発生したままだったが……あの絵と何か
関係のある場所なのだろうか。
辺りは確かに火山地帯だが……ここの事は報告しておく必要があるだろう。
「そっちの機械はどう? 動くようになったぁー?」
「ハイ。まもなく動かせると思いマス」
「随分と余計な時間を食ったな。急いで基地まで戻ろう」
「準備完了デス。直ぐに発進いたしマス」
俺たちはメデスマグナ三号へ乗り込むと、再び勢いよく走りだす。
未知の惑星で何の防衛処置もなく、一つ所に留まり続けるのは命を捨てるようなものだ。
帰り道はセイソーの提案で、メデスマグナ三号に搭載されている角部分……この星の生命体の
武器だが、これを使用してみることに。
速度を落とし岩石に突撃してみると、ずぶりと突き刺さった。
岩がまるでバターに突き刺したかのように深々と刺さる。
「マスター。回転させてみてクダサイ」
「こうか?」
ギュルギュルと高速回転すると、突き刺した岩がはじけ飛ぶ。
そのまま速度をゆっくり上げて前進すると、岩を掘って進む事が出来た。
「こりゃすごい。岩石の中を調査できるのか、これ」
「そのようデスネ。まだ実験段階デショウ。しかしこれがあれば新しい鉱脈の発見が出来るかもしれまセン。
ミシーハ博士、凄いデスネ」
「ねえねえ。ミシーハ博士いるの? いないの? いるならサイン欲しい!」
「えっと……」
「ミシーハ博士はおりまセン。断じておりまセン」
「ええー。本当かなぁー。ニッキーの女の勘がここにいるー! っていってるんだよねぇ」
「と、とりあえずパープラー隊長に報告しよう。出来れば擦り付けたい……」
「ん? 何か言ったぁ?」
「何も言ってない……ちょ、首を絞めるなって! 暴れるな!」
「ええー。だって退屈なんだもん。ニッキー早く遊びたいー!」
「ニッキー様は元気が有り余ってマスネ。まず基地に着いたらお食事デモ」
「そういえばお腹すいたぁー。エレットぉー、早くぅー!」
「苦しい……やめてくれ……」
首を絞められつつ急いで基地まで向かうと、上空付近に着く。
しかしハッチが開かない。困ったな……。
「もしかしてメデスマグナ三号に付いてた装置って、ここのハッチを開けたりするやつだったのか?」
「そうかもしれマセン。何かしらのセンサーのようなものでショウカ? それが移動阻害をしていた
可能性はありまスネ」
「えー? 入れないのぉー? どうするのー!?」
「いや、大丈夫みたいだ。開いたぞ……あ……これは言い逃れもうできないな」
ハッチが開き浮上してきたのは、ミシーハ博士のアルバ。
なんていうタイミングで出てくるんだ……。しかも手の上に乗っているのは紛れもなくミシーハ博士。
こちらへ向けて両手を振っている。
「マスター、どうしまショウ」
「思考停止していいかな。俺、疲れてきたよ」
「ええー!? 何あれ!? エレット! 何あれー! 楽しそう。誰か乗ってる!
白衣? あれってミシーハ博士? いるじゃーーん! エレットとセイソーの嘘つきーー!」
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
No One's Glory -もうひとりの物語-
はっくまん2XL
SF
異世界転生も転移もしない異世界物語……(. . `)
よろしくお願い申し上げます
男は過眠症で日々の生活に空白を持っていた。
医師の診断では、睡眠無呼吸から来る睡眠障害とのことであったが、男には疑いがあった。
男は常に、同じ世界、同じ人物の夢を見ていたのだ。それも、非常に生々しく……
手触り感すらあるその世界で、男は別人格として、「採掘師」という仕事を生業としていた。
採掘師とは、遺跡に眠るストレージから、マップや暗号鍵、設計図などの有用な情報を発掘し、マーケットに流す仕事である。
各地に点在する遺跡を巡り、時折マーケットのある都市、集落に訪れる生活の中で、時折感じる自身の中の他者の魂が幻でないと気づいた時、彼らの旅は混迷を増した……
申し訳ございませんm(_ _)m
不定期投稿になります。
本業多忙のため、しばらく連載休止します。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/sf.png?id=74527b25be1223de4b35)
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる