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96th 閉じ込められた?
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「マスター。大変デス。どうやらこの黒い空間に閉じ込められたようデス」
「どういうことだ? そういえばさっきから凄い速度で走ってるのに
まったく移動していないように見えるけど」
「同じ場所をループして動いているようデス。これは宇宙空間に近い場所のヨウデス」
「なんだって? でもここは惑星アルバメデスだろ?」
「わかりマセン。脱出方法を急ぎ検討シマス」
まさかニッキーを乗せている時にこんな事になるとは。
ニッキーが怖がっているかもしれない。
「ええー。早く進もうよ、時間がもったいないよー」
「全然怖がってないな……しかしなんで突然こんな……上空には何も起こってない
ように見えるし。同じ場所をループする仕組み? うーん」
「上空じゃなくて地面なんじゃなぁーい?」
「地面? 空を飛んでいるのにか?」
「空を飛んでいるから地面の何かに狙われたんじゃないの? 上飛んでたら狙うでしょ?
エレットだって」
「それもゲームの話だよな……でもそうか。ここにいる未知の生命体ならそうするか……
セイソー。地表に何かいるか? 感知できるものは?」
「確認しまシタガ、見当たりマセン。着陸シマスカ?」
「ああ。このままここでこうしていても先に進めないだろ。危険だけど
ニッキーの強さは本物だし、降りて調べてみよう」
「ここでじっとしてるとじいじが来ちゃいそうだしねー。いこいこっ。にしししーっ」
着陸すると直ぐに周囲を警戒する。
地面に触れてみるが今のところは何の反応もない。
そして……歩いてもやはり進んでいる感じはしない。
「本当不思議だな、これ。まるでグルグル回る地球儀の上でも歩いてるような……」
「それだよーっ! きっと。ニッキーわかっちゃったかも。
ねえねえエレット。これ持ってて」
そう言うとニッキーは、可愛いピンク色の高級背負いリュック式バッグを押し付けてくる。
これまたピンク色のグローブをぎゅっと絞り、拳を確認して……思い切り地面を打ち付けた!
「えーいっ! もう一発! シドー最新式衝撃一万倍増しグローブ!」
ドゴォーーーンという強烈な地響きとともに、地面がめりめりと割れる。
衝撃一万倍増しって何なんだ一体。
そんなグローブで殴られたら人体は粉々だ。
なんて危ない物を普段使いしているのだろうか。
しかし割れた地面からは何が出てくるわけでもない。
それでもニッキーはそこら中の地面を割っていく。
「よし、これくらいでいいかなーっ。
それじゃエレット。私の方へ歩いてきて?」
「大した距離じゃないけど、歩けばいいのか?」
「うん。答えが見えてくるはずだよー?」
ゆっくりとニッキーの方へ歩いていく。あれ? やっぱり進まないな」
ニッキーは確かに動いていたけど、
「セイソー、歩いてきてー?」
「ハイ」
セイソーはすたすたと小さな体をゆすりながらも、ニッキーのところへ歩いていき、肩に乗せられる。
「止められてるのはエレットとその乗り物だっ!」
「どういうこと?」
「対象物を固定する何かの力じゃなーい? イベントとかでもあったでしょ?
特定の条件を満たす人だけ動けなくなるやつ! あれじゃなーい?」
「でもあれはゲームで……いや、ゲームといっても人工的に作り出せる力か。
そういう力が未知の星にあっても不思議じゃないってこと?」
「せいかーい! ニッキーとセイソーで原因を探すから、大人しくエレットは
待ってて!」
なんだか案内役がそうそうにやられてリタイアした……という感じがして
嫌なんだけど、ここはニッキーに任せてみるか。
「どういうことだ? そういえばさっきから凄い速度で走ってるのに
まったく移動していないように見えるけど」
「同じ場所をループして動いているようデス。これは宇宙空間に近い場所のヨウデス」
「なんだって? でもここは惑星アルバメデスだろ?」
「わかりマセン。脱出方法を急ぎ検討シマス」
まさかニッキーを乗せている時にこんな事になるとは。
ニッキーが怖がっているかもしれない。
「ええー。早く進もうよ、時間がもったいないよー」
「全然怖がってないな……しかしなんで突然こんな……上空には何も起こってない
ように見えるし。同じ場所をループする仕組み? うーん」
「上空じゃなくて地面なんじゃなぁーい?」
「地面? 空を飛んでいるのにか?」
「空を飛んでいるから地面の何かに狙われたんじゃないの? 上飛んでたら狙うでしょ?
エレットだって」
「それもゲームの話だよな……でもそうか。ここにいる未知の生命体ならそうするか……
セイソー。地表に何かいるか? 感知できるものは?」
「確認しまシタガ、見当たりマセン。着陸シマスカ?」
「ああ。このままここでこうしていても先に進めないだろ。危険だけど
ニッキーの強さは本物だし、降りて調べてみよう」
「ここでじっとしてるとじいじが来ちゃいそうだしねー。いこいこっ。にしししーっ」
着陸すると直ぐに周囲を警戒する。
地面に触れてみるが今のところは何の反応もない。
そして……歩いてもやはり進んでいる感じはしない。
「本当不思議だな、これ。まるでグルグル回る地球儀の上でも歩いてるような……」
「それだよーっ! きっと。ニッキーわかっちゃったかも。
ねえねえエレット。これ持ってて」
そう言うとニッキーは、可愛いピンク色の高級背負いリュック式バッグを押し付けてくる。
これまたピンク色のグローブをぎゅっと絞り、拳を確認して……思い切り地面を打ち付けた!
「えーいっ! もう一発! シドー最新式衝撃一万倍増しグローブ!」
ドゴォーーーンという強烈な地響きとともに、地面がめりめりと割れる。
衝撃一万倍増しって何なんだ一体。
そんなグローブで殴られたら人体は粉々だ。
なんて危ない物を普段使いしているのだろうか。
しかし割れた地面からは何が出てくるわけでもない。
それでもニッキーはそこら中の地面を割っていく。
「よし、これくらいでいいかなーっ。
それじゃエレット。私の方へ歩いてきて?」
「大した距離じゃないけど、歩けばいいのか?」
「うん。答えが見えてくるはずだよー?」
ゆっくりとニッキーの方へ歩いていく。あれ? やっぱり進まないな」
ニッキーは確かに動いていたけど、
「セイソー、歩いてきてー?」
「ハイ」
セイソーはすたすたと小さな体をゆすりながらも、ニッキーのところへ歩いていき、肩に乗せられる。
「止められてるのはエレットとその乗り物だっ!」
「どういうこと?」
「対象物を固定する何かの力じゃなーい? イベントとかでもあったでしょ?
特定の条件を満たす人だけ動けなくなるやつ! あれじゃなーい?」
「でもあれはゲームで……いや、ゲームといっても人工的に作り出せる力か。
そういう力が未知の星にあっても不思議じゃないってこと?」
「せいかーい! ニッキーとセイソーで原因を探すから、大人しくエレットは
待ってて!」
なんだか案内役がそうそうにやられてリタイアした……という感じがして
嫌なんだけど、ここはニッキーに任せてみるか。
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