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87th 見分けられるのはレグアだけ

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 アルバに大鎌を持たせたエレットは、下の方で八の字を描きながらこちらを待ち構えている
生命体に向け、勢いよく突撃していく。
 その間エレットも同じ姿勢を取ってみると、スムーズに動きが伝わる。

「戦闘モードに入ると、俺の動きとリンクするのか。やべぇ、楽しい!」
「いいな。私もやってみたい」
「マスター。疑似の鎌をお出しシマス。殺傷力は皆無ですが、これで動きを連動させてみまショウ」
「サンキューセイソー! よし、いくぜ……大鎌って通常鎌と同じでいいのか?」
「ハイ。動きはほぼ同じデス。範囲が広いのデスガ、アルバの巨体からすれば拳を振っているのと
大差ありまセン。専用の武器が必要デス」
「んじゃ、こうか。拳をドシンと振り下ろすような……」

 エレットが大鎌を振り下ろすと、アルバもそれに従い拳を振り下ろす。
 本当は大鎌を持ってはいるのだが、全く視界に入らない程小さく見える。

「それで十分デス。マスター」
「当たった……?」
「当たった」
「当たったわね……巨体過ぎる手。これ、反則よね」

 八の字を描いていた生命体は、アルバが振り下ろす拳をもろに受けて、その衝撃で吹き飛び壁へめり込んでいた。
 ゆっくりその生命体の方面へ近づくと、完全にその動きを停止していた。

「勝った……よな。これ回収すればいいのか」
「そうね。セイソーへ捕縛させましょう。アルバでそのまま掴んでこの中に
入れたりもできるのかしら?」
「やってみよう……出来るみたい。この中は広いし、セイソーに素材として収容
しなくてもおいておけそうだね。かなりの数が収容できそう」
「凄いわ! それなら大量に素材運びができるって事よね。
ただアルバを収容できるような戦艦がないか……でもミシーハ博士がいれば或いは……」
「ああ。それなら間違いなくもう作りにかかってるよ。ここへ来る前の姉ちゃん。
あの様子だと一体どこまで考えてるかわからないし……早く素材を集めて
帰ろう」
「エレット。他のが来そう。さっきめり込んだ壁の中」
「え? 何も見えないけど……やっぱりレグアにはわかるのか。
アルバを攻撃してくる生命体とそうじゃない生命体の違いが」
「わかる。何か凄く嫌な音を発してるの。殺したくて仕方がないというような」
「穏やかじゃないわね。この中から私たちにも何か出来る事はないかしら」
「今回はアルバでどこまで出来るか試せる絶好の機会だし、俺がやるよ!」

 その途端、ぼこりと壁に大きな穴が開く。
 二本の角がまるでドリルのようにぐるぐると回る謎の生命体が壁から出てきた。
 それには翼も生えており、壁から外へ出ると水平にアルバへ向けて突進してくる。

 急ぎ体をひねって躱すが、余裕をもって躱したにもかかわらず、ギリギリでの回避。

「危ねっ。体格差がありすぎて感覚が思うようにいかない。セイソー。サポート頼む」
「お任せクダサイ。マスター」
「そうよね……搭乗員同士でどうにかするより、アルバと操縦者とヘッツ。
この組み合わせがベストだわ。二人とも頑張って! 私はデータ取りに専念するから」
「それなら私は、エレットの動きを補う」

 エレットに密着して戦う構えを取るレグア。
 
「マスター。アツアツデスネ」
「からかうなよセイソー! レグア、近い! というか密着……」
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