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78th それぞれの搭乗
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巨大兵器の部屋以外も今一度確認してみると、メンバーそれぞれ興味を示すものが異なった。
しかしやはり……一番気になるのは巨大兵器だ。
仮にこれをマテリアラーズへ進呈すれば、素材の価値は計り知れない。
Sランク……いや、トリプルSランクとして認定されてもおかしくはない。
そう考えていると、再び全員兵器の部屋へ集まっていた。
やっぱり皆、これには圧巻なのだろう。俺もそうだ。
「エレット。あなたどの機体が好み?」
「え? この紫色のやつかな、やっぱり」
「私銀色の」
「あたしは赤ね」
「えっへへ。私は青井なので青が好きですぅ」
「あんた、アオアシラだもんね」
「はぅ……その呼び名はもう確定なんですねぇ……」
「ばうばう!」
「シロッコはやっぱり白なんだな」
「そして私が黒……か。ねえみんな。これ、登録しちゃいましょ!」
『へっ?』
「だってー。回収されちゃったらきっと爺さんたちが無駄に乗り回すダメ兵器になっちゃうわよ。
ろくなことに使わないかもしれないし。それなら私たちが有意義に使った方がいいでしょ?
絶対そうよね?」
「賛成ー!」
「いいのかなぁ。怒られないですかぁ……?」
「ばう?」
「それ、ものすごく怒られるような気がするんだけど」
「ごまかし方はエレットに考えてもらうとして、その大きな指輪、ちょっと貸してね。
まずは私ので試してみるから……黒色のやつね。
動力源は不明だけど、対応する装置があるのなら、これが鍵なのは間違いないと思うんだけど……
ちょっと中に入ってみるわね」
「ええっ? 姉ちゃん一人じゃ心配だから俺が……」
「いいのいいの。シェラハ。ちょっと手伝って。操縦席はどうやっていくのかしら。
うーん……」
巨大な指輪を掲げもったまま、黒色の機体へと近づいていくミシーハ博士。
すると、黒色の巨体を持つそれの手が地面へと降りて行った!
「ちょ、危ないよ姉ちゃん!」
「あら。乗せてくれるのね。ありがとう。うふふ、よろしくね。あなたの中へ案内してほしいの」
ミシーハ博士を手に乗せた黒色の巨体は、黒く輝く部分へミシーハ博士を誘導する。
その部分へミシーハ博士が手を伸ばすようにして、中へ溶け込むように入っていった。
「消え……た?」
「中に入ったんじゃないかしら? 凄いわ、私も早くやってみたい!」
それから直ぐの事だった。黒色のそれの目に光がともり、ゆっくりと動き始める。
だが、直ぐに動きは止まり、ミシーハ博士を中へ入れた時と同じ動きを見せ、ミシーハ博士が
外へ出てきた。
「おーい! 今の見てた? 凄いわ! 私が求めていた形がここにあるの! みんなもやってみて!
操作は簡単よ!」
ミシーハ博士が手を振って叫ぶ内容を聞いて、全員唾をのんだ。
俺たちは目を合わせて頷きあうと、それぞれの巨大な指輪を手に持ち、各色の兵器へ近づいていった。
しかしミシーハ博士のように動いてはくれない。
何がいけないんだろう?
「姉ちゃんの以外動かないのか……?」
「動いてー! 乗せてー!」
「何よー! 期待したのにー!」
「あれ、おかしいわね……あ、わかったかも。もっと角度を変えてみて。
この指輪の一部分だけなんだわ。きっと」
言われた通り角度を変えて試してみると、反応はあったが、手が下りてきたのはアオアシラの
青い巨体だけ。
やはり他にも条件があるのだろうか。
「なんでアオアシラだけなのよー! 中に乗せて! 乗せなさーい!」
するとフラーの赤い巨体も動き出す。
そうか、乗せて欲しいって伝えないと乗れない……のか?
「俺も乗せてくれ。お前の凄さを見せてくれ!」
すると紫色の巨体も動き出してくれた。
これは言葉に反応しているのか? と思ったら、シロッコの巨体もちゃんと動き出していた。
「心と心を繋ぐ……ああ。私の理想がここにあったのね。
私、今とっても幸せな気持ちよ……」
しかしやはり……一番気になるのは巨大兵器だ。
仮にこれをマテリアラーズへ進呈すれば、素材の価値は計り知れない。
Sランク……いや、トリプルSランクとして認定されてもおかしくはない。
そう考えていると、再び全員兵器の部屋へ集まっていた。
やっぱり皆、これには圧巻なのだろう。俺もそうだ。
「エレット。あなたどの機体が好み?」
「え? この紫色のやつかな、やっぱり」
「私銀色の」
「あたしは赤ね」
「えっへへ。私は青井なので青が好きですぅ」
「あんた、アオアシラだもんね」
「はぅ……その呼び名はもう確定なんですねぇ……」
「ばうばう!」
「シロッコはやっぱり白なんだな」
「そして私が黒……か。ねえみんな。これ、登録しちゃいましょ!」
『へっ?』
「だってー。回収されちゃったらきっと爺さんたちが無駄に乗り回すダメ兵器になっちゃうわよ。
ろくなことに使わないかもしれないし。それなら私たちが有意義に使った方がいいでしょ?
絶対そうよね?」
「賛成ー!」
「いいのかなぁ。怒られないですかぁ……?」
「ばう?」
「それ、ものすごく怒られるような気がするんだけど」
「ごまかし方はエレットに考えてもらうとして、その大きな指輪、ちょっと貸してね。
まずは私ので試してみるから……黒色のやつね。
動力源は不明だけど、対応する装置があるのなら、これが鍵なのは間違いないと思うんだけど……
ちょっと中に入ってみるわね」
「ええっ? 姉ちゃん一人じゃ心配だから俺が……」
「いいのいいの。シェラハ。ちょっと手伝って。操縦席はどうやっていくのかしら。
うーん……」
巨大な指輪を掲げもったまま、黒色の機体へと近づいていくミシーハ博士。
すると、黒色の巨体を持つそれの手が地面へと降りて行った!
「ちょ、危ないよ姉ちゃん!」
「あら。乗せてくれるのね。ありがとう。うふふ、よろしくね。あなたの中へ案内してほしいの」
ミシーハ博士を手に乗せた黒色の巨体は、黒く輝く部分へミシーハ博士を誘導する。
その部分へミシーハ博士が手を伸ばすようにして、中へ溶け込むように入っていった。
「消え……た?」
「中に入ったんじゃないかしら? 凄いわ、私も早くやってみたい!」
それから直ぐの事だった。黒色のそれの目に光がともり、ゆっくりと動き始める。
だが、直ぐに動きは止まり、ミシーハ博士を中へ入れた時と同じ動きを見せ、ミシーハ博士が
外へ出てきた。
「おーい! 今の見てた? 凄いわ! 私が求めていた形がここにあるの! みんなもやってみて!
操作は簡単よ!」
ミシーハ博士が手を振って叫ぶ内容を聞いて、全員唾をのんだ。
俺たちは目を合わせて頷きあうと、それぞれの巨大な指輪を手に持ち、各色の兵器へ近づいていった。
しかしミシーハ博士のように動いてはくれない。
何がいけないんだろう?
「姉ちゃんの以外動かないのか……?」
「動いてー! 乗せてー!」
「何よー! 期待したのにー!」
「あれ、おかしいわね……あ、わかったかも。もっと角度を変えてみて。
この指輪の一部分だけなんだわ。きっと」
言われた通り角度を変えて試してみると、反応はあったが、手が下りてきたのはアオアシラの
青い巨体だけ。
やはり他にも条件があるのだろうか。
「なんでアオアシラだけなのよー! 中に乗せて! 乗せなさーい!」
するとフラーの赤い巨体も動き出す。
そうか、乗せて欲しいって伝えないと乗れない……のか?
「俺も乗せてくれ。お前の凄さを見せてくれ!」
すると紫色の巨体も動き出してくれた。
これは言葉に反応しているのか? と思ったら、シロッコの巨体もちゃんと動き出していた。
「心と心を繋ぐ……ああ。私の理想がここにあったのね。
私、今とっても幸せな気持ちよ……」
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