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73th 遺跡内部調査開始
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不思議な遺跡へと足を踏み入れたエレットたちは、ゆっくり歩きつつ建物内部を調べ始めた。
壁自体が光っており、建物の中はかなり明るい。
通路などには一切置物などはなく、心音のしない生命体も今のところは見受けられない。
「姉ちゃんたちがいる入口方面は、ここからだとどっちに行けばいいんだろう?」
「この場所からデスト、ちょうど南南東方面でショウカ?」
「壁を壊していけば早い」
「それはさすがにまずいよレグア。何が起こるかわからないし……ひとまず
通路沿いに進んでみよう」
しばらく南南東を目指すつもりで水場から伸びる通路へはいってみる。
水場からは北へ伸びる通路と西に延びる通路しかなく、まずは北の通路へ入った。
その奥は東へ伸びる道があり、その奥に少し開けた場所が見えた。
「あの先、広間があるのかな。思ったより単純な構造かもしれない」
「ばう?」
「シェラハ。先に行って様子を見てきて」
「仕方ないわね。優秀な私が確認してきてあげるわ。あなたたちはそこでしばらく指をくわえて
みてなさいよね」
八のような構造を持つシェラハが、飛行しながら通路の奥を確認しに行く。
しばらくしてシェラハは、先に行けと言わんばかりに通路の奥から合図している。
「戻ってくるのが面倒なのかな」
「案外生臭だな……それとも何かあったのだろうか?」
先に進むと、何かを体が通過したような感覚があった。
一体今のは何だろうか?
「障壁のようなものの通貨を確認シマシタ。どうやら一方通行のようデス」
「進んだら戻れなくなったわ。見えない何かでそちら側に行けなかったの」
「なんだ、生臭なわけじゃなかったのか」
「当たり前でしょう? シェラハは何でも完璧にこなすヘッツなのよ? 生臭なわけ
ないじゃない!」
「ごめんね。ありがとうシェラハ」
「ふん。別にわかればいいのよ。それで、この奥は突き抜けた高い天井と、無数の絵が
飾られているわ。心音のしない生命体は見当たらないわね。
それと扉がいくつかあるけど、どれも開かないわ。スイッチのようなものも
軽く探した感じではみあたらなかったわね。困ったわ」
「引き返せないし扉も開けられないって事か? とりあえず広間に入ってみよう」
話し合っていてもわからないので、先へ進むことにした。
シェラハの言う通り、広間の天井は高く、無数の扉がある。
それに見たこともないような絵が描かれていた。
「何の絵だろう。山……が爆発してるような絵だな」
「こっちは綺麗な絵。後は動物かな」
「これは……建物を描いた絵か? ここに文字みたいなものが刻まれてる。
セイソー、該当文字を検索してみてくれ」
「承知シマシタ……検索データ、不一致。少なくとも知られている文字ではないようデス」
「うっ……」
「レグア? 大丈夫か?」
「これ、読める。古の建造物、ドルノールって書かれてる」
「ばう? ばうばう!」
「こっちも呼んでみて欲しいと言ってるでござる」
シロッコが吠える方を見ると、絵の下隅部分にまた見たことが無い文字が刻まれていた。
「……ドルノールによりアドノ山は鎮められ、ミナカドは地にひれ伏す」
「ばう?」
「何だろうな。他にも文字はないか?」
「もう少し探してみる。シェラハは上空をお願い」
扉を開く鍵があるはずと、俺たちはレグアが読める謎の文字を探した。
壁自体が光っており、建物の中はかなり明るい。
通路などには一切置物などはなく、心音のしない生命体も今のところは見受けられない。
「姉ちゃんたちがいる入口方面は、ここからだとどっちに行けばいいんだろう?」
「この場所からデスト、ちょうど南南東方面でショウカ?」
「壁を壊していけば早い」
「それはさすがにまずいよレグア。何が起こるかわからないし……ひとまず
通路沿いに進んでみよう」
しばらく南南東を目指すつもりで水場から伸びる通路へはいってみる。
水場からは北へ伸びる通路と西に延びる通路しかなく、まずは北の通路へ入った。
その奥は東へ伸びる道があり、その奥に少し開けた場所が見えた。
「あの先、広間があるのかな。思ったより単純な構造かもしれない」
「ばう?」
「シェラハ。先に行って様子を見てきて」
「仕方ないわね。優秀な私が確認してきてあげるわ。あなたたちはそこでしばらく指をくわえて
みてなさいよね」
八のような構造を持つシェラハが、飛行しながら通路の奥を確認しに行く。
しばらくしてシェラハは、先に行けと言わんばかりに通路の奥から合図している。
「戻ってくるのが面倒なのかな」
「案外生臭だな……それとも何かあったのだろうか?」
先に進むと、何かを体が通過したような感覚があった。
一体今のは何だろうか?
「障壁のようなものの通貨を確認シマシタ。どうやら一方通行のようデス」
「進んだら戻れなくなったわ。見えない何かでそちら側に行けなかったの」
「なんだ、生臭なわけじゃなかったのか」
「当たり前でしょう? シェラハは何でも完璧にこなすヘッツなのよ? 生臭なわけ
ないじゃない!」
「ごめんね。ありがとうシェラハ」
「ふん。別にわかればいいのよ。それで、この奥は突き抜けた高い天井と、無数の絵が
飾られているわ。心音のしない生命体は見当たらないわね。
それと扉がいくつかあるけど、どれも開かないわ。スイッチのようなものも
軽く探した感じではみあたらなかったわね。困ったわ」
「引き返せないし扉も開けられないって事か? とりあえず広間に入ってみよう」
話し合っていてもわからないので、先へ進むことにした。
シェラハの言う通り、広間の天井は高く、無数の扉がある。
それに見たこともないような絵が描かれていた。
「何の絵だろう。山……が爆発してるような絵だな」
「こっちは綺麗な絵。後は動物かな」
「これは……建物を描いた絵か? ここに文字みたいなものが刻まれてる。
セイソー、該当文字を検索してみてくれ」
「承知シマシタ……検索データ、不一致。少なくとも知られている文字ではないようデス」
「うっ……」
「レグア? 大丈夫か?」
「これ、読める。古の建造物、ドルノールって書かれてる」
「ばう? ばうばう!」
「こっちも呼んでみて欲しいと言ってるでござる」
シロッコが吠える方を見ると、絵の下隅部分にまた見たことが無い文字が刻まれていた。
「……ドルノールによりアドノ山は鎮められ、ミナカドは地にひれ伏す」
「ばう?」
「何だろうな。他にも文字はないか?」
「もう少し探してみる。シェラハは上空をお願い」
扉を開く鍵があるはずと、俺たちはレグアが読める謎の文字を探した。
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