54 / 130
54th 究極合体、シェラーセル!
しおりを挟む
ジョーゴン艦を補足した俺たちは、現在ジョーゴンの背後を取る形で隠れている。
相手はかなり旧型の宇宙艦のようだ。
「あそこで何してるのかしらね。何も無いように見えるけど」
「宇宙物質を拾ってるんじゃないかな。この辺りなら小銭にしかならないと思うけど」
「宇宙区域によっては凄いお金になるんでしたっけ? 早く素材、集めてみたいなぁ……」
「この辺りじゃとれても精々Fランクの素材がいいところだよ。元々地球でも取れた素材ばっかりだし、数も
少ない。それにしても相当古い艦だな、あれ」
「ミシーハ博士はまだ来ないけど、どーすんのよ」
「うーん、あれなら簡単に降伏させられるんじゃないかな。奇襲してみようか?」
「撃っていいのね」
「待った! この辺りで撃って爆発でもしたら、さすがにこちらへ被害がでそうだし、それに
どの程度の悪者かもわからないだろ?」
「悪者はみな同じじゃないのね」
「中にはそうせざるを得なくてそうしてる人もいるからね……」
「それじゃ、突撃するんですね!」
「ああ。だからミシーハ博士……姉ちゃんを待とう。さすがにもう終わると思うんだけどな」
「私、ちょっと覗いてきます! シェラリルちゃんも気になるし……」
そう言うと、席を後にしてシェラハの許へ向かうアオアシラ。
暫くすると……「えぇーーー!?」という大きな声が聞こえてくる。
急いで行ってみると、腰を下ろして地面にへたっているアオアシラがいた。
「どうしたのアオアシラ」
「あれ、あれ……!」
「部屋の奥がどうかしたのか? ……うわぁ!」
アオアシラの指さす方を見ると、そこには……肩に猫を乗せた、羽の生えたような女神のような
機体がいた。
「ついに完成したわ! 究極合体、シェラーセル! ちょっと天使っぽい名前でしょ? うふふっ」
「うふふじゃなくて何だコレ!? 姉ちゃんが作ったの? セイソーたちは?」
「目の前にいるでしょ? この子はシェラハ、シェラリル、シェラノール、セイソー、ルシールの合体状態よ! 一度作ってみたかったのー!」
「合体ものって……そんな無茶な事できるの? 普通」
「す、すごいですぅ。肩には私のシェラリルちゃんがっ!」
「はぁ……解除するにはどうしたらいいんだ?」
「起動、解除キーはエレットに付けておくわ。腕出して」
「うん?」
すっと腕を出すと、シールみたいなものを貼られる。貼ったシールは皮膚と一体化して、やがて皮膚となった。
「うわ。貼るタイプのタトゥーみたい。でもちょっと格好いいですぅ!」
「雷のマークみたいなのが付いた……これをどうすると解除できるんだ?」
「その雷をなぞってみて」
「こう……かな。おお、分裂した!」
「合体させるときは下から上に雷をなぞってみてね。それが発信の合図になるの。でも気を付けてね。
ヘッツたちを装備換装している時は出来ないわ」
「わかった。それより姉ちゃん。そろそろジョーゴンを倒しに行きたいんだけど、直接突撃して
捕えようかと思ってるんだ。セイソーたちを連れて行っていいか?」
「いいわね。私も行きたい!」
「ダメに決まってるだろ!」
駄々をこねるミシーハ博士を置いておき、俺たちはジョーゴン艦隊へ突撃する準備を急いだ。
この任務だけで今日一日終わっちゃうな……。
相手はかなり旧型の宇宙艦のようだ。
「あそこで何してるのかしらね。何も無いように見えるけど」
「宇宙物質を拾ってるんじゃないかな。この辺りなら小銭にしかならないと思うけど」
「宇宙区域によっては凄いお金になるんでしたっけ? 早く素材、集めてみたいなぁ……」
「この辺りじゃとれても精々Fランクの素材がいいところだよ。元々地球でも取れた素材ばっかりだし、数も
少ない。それにしても相当古い艦だな、あれ」
「ミシーハ博士はまだ来ないけど、どーすんのよ」
「うーん、あれなら簡単に降伏させられるんじゃないかな。奇襲してみようか?」
「撃っていいのね」
「待った! この辺りで撃って爆発でもしたら、さすがにこちらへ被害がでそうだし、それに
どの程度の悪者かもわからないだろ?」
「悪者はみな同じじゃないのね」
「中にはそうせざるを得なくてそうしてる人もいるからね……」
「それじゃ、突撃するんですね!」
「ああ。だからミシーハ博士……姉ちゃんを待とう。さすがにもう終わると思うんだけどな」
「私、ちょっと覗いてきます! シェラリルちゃんも気になるし……」
そう言うと、席を後にしてシェラハの許へ向かうアオアシラ。
暫くすると……「えぇーーー!?」という大きな声が聞こえてくる。
急いで行ってみると、腰を下ろして地面にへたっているアオアシラがいた。
「どうしたのアオアシラ」
「あれ、あれ……!」
「部屋の奥がどうかしたのか? ……うわぁ!」
アオアシラの指さす方を見ると、そこには……肩に猫を乗せた、羽の生えたような女神のような
機体がいた。
「ついに完成したわ! 究極合体、シェラーセル! ちょっと天使っぽい名前でしょ? うふふっ」
「うふふじゃなくて何だコレ!? 姉ちゃんが作ったの? セイソーたちは?」
「目の前にいるでしょ? この子はシェラハ、シェラリル、シェラノール、セイソー、ルシールの合体状態よ! 一度作ってみたかったのー!」
「合体ものって……そんな無茶な事できるの? 普通」
「す、すごいですぅ。肩には私のシェラリルちゃんがっ!」
「はぁ……解除するにはどうしたらいいんだ?」
「起動、解除キーはエレットに付けておくわ。腕出して」
「うん?」
すっと腕を出すと、シールみたいなものを貼られる。貼ったシールは皮膚と一体化して、やがて皮膚となった。
「うわ。貼るタイプのタトゥーみたい。でもちょっと格好いいですぅ!」
「雷のマークみたいなのが付いた……これをどうすると解除できるんだ?」
「その雷をなぞってみて」
「こう……かな。おお、分裂した!」
「合体させるときは下から上に雷をなぞってみてね。それが発信の合図になるの。でも気を付けてね。
ヘッツたちを装備換装している時は出来ないわ」
「わかった。それより姉ちゃん。そろそろジョーゴンを倒しに行きたいんだけど、直接突撃して
捕えようかと思ってるんだ。セイソーたちを連れて行っていいか?」
「いいわね。私も行きたい!」
「ダメに決まってるだろ!」
駄々をこねるミシーハ博士を置いておき、俺たちはジョーゴン艦隊へ突撃する準備を急いだ。
この任務だけで今日一日終わっちゃうな……。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
関西訛りな人工生命体の少女がお母さんを探して旅するお話。
虎柄トラ
SF
あるところに誰もがうらやむ才能を持った科学者がいた。
科学者は天賦の才を得た代償なのか、天涯孤独の身で愛する家族も頼れる友人もいなかった。
愛情に飢えた科学者は存在しないのであれば、創造すればいいじゃないかという発想に至る。
そして試行錯誤の末、科学者はありとあらゆる癖を詰め込んだ最高傑作を完成させた。
科学者は人工生命体にリアムと名付け、それはもうドン引きするぐらい溺愛した。
そして月日は経ち、可憐な少女に成長したリアムは二度目の誕生日を迎えようとしていた。
誕生日プレゼントを手に入れるため科学者は、リアムに留守番をお願いすると家を出て行った。
それからいくつも季節が通り過ぎたが、科学者が家に帰ってくることはなかった。
科学者が帰宅しないのは迷子になっているからだと、推察をしたリアムはある行動を起こした。
「お母さん待っててな、リアムがいま迎えに行くから!」
一度も外に出たことがない関西訛りな箱入り娘による壮大な母親探しの旅がいまはじまる。
求めていた俺
メズタッキン
SF
聖川東学園に通う自称「平凡な少年」桐生はクラスメイトの敷島悠斗、白石茜、栗山マナトと共につまらない日常を送っていた。そんなある日、学内トイレにて翠色のコートを羽織った謎の男に出会う。一ノ瀬佑太郎と名乗る男はどういう意図からか桐生に
『他人に触れるとその一切の動きを封じる能力』を与える。桐生はこの能力を駆使して、学園界隈で多発している学生襲撃事件の真相の解明及び事件解決に乗り出すことになる。こうして少年桐生の戦いの伝説は始まったのだ。
ストランディング・ワールド(Stranding World) 第二部 ~不時着した宇宙ステーションが拓いた地にて新天地を求める~
空乃参三
SF
※本作はフィクションです。実在の人物や団体、および事件等とは関係ありません。
※本作は海洋生物の座礁漂着や迷入についての記録や資料ではありません。
※本作には犯罪・自殺等の描写などもありますが、これらの行為の推奨を目的としたものではありません。
※本作はノベルアッププラス様でも同様の内容で掲載しております。
※本作は「ストランディング・ワールド(Stranding World) ~不時着した宇宙ステーションが拓いた地にて兄を探す~」の続編となります。そのため、話数、章番号は前作からの続き番号となっております。
LH(ルナ・ヘヴンス歴)五一年秋、二人の青年が惑星エクザローム唯一の陸地サブマリン島を彷徨っていた。
ひとりの名はロビー・タカミ。
彼は病魔に侵されている親友セス・クルスに代わって、人類未踏の島東部を目指していた。
親友の命尽きる前に島の東部に到達したという知らせをもたらすため、彼は道なき道を進んでいく。
向かう先には島を南北に貫く五千メートル級の山々からなるドガン山脈が待ち構えている。
ロビーはECN社のプロジェクト「東部探索体」の隊長として、仲間とともに島北部を南北に貫くドガン山脈越えに挑む。
もうひとりの名はジン・ヌマタ。
彼は弟の敵であるOP社社長エイチ・ハドリを暗殺することに執念を燃やしていた。
一時は尊敬するウォーリー・トワ率いる「タブーなきエンジニア集団」に身を寄せていたが、
ハドリ暗殺のチャンスが訪れると「タブーなきエンジニア集団」から離れた。
だが、大願成就を目前にして彼の仕掛けた罠は何者かの手によって起動されてしまう。
その結果、ハドリはヌマタの手に寄らずして致命傷を負い、荒れ狂う海の中へと消えていった。
目標を失ったヌマタは当てもなくいずこかを彷徨う……
「テロリストにすらなれなかった」と自嘲の笑みを浮かべながら……
男の妊娠。
ユンボイナ
SF
2323年ころの日本では、男性と女性が半分ずつの割合で妊娠するようになった。男性の妊娠にまつわるドタバタ喜劇を書いてみました。
途中、LGBTの人たちも出てきますが、性描写はないので苦手な方も安心して読めるかと(多分)。
データ・ロスト 〜未来宇宙戦争転生記
鷹来しぎ
SF
宇宙船に轢かれて死んだ少年、轢いた少女とともに宇宙帝国と戦う。
遙か未来の並行世界の少年・ユウキとして目を覚ました南勇季。勇季は職場で失敗し失意に暮れていたところ、通りかかった建築現場の事故で死んだはずだった。
目覚めたときにそばにいた少女スズランは、ユウキは彼女が起こした宇宙船事故によって重傷を負っていたのだと教えてくれる。
「一度、死なせちゃってごめんね。なんでもするから許して!」
死の淵をさまよい、目覚めたユウキには超知覚“レクトリヴ”が備わっていた。世界を書き換える力をもつ超常の能力を手に入れたユウキは、この力があれば他人から羨まれるような自分になれるのではないかと思い始める。
一方、全宇宙の支配をもくろむ帝国・ギデスがレクトリヴ能力者の独占を企んでおり、ユウキは連邦宇宙政府とギデスとの戦争に巻き込まれていくことになる。
レクトリヴ能力者として規格外であることが判明するユウキ。自身が望んだように、見返したかった知り合いや、少女スズランからの尊敬を集めていく。
黒猫のペシェは言う。
「では、キミ、幸福になりたまえよ。優れた者のみ幸福になれるのだとしたら、キミはこの宇宙で最も幸福たりえる存在だ」
キャラ紹介など: https://sepia-citron-b77.notion.site/NIL-AQ-b6666b9e57ba48c7a6faa53934dd2bab?pvs=4
クロラ
方正
SF
何十年、何百年経っても人々は争う事を辞める事は出来なかった。
戦う事が人間の歴史を作っていた。
そして、国家と企業は対立した。古い体制は一度は終結したが、実状は何も変わることはなかった。
それでも時代は進む、今度は資源を巡り争う。結局は時代は繰り返した。
一度は世界はまとまった、地球環境の再生と地球外への移住を目的にまとまったが長くは続くことはなかった。
世界はそれでも、争う事を望んだ。
それでも進歩はあった、戦争は集団で戦う事から個人の戦闘能力に重点を置く戦いに変わった。
戦う事でしか生きる方法を知らないユリとリュウは故郷の東京コロニーを再建するために戦い続ける。
戦闘能力という悪魔のような力で、故郷を元に戻すという事を望み、世界を灰してしまう。
信じる神もいない世界で、彼らは生きる事を選んだ。
また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記
一色 遥
SF
運動神経抜群な普通の女子高生『雪奈』は、幼なじみの女の子『圭』に誘われて、新作VRゲーム『Freelife Frontier(通称フリフロ)』という、スキルを中心としたファンタジーゲームをやることに。
『セツナ』という名前で登録した雪奈は、初期スキルを選択する際に、0.000001%でレアスキルが出る『スーパーランダムモード』(リセマラ不可)という、いわゆるガチャを引いてしまう。
その結果……【幻燈蝶】という謎のスキルを入手してしまうのだった。
これは、そんなレアなスキルを入手してしまった女の子が、幼なじみやその友達……はたまた、ゲーム内で知り合った人たちと一緒に、わちゃわちゃゲームを楽しみながらゲーム内トップランカーとして走って行く物語!
恋するジャガーノート
まふゆとら
SF
【全話挿絵つき!巨大怪獣バトル×怪獣擬人化ラブコメ!】
遊園地のヒーローショーでスーツアクターをしている主人公・ハヤトが拾ったのは、小さな怪獣・クロだった。
クロは自分を助けてくれたハヤトと心を通わせるが、ふとしたきっかけで力を暴走させ、巨大怪獣・ヴァニラスへと変貌してしまう。
対怪獣防衛組織JAGD(ヤクト)から攻撃を受けるヴァニラス=クロを救うため、奔走するハヤト。
道中で事故に遭って死にかけた彼を、母の形見のペンダントから現れた自称・妖精のシルフィが救う。
『ハヤト、力が欲しい? クロを救える、力が』
シルフィの言葉に頷いたハヤトは、彼女の協力を得てクロを救う事に成功するが、
光となって解けた怪獣の体は、なぜか美少女の姿に変わってしまい……?
ヒーローに憧れる記憶のない怪獣・クロ、超古代から蘇った不良怪獣・カノン、地球へ逃れてきた伝説の不死蝶・ティータ──
三人(体)の怪獣娘とハヤトによる、ドタバタな日常と手に汗握る戦いの日々が幕を開ける!
「pixivFANBOX」(https://mafuyutora.fanbox.cc/)と「Fantia」(fantia.jp/mafuyu_tora)では、会員登録不要で電子書籍のように読めるスタイル(縦書き)で公開しています!有料コースでは怪獣紹介ミニコーナーも!ぜひご覧ください!
※登場する怪獣・キャラクターは全てオリジナルです。
※全編挿絵付き。画像・文章の無断転載は禁止です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる