上 下
52 / 130

52th ハイエンドテクノロジーシステム、三体のヘッツを公開!

しおりを挟む
 ミシーハ博士は三体のヘッツを指し示しながら説明を開始した。

「それじゃ、レグアちゃんのヘッツから紹介するわね。シェラハ。
挨拶して」
「あら。ヘッツに名前を求めるなら、貴方の方から名乗るのが筋ではなくて?」

 いきなりきつい挨拶をしたソレは、ハチのような羽の生えた機械。
 空中を音を立てずに飛び回っている機械だ。
 サイズはおおよそに十センチ程の高さ。どうやって動いているのか見当もつかない。

「私はレグア。あなたはシェラハなのね」
「ふぅーん。なかなかいい声ね。シェラハの主としては及第点ってとこかしらね。
サポートしてあげるんだから感謝しなさい」
「これって、あんまり疑似人格変わってないんじゃ?」
「そんなことないわ。基本ベースは高飛車だけどね……うふふ、そのうちわかるわ。
次はシェラリル。アオアシラちゃんのヘッツね。シェラリルよ」
「説明に預かりましたシェラリルなす。アオアシちゃんとは試験ぶりなすね」
「きゃぁー! かわゆい! 日本猫モデルですか、これ?」
「そうね。イリオモテヤマネコっていう狂暴な猫で、遥か昔に絶滅したモデルよ。
狂暴な種族がこんな喋り方だったら可愛いでしょ?」
「キャー! よろしくね。シェラリルちゃん」
「ふしゃーっ! 急に抱っこしないで欲しいなす!」
「あ、言い忘れたけど割と短気だから。イリオモテヤマネコっぽくするために
そうしたの」
「何でぇ……可愛がれないっ……」
「それで、シロッコちゃんのはね。なんと! シロッコちゃん言語通訳機能つきです!」
「ばうっ?」
「シェラノールでござる。これからシロッコ殿の通訳も兼任するでござる。
ちなみに今のばう? は、自分の? と言っていたでござる」
「ござる? 女の子人格なのにっ!?」
「で、ござる!」
「形状は猿っていう生物が元になっているの。世界中で凄く人気があったみたい。
今でもモンキーなんちゃら! ってよく聞くでしょ? あれが題材よ。可愛くしたてたけど」
「へぇー。モンキーってこんな形してたんだね。驚いたわ……」
「シェラリルちゃんが一番可愛いですぅ!」
「ふしゃー-っ!」
「これ、ちゃんと必須装備とか出来るの?」
「当然できるわ。それぞれのヘッツモデルに得意な装備形態があるのよ。
たとえばシロッコちゃんなら動物形態の装備が得意ね。これは後で試してみましょう」
「面白そう! 早く見てみたい!」
「焦らないの。これからセイソーとルシールの調整に入るわ。そうしないと
合体技が使えないから」
『合体技?』
「うふふ、楽しみだわぁ。五人揃って出来る技。ああ、科学者冥利に尽きる……!」
「姉ちゃんがこうなったら何も耳に入らないよ。そっちは姉ちゃんに任せて
食事でも取りに行こう」
「まだ連れていけないのは残念。そういえばセイソーは普段どうやってつれてきてるの?」
「うん? セイソー自体が装備と一体化したりしてるからな。どこっていわれても」
「そうか。それで声だけ聞こえてセイソーが見えなかったりするのね」
「セイソー自体が優秀な素材で出来てるからね。姉ちゃんの発想自体ぶっ飛びすぎてるけど」

 チューニングを始めるミシーハ博士を部屋におき、エレットたちは食事ルームへ移動する。
 そちらで自動調理機から出された食事を取り、十分な休息を終えたのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

関西訛りな人工生命体の少女がお母さんを探して旅するお話。

虎柄トラ
SF
あるところに誰もがうらやむ才能を持った科学者がいた。 科学者は天賦の才を得た代償なのか、天涯孤独の身で愛する家族も頼れる友人もいなかった。 愛情に飢えた科学者は存在しないのであれば、創造すればいいじゃないかという発想に至る。 そして試行錯誤の末、科学者はありとあらゆる癖を詰め込んだ最高傑作を完成させた。 科学者は人工生命体にリアムと名付け、それはもうドン引きするぐらい溺愛した。 そして月日は経ち、可憐な少女に成長したリアムは二度目の誕生日を迎えようとしていた。 誕生日プレゼントを手に入れるため科学者は、リアムに留守番をお願いすると家を出て行った。 それからいくつも季節が通り過ぎたが、科学者が家に帰ってくることはなかった。 科学者が帰宅しないのは迷子になっているからだと、推察をしたリアムはある行動を起こした。 「お母さん待っててな、リアムがいま迎えに行くから!」 一度も外に出たことがない関西訛りな箱入り娘による壮大な母親探しの旅がいまはじまる。

クロラ

方正
SF
何十年、何百年経っても人々は争う事を辞める事は出来なかった。 戦う事が人間の歴史を作っていた。 そして、国家と企業は対立した。古い体制は一度は終結したが、実状は何も変わることはなかった。 それでも時代は進む、今度は資源を巡り争う。結局は時代は繰り返した。 一度は世界はまとまった、地球環境の再生と地球外への移住を目的にまとまったが長くは続くことはなかった。 世界はそれでも、争う事を望んだ。 それでも進歩はあった、戦争は集団で戦う事から個人の戦闘能力に重点を置く戦いに変わった。 戦う事でしか生きる方法を知らないユリとリュウは故郷の東京コロニーを再建するために戦い続ける。 戦闘能力という悪魔のような力で、故郷を元に戻すという事を望み、世界を灰してしまう。 信じる神もいない世界で、彼らは生きる事を選んだ。

恋するジャガーノート

まふゆとら
SF
【全話挿絵つき!巨大怪獣バトル×怪獣擬人化ラブコメ!】 遊園地のヒーローショーでスーツアクターをしている主人公・ハヤトが拾ったのは、小さな怪獣・クロだった。 クロは自分を助けてくれたハヤトと心を通わせるが、ふとしたきっかけで力を暴走させ、巨大怪獣・ヴァニラスへと変貌してしまう。 対怪獣防衛組織JAGD(ヤクト)から攻撃を受けるヴァニラス=クロを救うため、奔走するハヤト。 道中で事故に遭って死にかけた彼を、母の形見のペンダントから現れた自称・妖精のシルフィが救う。 『ハヤト、力が欲しい? クロを救える、力が』 シルフィの言葉に頷いたハヤトは、彼女の協力を得てクロを救う事に成功するが、 光となって解けた怪獣の体は、なぜか美少女の姿に変わってしまい……? ヒーローに憧れる記憶のない怪獣・クロ、超古代から蘇った不良怪獣・カノン、地球へ逃れてきた伝説の不死蝶・ティータ── 三人(体)の怪獣娘とハヤトによる、ドタバタな日常と手に汗握る戦いの日々が幕を開ける! 「pixivFANBOX」(https://mafuyutora.fanbox.cc/)と「Fantia」(fantia.jp/mafuyu_tora)では、会員登録不要で電子書籍のように読めるスタイル(縦書き)で公開しています!有料コースでは怪獣紹介ミニコーナーも!ぜひご覧ください! ※登場する怪獣・キャラクターは全てオリジナルです。 ※全編挿絵付き。画像・文章の無断転載は禁止です。

ストランディング・ワールド(Stranding World) 第二部 ~不時着した宇宙ステーションが拓いた地にて新天地を求める~

空乃参三
SF
※本作はフィクションです。実在の人物や団体、および事件等とは関係ありません。 ※本作は海洋生物の座礁漂着や迷入についての記録や資料ではありません。 ※本作には犯罪・自殺等の描写などもありますが、これらの行為の推奨を目的としたものではありません。 ※本作はノベルアッププラス様でも同様の内容で掲載しております。 ※本作は「ストランディング・ワールド(Stranding World) ~不時着した宇宙ステーションが拓いた地にて兄を探す~」の続編となります。そのため、話数、章番号は前作からの続き番号となっております。  LH(ルナ・ヘヴンス歴)五一年秋、二人の青年が惑星エクザローム唯一の陸地サブマリン島を彷徨っていた。  ひとりの名はロビー・タカミ。  彼は病魔に侵されている親友セス・クルスに代わって、人類未踏の島東部を目指していた。  親友の命尽きる前に島の東部に到達したという知らせをもたらすため、彼は道なき道を進んでいく。  向かう先には島を南北に貫く五千メートル級の山々からなるドガン山脈が待ち構えている。  ロビーはECN社のプロジェクト「東部探索体」の隊長として、仲間とともに島北部を南北に貫くドガン山脈越えに挑む。  もうひとりの名はジン・ヌマタ。  彼は弟の敵であるOP社社長エイチ・ハドリを暗殺することに執念を燃やしていた。  一時は尊敬するウォーリー・トワ率いる「タブーなきエンジニア集団」に身を寄せていたが、  ハドリ暗殺のチャンスが訪れると「タブーなきエンジニア集団」から離れた。  だが、大願成就を目前にして彼の仕掛けた罠は何者かの手によって起動されてしまう。  その結果、ハドリはヌマタの手に寄らずして致命傷を負い、荒れ狂う海の中へと消えていった。  目標を失ったヌマタは当てもなくいずこかを彷徨う……  「テロリストにすらなれなかった」と自嘲の笑みを浮かべながら……

男の妊娠。

ユンボイナ
SF
2323年ころの日本では、男性と女性が半分ずつの割合で妊娠するようになった。男性の妊娠にまつわるドタバタ喜劇を書いてみました。 途中、LGBTの人たちも出てきますが、性描写はないので苦手な方も安心して読めるかと(多分)。

求めていた俺

メズタッキン
SF
聖川東学園に通う自称「平凡な少年」桐生はクラスメイトの敷島悠斗、白石茜、栗山マナトと共につまらない日常を送っていた。そんなある日、学内トイレにて翠色のコートを羽織った謎の男に出会う。一ノ瀬佑太郎と名乗る男はどういう意図からか桐生に 『他人に触れるとその一切の動きを封じる能力』を与える。桐生はこの能力を駆使して、学園界隈で多発している学生襲撃事件の真相の解明及び事件解決に乗り出すことになる。こうして少年桐生の戦いの伝説は始まったのだ。

アニラジロデオ ~夜中に声優ラジオなんて聴いてないでさっさと寝な!

坪庭 芝特訓
恋愛
 女子高生の零児(れいじ 黒髪アーモンドアイの方)と響季(ひびき 茶髪眼鏡の方)は、深夜の声優ラジオ界隈で暗躍するネタ職人。  零児は「ネタコーナーさえあればどんなラジオ番組にも現れ、オモシロネタを放り込む」、響季は「ノベルティグッズさえ貰えればどんなラジオ番組にもメールを送る」というスタンスでそれぞれネタを送ってきた。  接点のなかった二人だが、ある日零児が献結 (※10代の子限定の献血)ルームでラジオ番組のノベルティグッズを手にしているところを響季が見つける。  零児が同じネタ職人ではないかと勘付いた響季は、献結ルームの職員さん、看護師さん達の力も借り、なんとかしてその証拠を掴みたい、彼女のラジオネームを知りたいと奔走する。 ここから第四部その2⇒いつしか響季のことを本気で好きになっていた零児は、その熱に浮かされ彼女の核とも言える面白さを失いつつあった。  それに気付き、零児の元から走り去った響季。  そして突如舞い込む百合営業声優の入籍話と、みんな大好きプリント自習。  プリントを5分でやっつけた響季は零児とのことを柿内君に相談するが、いつしか話は今や親友となった二人の出会いと柿内君の過去のこと、更に零児と響季の実験の日々の話へと続く。  一学年上の生徒相手に、お笑い営業をしていた少女。  夜の街で、大人相手に育った少年。  危うい少女達の告白百人組手、からのKissing図書館デート。  その少女達は今や心が離れていた。  ってそんな話どうでもいいから彼女達の仲を修復する解決策を!  そうだVogue対決だ!  勝った方には当選したけど全く行く気のしない献結啓蒙ライブのチケットをプレゼント!  ひゃだ!それってとってもいいアイデア!  そんな感じでギャルパイセンと先生達を巻き込み、ハイスクールがダンスフロアに。 R15指定ですが、高濃度百合分補給のためにたまにそういうのが出るよというレベル、かつ欠番扱いです。 読み飛ばしてもらっても大丈夫です。 検索用キーワード 百合ん百合ん女子高生/よくわかる献血/ハガキ職人講座/ラジオと献血/百合声優の結婚報告/プリント自習/処世術としてのオネエキャラ/告白タイム/ギャルゲー収録直後の声優コメント/雑誌じゃない方のVOGUE/若者の缶コーヒー離れ

また、つまらぬものを斬ってしまった……で、よかったっけ? ~ 女の子達による『Freelife Frontier』 攻略記

一色 遥
SF
運動神経抜群な普通の女子高生『雪奈』は、幼なじみの女の子『圭』に誘われて、新作VRゲーム『Freelife Frontier(通称フリフロ)』という、スキルを中心としたファンタジーゲームをやることに。 『セツナ』という名前で登録した雪奈は、初期スキルを選択する際に、0.000001%でレアスキルが出る『スーパーランダムモード』(リセマラ不可)という、いわゆるガチャを引いてしまう。 その結果……【幻燈蝶】という謎のスキルを入手してしまうのだった。 これは、そんなレアなスキルを入手してしまった女の子が、幼なじみやその友達……はたまた、ゲーム内で知り合った人たちと一緒に、わちゃわちゃゲームを楽しみながらゲーム内トップランカーとして走って行く物語!

処理中です...