45 / 130
45th 三次試験は?
しおりを挟む
勝利した三名は、その行動から順位付けされた。
一番活躍したのは他でもないシロ・コボルト。遠く離れた惑星から参加してきたようだ。
尚、通訳道具があれば言葉もしっかり交わせるらしい。
次にオール零。レグアの事だ。今は隣で特製スイーツを食べている。
とてもお気に入りのようだ。それを見ていたフラーも、ここで見ていただけなのに食べだす。
女子の波長合わせというやつなのだろうか。
そして三位は不知火・青井という女性。
今は隣で特製スイーツを食べている。
なんでだ!? これも女子の波長合わせというやつなのだろうか!?
「うーん! とっても美味しいですぅ! こんな美味しいもの食べるの、久しぶりで……
ご相伴に預かり、感謝にたえません!」
「さっき戦ってたお兄さんは、いいの?」
「いいんですいいんです。兄はトコロテンしか食べませんから。
忍たるもの甘いものなど食わん……ふっ。みたいに言うんですよ? 時代遅れですよね!」
「時代遅れっていうか忍者って文献でしかみたことなくて。てっきり架空のものかと思ってたよ」
「ちゃんと実在したんですよ!? お兄さん知らないんですか?」
ずずいとエレットの間近まで顔を寄せてくる不知火・青井。
そんなに寄られても知らないものは知らないなぁ。
「ちょっと! 食べながら行儀悪いわよ! あんた!」
「ご、ごめんなさぁーい! 忍の話になると夢中になっちゃって」
「セイソーは知ってるか? 忍者のこと」
「勿論デス。古来日本において、乱波という特殊な者たちがおりマシタ。
各地に点在する忍の里は有名デス。伊賀忍者、甲賀忍者ナド、多くの文献が残っておりマス。
特に有名な忍は、石川五右衛門や服部半蔵でショウカ」
「あー、それ知ってる! 泥棒よね!」
「あれ? 俺の知ってる話だと義賊という話だぞ?」
「詳細は不明点が多々アリマスガ、厳しい時代。権力者による反発が考えラレマス。
権力者への反発はおおよそ三百年続いたと聞いていマス。その後平和から混沌の
時代へ進んでいったと記憶してイマス」
「そうなの! やっぱりヘッツって凄いのね! 忍者がいなくなってから、権力者を
恐怖させる存在がいなくなっちゃったの。だからやりたい放題だったらしいんですぅ」
「機械に統治されていない世界って、不安定そうだもんな。月や火星は今でこそ
統制がとれてるけど、人が管理してたら穴だらけになりそうだ」
「それは言えてるわね。ところであんたたち。三次試験はまだなの?」
この観戦席にいるのはシロ・コボルト以外の勝利者だけだ。
他の選手たちは見当たらない。
次の試験がいつ始まるのかも今のところ告知されないまま、戻って来たようだ。
そう考えていたところ、観戦席画面に映像が映し出される。
「あれ? 父さん?」
「あー。少々まずいことに次の試験、中将同士で話し合った結果……
先ほど敗退した三名を含め、筆記試験をさせることになった。
俺は猛反対したんだが……マテリアラーズにおいて、知識や礼儀は必要という
古ー--い考えのどうしようもなー--い爺がいてね。悪いが筆記試験を
始めることになる。各自時間を少しやるから準備しておくように。以上」
『えー--!?』
俺とフラーと不知火・青井は絶叫する。
レグアだけが一人、はむはむと特製スイーツを食べていた。
一番活躍したのは他でもないシロ・コボルト。遠く離れた惑星から参加してきたようだ。
尚、通訳道具があれば言葉もしっかり交わせるらしい。
次にオール零。レグアの事だ。今は隣で特製スイーツを食べている。
とてもお気に入りのようだ。それを見ていたフラーも、ここで見ていただけなのに食べだす。
女子の波長合わせというやつなのだろうか。
そして三位は不知火・青井という女性。
今は隣で特製スイーツを食べている。
なんでだ!? これも女子の波長合わせというやつなのだろうか!?
「うーん! とっても美味しいですぅ! こんな美味しいもの食べるの、久しぶりで……
ご相伴に預かり、感謝にたえません!」
「さっき戦ってたお兄さんは、いいの?」
「いいんですいいんです。兄はトコロテンしか食べませんから。
忍たるもの甘いものなど食わん……ふっ。みたいに言うんですよ? 時代遅れですよね!」
「時代遅れっていうか忍者って文献でしかみたことなくて。てっきり架空のものかと思ってたよ」
「ちゃんと実在したんですよ!? お兄さん知らないんですか?」
ずずいとエレットの間近まで顔を寄せてくる不知火・青井。
そんなに寄られても知らないものは知らないなぁ。
「ちょっと! 食べながら行儀悪いわよ! あんた!」
「ご、ごめんなさぁーい! 忍の話になると夢中になっちゃって」
「セイソーは知ってるか? 忍者のこと」
「勿論デス。古来日本において、乱波という特殊な者たちがおりマシタ。
各地に点在する忍の里は有名デス。伊賀忍者、甲賀忍者ナド、多くの文献が残っておりマス。
特に有名な忍は、石川五右衛門や服部半蔵でショウカ」
「あー、それ知ってる! 泥棒よね!」
「あれ? 俺の知ってる話だと義賊という話だぞ?」
「詳細は不明点が多々アリマスガ、厳しい時代。権力者による反発が考えラレマス。
権力者への反発はおおよそ三百年続いたと聞いていマス。その後平和から混沌の
時代へ進んでいったと記憶してイマス」
「そうなの! やっぱりヘッツって凄いのね! 忍者がいなくなってから、権力者を
恐怖させる存在がいなくなっちゃったの。だからやりたい放題だったらしいんですぅ」
「機械に統治されていない世界って、不安定そうだもんな。月や火星は今でこそ
統制がとれてるけど、人が管理してたら穴だらけになりそうだ」
「それは言えてるわね。ところであんたたち。三次試験はまだなの?」
この観戦席にいるのはシロ・コボルト以外の勝利者だけだ。
他の選手たちは見当たらない。
次の試験がいつ始まるのかも今のところ告知されないまま、戻って来たようだ。
そう考えていたところ、観戦席画面に映像が映し出される。
「あれ? 父さん?」
「あー。少々まずいことに次の試験、中将同士で話し合った結果……
先ほど敗退した三名を含め、筆記試験をさせることになった。
俺は猛反対したんだが……マテリアラーズにおいて、知識や礼儀は必要という
古ー--い考えのどうしようもなー--い爺がいてね。悪いが筆記試験を
始めることになる。各自時間を少しやるから準備しておくように。以上」
『えー--!?』
俺とフラーと不知火・青井は絶叫する。
レグアだけが一人、はむはむと特製スイーツを食べていた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
【仮想未来SFノベル】『永劫のレオハルト』Samsara of Eden
静風
SF
西暦2157年。
人類は肉体を捨て、仮想世界《エーテル》へと移行した。
死も老いも克服され、人間の意識はデータ化されて永遠の進化を手に入れた。
この楽園を創り上げたのは天才科学者、レオハルト・カストナー。
彼は確信していた――エーテルこそが、人類が辿り着くべき「神の領域」であると。
だがある日、彼はシステムの深部で不可能な記録を目にする。
《エーテル起動記録:西暦2147年》
世界の創造は10年前に始まったはずだった。
にもかかわらず、それ以前のデータが存在しているのだ。
エーテル誕生より古い記録が、なぜエーテルの内側にあるのか?
誰が、何の目的で?
過去を記録する者、秩序を維持する者、
そして、この世界を監視する者たち。
真実に近づくたび、完璧であるはずの世界は静かに歪み始める。
それでもエーテルは、彼の意識に囁き続けた。
「ようこそ、永遠の世界へ」
この『永劫』という名の檻から脱出する術は、本当に存在するのだろうか――?
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
No One's Glory -もうひとりの物語-
はっくまん2XL
SF
異世界転生も転移もしない異世界物語……(. . `)
よろしくお願い申し上げます
男は過眠症で日々の生活に空白を持っていた。
医師の診断では、睡眠無呼吸から来る睡眠障害とのことであったが、男には疑いがあった。
男は常に、同じ世界、同じ人物の夢を見ていたのだ。それも、非常に生々しく……
手触り感すらあるその世界で、男は別人格として、「採掘師」という仕事を生業としていた。
採掘師とは、遺跡に眠るストレージから、マップや暗号鍵、設計図などの有用な情報を発掘し、マーケットに流す仕事である。
各地に点在する遺跡を巡り、時折マーケットのある都市、集落に訪れる生活の中で、時折感じる自身の中の他者の魂が幻でないと気づいた時、彼らの旅は混迷を増した……
申し訳ございませんm(_ _)m
不定期投稿になります。
本業多忙のため、しばらく連載休止します。

メトロポリス社へようこそ! ~「役立たずだ」とクビにされたおっさんの就職先は大企業の宇宙船を守る護衛官でした~
アンジェロ岩井
SF
「えっ、クビですか?」
中企業アナハイニム社の事務課に勤める大津修也(おおつしゅうや)は会社の都合によってクビを切られてしまう。
ろくなスキルも身に付けていない修也にとって再転職は絶望的だと思われたが、大企業『メトロポリス』からの使者が現れた。
『メトロポリス』からの使者によれば自身の商品を宇宙の植民星に運ぶ際に宇宙生物に襲われるという事態が幾度も発生しており、そのための護衛役として会社の顧問役である人工頭脳『マリア』が護衛役を務める適任者として選び出したのだという。
宇宙生物との戦いに用いるロトワングというパワードスーツには適性があり、その適性が見出されたのが大津修也だ。
大津にとっては他に就職の選択肢がなかったので『メトロポリス』からの選択肢を受けざるを得なかった。
『メトロポリス』の宇宙船に乗り込み、宇宙生物との戦いに明け暮れる中で、彼は護衛アンドロイドであるシュウジとサヤカと共に過ごし、絆を育んでいくうちに地球上にてアンドロイドが使用人としての扱いしか受けていないことを思い出す。
修也は戦いの中でアンドロイドと人間が対等な関係を築き、共存を行うことができればいいと考えたが、『メトロポリス』では修也とは対照的に人類との共存ではなく支配という名目で動き出そうとしていた。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とあるおっさんのVRMMO活動記
椎名ほわほわ
ファンタジー
VRMMORPGが普及した世界。
念のため申し上げますが戦闘も生産もあります。
戦闘は生々しい表現も含みます。
のんびりする時もあるし、えぐい戦闘もあります。
また一話一話が3000文字ぐらいの日記帳ぐらいの分量であり
一人の冒険者の一日の活動記録を覗く、ぐらいの感覚が
お好みではない場合は読まれないほうがよろしいと思われます。
また、このお話の舞台となっているVRMMOはクリアする事や
無双する事が目的ではなく、冒険し生きていくもう1つの人生が
テーマとなっているVRMMOですので、極端に戦闘続きという
事もございません。
また、転生物やデスゲームなどに変化することもございませんので、そのようなお話がお好みの方は読まれないほうが良いと思われます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる