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40th 二次試験 ドンタス現る
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「いい加減姿現しナサーイヨネー!」
「……俺の事か?」
すっと出てくる仁・青井。
それに対して不快を表すミキサス・キャロライナ。
「チガーウ! 一位ノヤーツ!」
「何言ってんだ? さっきからいるだろ、そこに」
何もないところを示す仁・青井。
ばかにされたと思い、猛烈に怒りを露にする。
それを見ると、やれやれとばかりに再び姿をくらませた。
「俺とレイザー二人でどうにかしないと、勝ち目はなさそうだ。じゃあな」
「アナータも待ちナサイー! キー!」
一方シロッコの攻撃でお笑い芸人プラスアルファを倒したレグアたち。
レグアはシロッコをお疲れ様と言わんばかりに撫でていた。
「わふっ」
「エレットのセイソーみたいで可愛い」
「まさか四位の人までまとめて倒しちゃうなんてぇ……でもお兄ちゃん残ってるから
頑張らないと」
「その人、なぜ上位に入っていなかったの」
「お兄ちゃんてあんまりやる気がないからなぁ。人との戦いは好きだけど、それ以外は
適当なんですぅ」
「わふぅ」
「あなたはなぜこの試験を受けようと思ったの」
「私は、元々日本人っていう種族だったんですぅ。今回四人の団体で参加してました。
決して豊かではなかったけど、争いが少ない国って聞いてました。
綺麗な和の景色を再現したいんですっ!」
「よくわからないけど、あなたにもやりたいことがあるのね」
「お姉さんは、どうしてなんですか?」
「私は私がわからない。だからエレットについていくと決めたの。エレットと一緒に
いるために、試験に合格するの」
頬に両手を上げて目をキラキラと輝かせながらエレットを見る不知火・青井。
聞きたいことが山ほど増えた顔だった。
「わぁー……その方って男性ですよね? ね? 恋、してるんですね!? 一目ぼれですか?
年は? 背丈は? 出会い方はどんな? もうキスまでしちゃいました? キャーーっ」
「あなたの言葉は難しい。よくわからない」
「あなたなんて言わず、そのわんちゃんみたいに呼称で呼んでくださいよぉ!」
「そうね。シロッコみたいにつければいいのね。じゃあ不知井」
「もっと可愛いのがいいですぅ! しらぬい・あおいから可愛く変えてくださいっ!」
「あおあしら」
「全然可愛くないですぅ! もういいですぅ……」
半分泣きながら移動を続ける三人。ふと、抱っこされ、撫でられていたシロッコが
ぴょんとレグアから降りた。
「うーー、わうわう! わう! わうわう!」
「どうしたのシロッコ」
「いやこりゃ参ったねぇ。気づかれないようにしたんだけど。犬の鼻はごまかせないってことかな」
突如目の前に現れたのは……第二試験担当、ドンタスだった。
「現在残り六名。このまま互いにぶつけあってもいいんだけどねぇ。
それじゃ面白くない。十分な実力者たる諸君には、この爆発機雷のドンタスを
見事倒して頂こうかな。倒せれば二次試験合格。そうでない場合は……そうだねえ。
再びバッジの取り合いか、或いは全員失格なんてのも悪くないねぇ」
「ドンタス。何を悠長に喋っているのかしら? さっさと試験をすませなさい」
「……AIに怒られちゃった。それじゃ二次試験大詰め、始めようかねぇ」
ドンタスは背中にしょっている亀のような甲羅から、勢いよく何かを射出した!
「……俺の事か?」
すっと出てくる仁・青井。
それに対して不快を表すミキサス・キャロライナ。
「チガーウ! 一位ノヤーツ!」
「何言ってんだ? さっきからいるだろ、そこに」
何もないところを示す仁・青井。
ばかにされたと思い、猛烈に怒りを露にする。
それを見ると、やれやれとばかりに再び姿をくらませた。
「俺とレイザー二人でどうにかしないと、勝ち目はなさそうだ。じゃあな」
「アナータも待ちナサイー! キー!」
一方シロッコの攻撃でお笑い芸人プラスアルファを倒したレグアたち。
レグアはシロッコをお疲れ様と言わんばかりに撫でていた。
「わふっ」
「エレットのセイソーみたいで可愛い」
「まさか四位の人までまとめて倒しちゃうなんてぇ……でもお兄ちゃん残ってるから
頑張らないと」
「その人、なぜ上位に入っていなかったの」
「お兄ちゃんてあんまりやる気がないからなぁ。人との戦いは好きだけど、それ以外は
適当なんですぅ」
「わふぅ」
「あなたはなぜこの試験を受けようと思ったの」
「私は、元々日本人っていう種族だったんですぅ。今回四人の団体で参加してました。
決して豊かではなかったけど、争いが少ない国って聞いてました。
綺麗な和の景色を再現したいんですっ!」
「よくわからないけど、あなたにもやりたいことがあるのね」
「お姉さんは、どうしてなんですか?」
「私は私がわからない。だからエレットについていくと決めたの。エレットと一緒に
いるために、試験に合格するの」
頬に両手を上げて目をキラキラと輝かせながらエレットを見る不知火・青井。
聞きたいことが山ほど増えた顔だった。
「わぁー……その方って男性ですよね? ね? 恋、してるんですね!? 一目ぼれですか?
年は? 背丈は? 出会い方はどんな? もうキスまでしちゃいました? キャーーっ」
「あなたの言葉は難しい。よくわからない」
「あなたなんて言わず、そのわんちゃんみたいに呼称で呼んでくださいよぉ!」
「そうね。シロッコみたいにつければいいのね。じゃあ不知井」
「もっと可愛いのがいいですぅ! しらぬい・あおいから可愛く変えてくださいっ!」
「あおあしら」
「全然可愛くないですぅ! もういいですぅ……」
半分泣きながら移動を続ける三人。ふと、抱っこされ、撫でられていたシロッコが
ぴょんとレグアから降りた。
「うーー、わうわう! わう! わうわう!」
「どうしたのシロッコ」
「いやこりゃ参ったねぇ。気づかれないようにしたんだけど。犬の鼻はごまかせないってことかな」
突如目の前に現れたのは……第二試験担当、ドンタスだった。
「現在残り六名。このまま互いにぶつけあってもいいんだけどねぇ。
それじゃ面白くない。十分な実力者たる諸君には、この爆発機雷のドンタスを
見事倒して頂こうかな。倒せれば二次試験合格。そうでない場合は……そうだねえ。
再びバッジの取り合いか、或いは全員失格なんてのも悪くないねぇ」
「ドンタス。何を悠長に喋っているのかしら? さっさと試験をすませなさい」
「……AIに怒られちゃった。それじゃ二次試験大詰め、始めようかねぇ」
ドンタスは背中にしょっている亀のような甲羅から、勢いよく何かを射出した!
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