【マテリアラーズ】 惑星を巡る素材集め屋が、大陸が全て消失した地球を再興するため、宇宙をまたにかけ、地球を復興する

紫電のチュウニー

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33th 一次試験通過者

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 エレットたちが休憩していると、映像中継が入り、試験管であるコノイ・ハノイが映し出される。
 少し険しい表情を浮かべているが、どうしたのだろうか。

「……一次試験の通過者は全部で二十名。これは随分と多い数値だ。
本来であるならここで一人ずつ紹介していくのだが、人数が多いためそのまま二次試験へ
移行する。とはいえだ。最後に行った選手の方が不利になるのはよろしくない。
そのため、上位六名の紹介へと移ろう」
「上位六名の紹介ですって。凄く気になるわ。レグア以外の選手がどんな奴か見れるのよね」
「そうだな。ライバルの情報が知れるのはありがたい」
「どんな相手でも負けない」

 映し出されたコノイ・ハノイの立体映像を凝視する。

「ではまず一人目。第六位。破壊枚数三十九枚。不知火・青井」
「えっ? ええっ? 呼ばれた? はいー!」

 キョロキョロしてぺこりとお辞儀をする、ポニーテールの女性が映し出される。
 蒼色のコスチュームが特徴の小柄な女性だ。
 
「続いて第五位。破壊枚数四十枚。ミスト・リガルド」
「キルキルキルキルーー」
「人型じゃないわね。気体型かな」
「そうだね。戦うとしたら厄介な相手だ」
「ああいうのもいるのね」

 映し出された映像には、気体のようなものが映っている。手のような気体が手を振っている
のが見えた。

「これは今の私たちの状態が映し出されるのね」
「そうだよ。リアルタイムで特定の者にターゲットを合わせて映し出す事ができる」
「続いて第四位。破壊枚数四十枚。ミキサス・キャロライナ」
「ハァーイ! ワターシで四位? ホワイ? アリエナーイ!」

 凄く悔しそうにしている、白い尖った帽子を被る女性が映し出された。
 米国人っぽいな。参加惑星は火星か? 

「続いて第三位。破壊枚数四十一枚。シロ・コボルト」
「うー、わうわう! わうわうーー!」
「あれ、犬だよな」
「どうみても犬だわ……四十一枚って嘘でしょ……」
「可愛い」
「そして、第二位! 破壊枚数四十二枚。つまり全て破壊した者が二名。
順位は残り時間で二位となった。ALL零だ」
「よろしく。早く終わらせて特製スィーツ食べる」
「あんた、それだけ!?」
「レグアらしいけど、いいのかなー」

 さすがに時間が短すぎたためか、しばらく硬直したレグアが映し出されていた。

「そして第一位。 破壊枚数四十二枚。残り時間三十秒。
レイザー・ミハエル」
「あれ、何も映らない。なんでだ?」
「どうした!? レイザー・ミハエルを映せ!」
「それが……なぜか映らないです」
「……まぁいい。紹介は済ませた。それぞれ第二次試験までしっかり休むように。
二次試験の内容は追って知らせる事とする。諸君らの検討を祈る」

 二次試験の内容が気になるところだが、エレヴィンとエレハ両名が何か仕掛けを作っているため
少々遅れて公開されるようだ。

 試験は全部で三次試験まである。
 どのメンバーが残るのか楽しみだ。


「レグア、体の調子はどうだ? 一次試験でかなり動いたし、疲れてるんじゃないか?」
「特製スィーツ」
「へ?」
「もっと食べたい」
「わかったわよ! 頼めばいいんでしょ。だから二次試験もさっさと合格しちゃいなさい!」
「うん。やっぱりフラーは優しいね」
「ふ、ふん。あたしはさっさと終わらせて、素材集めに戻りたいだけよ! 別にあんたと一緒に
行動したくて言ってるんじゃないんだからね!」
「そういえば試験合格した後の事、考えて無かったな。直ぐに惑星探索へ戻ってもいいのか?」
「いいんじゃない? パープラー隊長から追加で指示とかきてないんでしょ?」
「やべっ、確認するの忘れてた。セイソー、メッセージ機能オン」
「お伝えすべきか難しいところでしタガ、お伝えいたしマス。未読メッセージが百九十二件ありマス」
「……やっちゃったかも」
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