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22th エレット、レグア対するCC初陣戦
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障壁を破ったエレットとレグア、セイソーの三人は、ヘッツの生産工場へ向かっていた。
エレットの肩に捕まっていたレグアは、エレットの背中に回りおぶさる。
「疲れたか?」
「こうしていないと、エレットの背中を守れない」
「マスター! 右に飛んでくだサイ!」
セイソーの突然の叫び声を聞き、右に飛ぶエレット。
刹那、エレットが先ほどまでいた場所にゴォーーーンという轟音が走る。
地面には傷一つ見当たらない。
「ひゅー。気づかれた。こりゃヘッツじゃないか。良い拾い物だ。坊や、悪いことは言わないから
そいつを寄越しな」
「なんだこいつは? 搭乗型機体? それも……」
エレットの正面には先ほど何かを放ったと思われる小型の搭乗機体がいた。
数は全部で十。時折ちらついて見えづらい時がある。
「女に子供……今日は厄日だねぇ。おいお前ら。丁重に頂戴しろ。そのあとはお帰りいただけ」
「はっ! さぁ、それを寄越すんだ」
そう言って近づいてくる二機。
「エレットを傷つけるもの。破壊するね」
「え?」
エレットが声をかける間もなくレグアは跳躍して回し蹴りを放つ。
ぐしゃりと鈍い音をたてて、S七式一体が歪む。そのまま何発かケリを入れると、一機が
大破する。
さらに間髪入れず、もう一機を拳で破壊しつくした。
「はぁ!? なんだその女。サイボーグか何かか? ……いやいや、サイボーグだってこのS七式を素手で
破壊なんて……」
「アイシクルバイン! セイソー! 俺たちも見てるだけじゃだめだ!」
「マスター。出力調整はお任せくだサイ」
氷のツルがあっという間にS七式四機を捕え、氷漬けにしていく。
完全に冷凍されるまで十秒とかからなかった。
さらにその間にもレグアは攻撃を続け、二機を落とす。
残りは最奥にいる白い大きめの機体一機と、S七式という機体、それの色違いの合計三機となる。
「こりゃ怒られるだけじゃすまないねぇ。女子供にS七式を八体破壊されました……じゃね」
「あなたももうおしまい」
「おじさんはほかのとは一味違うよ。残念」
レグアが攻撃しようとした色違いの機体は、攻撃が当たる前に姿が消えたかと思うと、上空から重火器で
レグアを攻撃する。
体を翻し回避しているが、やはり攻撃を受けるのは嫌なのだろうか。
レグアには弾丸系の攻撃はまるで聞いていなかったようにみえたが……。
「レグア、今助ける!」
「おっと、君のあいてはこっちだよ。 フェルスオイル射出」
地面に光沢のあるオイルが巻き散らかされると、先ほどまで見えていたS七式が完全に見えなくなった。
とっさに距離をとりつつレグアの方を見る。
レグアの方がむしろエレットを心配していた。
「おじさんの前でよそ見とはずいぶんだねぇ。これだから女子供と戦場で対峙するのは嫌なのよ」
「くっ……うぅ」
すっと現れたS七式に吹き飛ばされるレグア。
そもそもこちらは生身に装備を換装しているだけ。対してあちらは搭乗型兵器。
厳しい戦いを強いられる。
だが……レグアを追撃しようとしていた機体が大きく距離を取った。
後方からバズーカのような物が追尾して飛んでいく。
「バカエレット! だから置いてくなっていったでしょ!」
「フラー! いいタイミングだ! 助かったよ」
エレットの肩に捕まっていたレグアは、エレットの背中に回りおぶさる。
「疲れたか?」
「こうしていないと、エレットの背中を守れない」
「マスター! 右に飛んでくだサイ!」
セイソーの突然の叫び声を聞き、右に飛ぶエレット。
刹那、エレットが先ほどまでいた場所にゴォーーーンという轟音が走る。
地面には傷一つ見当たらない。
「ひゅー。気づかれた。こりゃヘッツじゃないか。良い拾い物だ。坊や、悪いことは言わないから
そいつを寄越しな」
「なんだこいつは? 搭乗型機体? それも……」
エレットの正面には先ほど何かを放ったと思われる小型の搭乗機体がいた。
数は全部で十。時折ちらついて見えづらい時がある。
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「はっ! さぁ、それを寄越すんだ」
そう言って近づいてくる二機。
「エレットを傷つけるもの。破壊するね」
「え?」
エレットが声をかける間もなくレグアは跳躍して回し蹴りを放つ。
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さらに間髪入れず、もう一機を拳で破壊しつくした。
「はぁ!? なんだその女。サイボーグか何かか? ……いやいや、サイボーグだってこのS七式を素手で
破壊なんて……」
「アイシクルバイン! セイソー! 俺たちも見てるだけじゃだめだ!」
「マスター。出力調整はお任せくだサイ」
氷のツルがあっという間にS七式四機を捕え、氷漬けにしていく。
完全に冷凍されるまで十秒とかからなかった。
さらにその間にもレグアは攻撃を続け、二機を落とす。
残りは最奥にいる白い大きめの機体一機と、S七式という機体、それの色違いの合計三機となる。
「こりゃ怒られるだけじゃすまないねぇ。女子供にS七式を八体破壊されました……じゃね」
「あなたももうおしまい」
「おじさんはほかのとは一味違うよ。残念」
レグアが攻撃しようとした色違いの機体は、攻撃が当たる前に姿が消えたかと思うと、上空から重火器で
レグアを攻撃する。
体を翻し回避しているが、やはり攻撃を受けるのは嫌なのだろうか。
レグアには弾丸系の攻撃はまるで聞いていなかったようにみえたが……。
「レグア、今助ける!」
「おっと、君のあいてはこっちだよ。 フェルスオイル射出」
地面に光沢のあるオイルが巻き散らかされると、先ほどまで見えていたS七式が完全に見えなくなった。
とっさに距離をとりつつレグアの方を見る。
レグアの方がむしろエレットを心配していた。
「おじさんの前でよそ見とはずいぶんだねぇ。これだから女子供と戦場で対峙するのは嫌なのよ」
「くっ……うぅ」
すっと現れたS七式に吹き飛ばされるレグア。
そもそもこちらは生身に装備を換装しているだけ。対してあちらは搭乗型兵器。
厳しい戦いを強いられる。
だが……レグアを追撃しようとしていた機体が大きく距離を取った。
後方からバズーカのような物が追尾して飛んでいく。
「バカエレット! だから置いてくなっていったでしょ!」
「フラー! いいタイミングだ! 助かったよ」
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