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8th 模擬戦、フラーvsレグア!
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フラーとレグアは中央の空間で距離を置いて向き合う。フラーには身体的情報が
細かく表記されるが、対するレグアの情報はすべてがゼロのまま。
移動すれば本来はスタミナなどが消耗され、戦闘状態に入れば交感神経系が優位となり、目は散瞳し
広い視界を見渡せるようになる。これがオートメーションで行われるのが人類だが、現人類は更に進化し
切り替えを容易にしている。
状況下に合わせて人は退化もすれば進化もする。さらにその上を行く化学による支配。
魔法という概念も科学により分析され、魔法に準ずるような事もたやすく起こせるようになった。
【模擬戦闘申請を確認。強制承認が行われました。一分後戦闘を開始します】
「ちょっとライチェ先輩! 本当にいんすか、あれ!」
「いいに決まってるじゃない。見てよ、戦闘形態に入っても何一つ変化がない。一体どうなってるの?
魔法でもかけてるのかしら。わからないわ」
「これ、絶対やばいですって。パルスナー先輩に見つかったら怒られるなんてもんじゃないっすよ!」
「平気よ。トレーニングルームのロックを厳重にかけといたから。隊長以外入って来れないわ」
「俺しーらない……だって隊長は入って来れるってことですよね……」
「あら、あんたが連れてきたんだから、同、罪、ね。はぁ……新しい研究ってなんてこんなに
胸躍るのかしらね」
【模擬戦、スタートします。三、ニ、一、開始】
「まずは小手調べよ。スニーキングショット!」
「全部見える」
「嘘でしょ!?」
見えづらい角度からフラーが三発弾丸を発射するが、レグアはいとも簡単にそれらを回避し
ゆっくりとフラーの方面へ歩いていく。歩き方が既にかなりのけん制。
足の動き一つ一つが一気に間合いを詰められることを想定させる動きだ。
どれだけフラーがスニーキングショットを放ってもかすりもしない。
「じゃあこれはどう!? ガトリングモード!」
「ボロ。ガトリングモードに移行します。カートリッジ装填完了」
武器形状を変化させ、ルシールが弾丸カートリッジを取り付ける。
形状をそのままに連射できるガトリングモード。かなり便利だが、コストが高い!
「硬質化」
腕を盾のような何かに変化させたレグアは、ガトリング弾を片手で簡単に防いでいる。
あれは……あの時足でやっていたことを腕でもできるのか?
「嘘でしょ……ダメージ、通ってないの? 何なの一体」
「ライチェ先輩、これって……」
「信じられないけど、数値はずっとゼロを示したままよ。まさか、本当にゼロだと
でもいうの? でも物質は確かに当たっている。ゼロなら貫通する? いえ、そもそも
ゼロなんて存在しないのと一緒じゃない。どうなっているの?」
「あんた、ちょっとは効いたりしなさいよ! なんで無表情のままなのよ!」
「私は私がわからない。あなたが何をしようとしているのかも。ただ、敵対するなら倒すだけ」
「ふぅーん。君らねぇ。随分と勝手に楽しそうなことをしているねぇ。僕に報告もなくさ」
いつの間にかトレーニングルームの扉が開かれ、すごく怖い笑顔をした若い男性に
頭をつかまれるエレット。
「え? ちょ、俺じゃないっす! 違います!」
「はいはい二人とも。可及的速やかに武装解除してねー。ライチェ君、言わなくても
わかるよねー」
「あ、あらー隊長。今日も素敵ですわぁ」
「うんうん、僕はいつでも素敵でいられるようにしてるつもりだけど、このままいくと
全然素敵じゃない僕を見せないといけないから、ね?」
トレーニングルームへ入ってきたのは……マテリアラーズ隊長、パープラ隊長だった。
「ぜっ、絶対お説教だわ……にしてもあんた、本当に化け物ね」
「もう終わりなの。倒さなくていいのね」
「ふ、ふん! あんたのその能力を知っていれば、もっと違う形態で戦えたんだからね!
今日は引き分けでいいわ!」
「わかった。次回は本気でやるから」
武装解除をするとともに、俺とフラーとライチェが集められ……
三人とも巨大なタンコブを作り上げられた。
「今回の件は秘密にしておいてあげるから、館内の掃除、やるよね?」
『やらせていただきます!』
「あと、君がエレットの連れてきた人物で間違いないようだね。少し話がしたい。
休憩室まで来てもらえるかな」
「エレットは一緒じゃないの」
「彼は反省組。君は被害者みたいなものだから。さぁ行こう。大丈夫、ただ話をするだけだよ」
「エレット……」
「掃除が終わったら俺たちも行くよ。隊長は優しい人だから!」
「エレット。それは何もしなければ、の話ってこと、覚えておいてくれるかなー?」
「はいー! 失礼しました! って俺も被害者なんだけどなぁ」
細かく表記されるが、対するレグアの情報はすべてがゼロのまま。
移動すれば本来はスタミナなどが消耗され、戦闘状態に入れば交感神経系が優位となり、目は散瞳し
広い視界を見渡せるようになる。これがオートメーションで行われるのが人類だが、現人類は更に進化し
切り替えを容易にしている。
状況下に合わせて人は退化もすれば進化もする。さらにその上を行く化学による支配。
魔法という概念も科学により分析され、魔法に準ずるような事もたやすく起こせるようになった。
【模擬戦闘申請を確認。強制承認が行われました。一分後戦闘を開始します】
「ちょっとライチェ先輩! 本当にいんすか、あれ!」
「いいに決まってるじゃない。見てよ、戦闘形態に入っても何一つ変化がない。一体どうなってるの?
魔法でもかけてるのかしら。わからないわ」
「これ、絶対やばいですって。パルスナー先輩に見つかったら怒られるなんてもんじゃないっすよ!」
「平気よ。トレーニングルームのロックを厳重にかけといたから。隊長以外入って来れないわ」
「俺しーらない……だって隊長は入って来れるってことですよね……」
「あら、あんたが連れてきたんだから、同、罪、ね。はぁ……新しい研究ってなんてこんなに
胸躍るのかしらね」
【模擬戦、スタートします。三、ニ、一、開始】
「まずは小手調べよ。スニーキングショット!」
「全部見える」
「嘘でしょ!?」
見えづらい角度からフラーが三発弾丸を発射するが、レグアはいとも簡単にそれらを回避し
ゆっくりとフラーの方面へ歩いていく。歩き方が既にかなりのけん制。
足の動き一つ一つが一気に間合いを詰められることを想定させる動きだ。
どれだけフラーがスニーキングショットを放ってもかすりもしない。
「じゃあこれはどう!? ガトリングモード!」
「ボロ。ガトリングモードに移行します。カートリッジ装填完了」
武器形状を変化させ、ルシールが弾丸カートリッジを取り付ける。
形状をそのままに連射できるガトリングモード。かなり便利だが、コストが高い!
「硬質化」
腕を盾のような何かに変化させたレグアは、ガトリング弾を片手で簡単に防いでいる。
あれは……あの時足でやっていたことを腕でもできるのか?
「嘘でしょ……ダメージ、通ってないの? 何なの一体」
「ライチェ先輩、これって……」
「信じられないけど、数値はずっとゼロを示したままよ。まさか、本当にゼロだと
でもいうの? でも物質は確かに当たっている。ゼロなら貫通する? いえ、そもそも
ゼロなんて存在しないのと一緒じゃない。どうなっているの?」
「あんた、ちょっとは効いたりしなさいよ! なんで無表情のままなのよ!」
「私は私がわからない。あなたが何をしようとしているのかも。ただ、敵対するなら倒すだけ」
「ふぅーん。君らねぇ。随分と勝手に楽しそうなことをしているねぇ。僕に報告もなくさ」
いつの間にかトレーニングルームの扉が開かれ、すごく怖い笑顔をした若い男性に
頭をつかまれるエレット。
「え? ちょ、俺じゃないっす! 違います!」
「はいはい二人とも。可及的速やかに武装解除してねー。ライチェ君、言わなくても
わかるよねー」
「あ、あらー隊長。今日も素敵ですわぁ」
「うんうん、僕はいつでも素敵でいられるようにしてるつもりだけど、このままいくと
全然素敵じゃない僕を見せないといけないから、ね?」
トレーニングルームへ入ってきたのは……マテリアラーズ隊長、パープラ隊長だった。
「ぜっ、絶対お説教だわ……にしてもあんた、本当に化け物ね」
「もう終わりなの。倒さなくていいのね」
「ふ、ふん! あんたのその能力を知っていれば、もっと違う形態で戦えたんだからね!
今日は引き分けでいいわ!」
「わかった。次回は本気でやるから」
武装解除をするとともに、俺とフラーとライチェが集められ……
三人とも巨大なタンコブを作り上げられた。
「今回の件は秘密にしておいてあげるから、館内の掃除、やるよね?」
『やらせていただきます!』
「あと、君がエレットの連れてきた人物で間違いないようだね。少し話がしたい。
休憩室まで来てもらえるかな」
「エレットは一緒じゃないの」
「彼は反省組。君は被害者みたいなものだから。さぁ行こう。大丈夫、ただ話をするだけだよ」
「エレット……」
「掃除が終わったら俺たちも行くよ。隊長は優しい人だから!」
「エレット。それは何もしなければ、の話ってこと、覚えておいてくれるかなー?」
「はいー! 失礼しました! って俺も被害者なんだけどなぁ」
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