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第二章 地底騒乱
第九百十五話 ベル家の連携
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邪念衆の一人を退けた俺たちは、続けて第八車両へと向かった。
「さっきの奴、おめえを知ってるような感じだったが気付いてたか」
「ああ。俺を地上から来たって言ってたな」
「あいつ、フェルドナーガの前に連れてかれたときにいたぜ。全ての情報を把握はされて
ねえだろうが、気を付けるこった」
「……ばれるのは時間の問題だったしな。ギルガ、お前ベレッタには詳しいか」
「あたぼうよ。ギルガ様の故郷だぜ」
「フェルス皇国に通じる道で良い場所を知らないか?」
「フェルス皇国ぅ? まぁ知ってるっちゃ知ってるがよぉ」
「そうか……もし無事に辿り着けたら教えてくれると有難い」
「そりゃおめえ……死にに行くようなもんだろう?」
「いいや。そんなつもりは、ない!」
「いたぞ、侵入者だ! まさかこいつ、月影様を倒したというのか?」
「一斉にかかれー!」
「邪魔だ。どけ」
口髭をふんだんに蓄えた男が右目に炎を灯しながらこちらへゆっくりとやって来る。
威勢の良かった妖魔たちは静かに道を開けていた。
「邪念衆終焉、落陽の炎天。あの状況で抜け出せる者がいたとは。ノード黒霊鉱の秘密を
知ったとしか思えないのだがね」
「悠長に話してる暇はないんでね。押し通るぞ」
「無謀な話。無駄話。なぜ邪念衆が特別か、理解していないようだ」
「ここはギルガ様に任せろぉ! ヘドロ塗れのルイン!」
……何だって? 俺、ヘドロ塗れなのか?
このシリアスな状況でそれを破壊するベルギルガ。
お前は恐ろしい男だ……。
「くっ……はっはっは。君の能力はヘドロなのか。それは面白い。ぜひ欲しいものだ」
【絶魔】
「それだけじゃないぜ。あんたはみたとこ炎使いだろう……いくぞ。氷臥斗」
多少使える幻術……ターフスキアーを奪われている以上氷塊のツララは使用出来ない。
そして星の力も奪われている。赤海星の力も使えないままだ。
「この程度の氷術など、バカにするのもいい加減に……」
「妖魔変身、異種形態か。だがね……」
「うおおーー! くらえぃ、水酸消化砲!」
「ちょ、危っ! 危ないだろギルガ!」
「ふぁーーっはっはっは! あいつモロに食らったぞ。溶けてなくなっちまえこの三下野
郎がはっ……」
謎の液体を俺の背後から炎天に向けて放出したギルガ。
浴びせたと思ったのだろうが、奴は着ていた衣だけ脱ぎ去ると、ギルガの背後へ回り込
み、蹴り込んで吹き飛ばしていた。
「おいギルガ! 大丈夫か!」
「汚いものを浴びせて服を汚されるとは思わなかった……っ!」
「雷閃光、血種魔古里の掌。わたくしを無視されるとは良い度胸ですわね……あら?」
「この車両で私がいたことは幸運だっただろう。これほどの電撃使いが逃げ出していたとは」
まともにベルベディシアの攻撃を食らったはずなのに、あいつは全く効いていないようにみえる。
まさか、雷撃耐性か。しかもただの耐性じゃない。
恐らく完全耐性だろう……。
「お前たち、ぼさっとせずジーヴァ様に知らせに行け! 残りのものは取り囲むのだ」
「は、はっ!」
「行かせるかぁ! こっちに蹴り飛ばしたのは誤算だったなぁ……ここはギルガ様が通さん!」
第七車両付近にギルガ。
第八車両付近に俺とベルベディシア、ベリアル。
周囲を囲むように妖魔の兵たちがいる。
数は二十程だ。そして俺は絶魔を発動させたばかり。
「変幻、ルーニー。ギルガを補助しつつ道の確保を」
「ホロロロー」
「おかしな武具を使うと聞いていたが……それはそのように使うのだな。一体どうやって持ち出した?」
「あんたに話す道理はない。ベルベディシア! 周りの妖魔を頼む。行くぞティソーナ!」
「ティーちゃんでごじゃろー!」
「ギルガ様もやるぜぇ! おらおらおらー!」
奴は武器を持っていないようにみえたが、先ほどのギルガの攻撃により衣を脱ぐと、内側は
黒い金属鎧を身に纏っていた。
どうみても雷撃が通りそうな金属に見えるのだが、これが原因で攻撃が通らなかった可
能性がある。
そして俺のティソーナによる上段からの斬り込みを、右腕の手甲部分で軽く防ぎきられ
た。蹴りで勢いよく弾き飛ばされ、八車両方面へ押し込まれるのをベルベディシアに助けられた。
ベルベディシアに恐れをなして、取り囲んでいる兵士は一切手出し出来ずにいる。
無理もない、あの電撃は凶悪だ。
「信じられないでおじゃろ。何でも斬れる名刀でごじゃろ!」
「自分で言うなよな……だがあの鎧、何か秘密がありそうだ」
「おいルイン。ちょいと試してえことがある。しっかり注意を惹きつけな」
「ベリアル? 分かった。絶魔を余り長く使いたくない。パモも肩へ……頼むぜ!」
「奇妙なモンスターを出した!? ええい、何故フェルドナーガ様は全て奪い尽くさなか
ったのだ!」
「この子は特別でね。恐らく進化途中でモンスター扱いされなかったんじゃないか? ま
ぁそれだけじゃないだろうけどな! いけ、パモー!」
「パーーミューー!」
パモは大きな氷の刃を上空から斬り下す形で撃ち放った。
あれは、氷刃斗で間違いない。
上級幻術、使えるようになったのか。後で沢山もふもふしてやろう。
「ちっ。厄介なモンスターを……一体どうやって操っている、貴様ァーー!」
「おっと、後ろに注意だぜ」
「なにっ? これは私の衣だと!? 先ほど溶かされたはず……」
「ふんっ!」
「サルバシオン!」
ギルガが奴の衣をどうやったのか再生し、それを顔面目掛けて投げつけていたのが視界
に入った。
動揺した奴はギルガに気を取られ……俺への対応が遅れた。
ティソーナとコラーダの乱舞が救の文字を描き出し、更に斬られた奴をギルガが強烈な
タックルで弾き飛ばした。
「貴様ら、許さん! こうなれば真化を……」
「ᛖᛞᛗᛈᚾᛁᛚᛁᛖᛁᛚᛊᚲᛖᛚᚹᚢᛞᛞᛟᚲᚢᛋᛖᚾ」
【炎を天秤にかけ、炎を食らい尽くせ】
「なっ!? 鳥が古の言葉を発するだと!?」
ベリアルが倒れた奴の上に乗ると、何かを呟く。
すると巨大な天秤が現れ……奴の目に宿る炎を吸い取ってしまった!
大きく傾く天秤に、ベリアルが何かを放出し、均衡を取った。
「くっくっく。これがベル家の連携。お望み通り、対価におめえが望んだヘドロの塊を置
いてやったぜ。良かったな。くっくっく。はーっはっはっはっはっは!」
「さっきの奴、おめえを知ってるような感じだったが気付いてたか」
「ああ。俺を地上から来たって言ってたな」
「あいつ、フェルドナーガの前に連れてかれたときにいたぜ。全ての情報を把握はされて
ねえだろうが、気を付けるこった」
「……ばれるのは時間の問題だったしな。ギルガ、お前ベレッタには詳しいか」
「あたぼうよ。ギルガ様の故郷だぜ」
「フェルス皇国に通じる道で良い場所を知らないか?」
「フェルス皇国ぅ? まぁ知ってるっちゃ知ってるがよぉ」
「そうか……もし無事に辿り着けたら教えてくれると有難い」
「そりゃおめえ……死にに行くようなもんだろう?」
「いいや。そんなつもりは、ない!」
「いたぞ、侵入者だ! まさかこいつ、月影様を倒したというのか?」
「一斉にかかれー!」
「邪魔だ。どけ」
口髭をふんだんに蓄えた男が右目に炎を灯しながらこちらへゆっくりとやって来る。
威勢の良かった妖魔たちは静かに道を開けていた。
「邪念衆終焉、落陽の炎天。あの状況で抜け出せる者がいたとは。ノード黒霊鉱の秘密を
知ったとしか思えないのだがね」
「悠長に話してる暇はないんでね。押し通るぞ」
「無謀な話。無駄話。なぜ邪念衆が特別か、理解していないようだ」
「ここはギルガ様に任せろぉ! ヘドロ塗れのルイン!」
……何だって? 俺、ヘドロ塗れなのか?
このシリアスな状況でそれを破壊するベルギルガ。
お前は恐ろしい男だ……。
「くっ……はっはっは。君の能力はヘドロなのか。それは面白い。ぜひ欲しいものだ」
【絶魔】
「それだけじゃないぜ。あんたはみたとこ炎使いだろう……いくぞ。氷臥斗」
多少使える幻術……ターフスキアーを奪われている以上氷塊のツララは使用出来ない。
そして星の力も奪われている。赤海星の力も使えないままだ。
「この程度の氷術など、バカにするのもいい加減に……」
「妖魔変身、異種形態か。だがね……」
「うおおーー! くらえぃ、水酸消化砲!」
「ちょ、危っ! 危ないだろギルガ!」
「ふぁーーっはっはっは! あいつモロに食らったぞ。溶けてなくなっちまえこの三下野
郎がはっ……」
謎の液体を俺の背後から炎天に向けて放出したギルガ。
浴びせたと思ったのだろうが、奴は着ていた衣だけ脱ぎ去ると、ギルガの背後へ回り込
み、蹴り込んで吹き飛ばしていた。
「おいギルガ! 大丈夫か!」
「汚いものを浴びせて服を汚されるとは思わなかった……っ!」
「雷閃光、血種魔古里の掌。わたくしを無視されるとは良い度胸ですわね……あら?」
「この車両で私がいたことは幸運だっただろう。これほどの電撃使いが逃げ出していたとは」
まともにベルベディシアの攻撃を食らったはずなのに、あいつは全く効いていないようにみえる。
まさか、雷撃耐性か。しかもただの耐性じゃない。
恐らく完全耐性だろう……。
「お前たち、ぼさっとせずジーヴァ様に知らせに行け! 残りのものは取り囲むのだ」
「は、はっ!」
「行かせるかぁ! こっちに蹴り飛ばしたのは誤算だったなぁ……ここはギルガ様が通さん!」
第七車両付近にギルガ。
第八車両付近に俺とベルベディシア、ベリアル。
周囲を囲むように妖魔の兵たちがいる。
数は二十程だ。そして俺は絶魔を発動させたばかり。
「変幻、ルーニー。ギルガを補助しつつ道の確保を」
「ホロロロー」
「おかしな武具を使うと聞いていたが……それはそのように使うのだな。一体どうやって持ち出した?」
「あんたに話す道理はない。ベルベディシア! 周りの妖魔を頼む。行くぞティソーナ!」
「ティーちゃんでごじゃろー!」
「ギルガ様もやるぜぇ! おらおらおらー!」
奴は武器を持っていないようにみえたが、先ほどのギルガの攻撃により衣を脱ぐと、内側は
黒い金属鎧を身に纏っていた。
どうみても雷撃が通りそうな金属に見えるのだが、これが原因で攻撃が通らなかった可
能性がある。
そして俺のティソーナによる上段からの斬り込みを、右腕の手甲部分で軽く防ぎきられ
た。蹴りで勢いよく弾き飛ばされ、八車両方面へ押し込まれるのをベルベディシアに助けられた。
ベルベディシアに恐れをなして、取り囲んでいる兵士は一切手出し出来ずにいる。
無理もない、あの電撃は凶悪だ。
「信じられないでおじゃろ。何でも斬れる名刀でごじゃろ!」
「自分で言うなよな……だがあの鎧、何か秘密がありそうだ」
「おいルイン。ちょいと試してえことがある。しっかり注意を惹きつけな」
「ベリアル? 分かった。絶魔を余り長く使いたくない。パモも肩へ……頼むぜ!」
「奇妙なモンスターを出した!? ええい、何故フェルドナーガ様は全て奪い尽くさなか
ったのだ!」
「この子は特別でね。恐らく進化途中でモンスター扱いされなかったんじゃないか? ま
ぁそれだけじゃないだろうけどな! いけ、パモー!」
「パーーミューー!」
パモは大きな氷の刃を上空から斬り下す形で撃ち放った。
あれは、氷刃斗で間違いない。
上級幻術、使えるようになったのか。後で沢山もふもふしてやろう。
「ちっ。厄介なモンスターを……一体どうやって操っている、貴様ァーー!」
「おっと、後ろに注意だぜ」
「なにっ? これは私の衣だと!? 先ほど溶かされたはず……」
「ふんっ!」
「サルバシオン!」
ギルガが奴の衣をどうやったのか再生し、それを顔面目掛けて投げつけていたのが視界
に入った。
動揺した奴はギルガに気を取られ……俺への対応が遅れた。
ティソーナとコラーダの乱舞が救の文字を描き出し、更に斬られた奴をギルガが強烈な
タックルで弾き飛ばした。
「貴様ら、許さん! こうなれば真化を……」
「ᛖᛞᛗᛈᚾᛁᛚᛁᛖᛁᛚᛊᚲᛖᛚᚹᚢᛞᛞᛟᚲᚢᛋᛖᚾ」
【炎を天秤にかけ、炎を食らい尽くせ】
「なっ!? 鳥が古の言葉を発するだと!?」
ベリアルが倒れた奴の上に乗ると、何かを呟く。
すると巨大な天秤が現れ……奴の目に宿る炎を吸い取ってしまった!
大きく傾く天秤に、ベリアルが何かを放出し、均衡を取った。
「くっくっく。これがベル家の連携。お望み通り、対価におめえが望んだヘドロの塊を置
いてやったぜ。良かったな。くっくっく。はーっはっはっはっはっは!」
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