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第五部 主と建国せし道 第一章 ジャンカの町 闘技大会
第八百四十三話 覆いかぶさる領域 眠寧
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……再び意識を戻すと、そこはこれまで見たどんな場所よりも可笑しな景色だった。
夕闇より仄かに暗いが明かりは何処からか差し込んでいる。
心地よい眠りを誘う風の音や、焚火のような音まで聴こえるのに、そういったものは一
切見当たらない。
そして……あらゆる眠るためのものと思われる寝袋やらベッド、毛布などが吊るされて
いたり置いてあったりする、眠れと言わんばかりの場所だった。
「全然違う領域に来たんだよな。タナトスは……お前も寝てんのか」
タナトスを探すと、近くの吊るされた寝袋の中で手を振っている。
全く絵にならないような恰好だ。
「弟の領域で昏睡するとここへ来れる。ここが眠寧の一番深き場所だ。ヒュー、起きてる
んだろう?」
ヒューと呼ばれた存在……ヒュプノスは、俺の横でうずくまり眠っているままだ。
姿は羊っぽく両手両足を丸めて、ふかふかの羊毛っぽい中に突っ込んでいる。
頭には立派な角が二本生えているのが一番の特徴だろうか。
「凄い角だな。これほど立派な角だと、竜に近いんじゃないか。どれ……」
「あぁっ! それに触ったら!」
「ん? まずいか? あれ……何だ、この眠気……また、寝るのか……」
「いけない! 死の目覚め」
「ふぁっ……!? あれ、心地いい感じだったんだが」
「それ、安らかな最後の眠りだよ……死の直前の」
「な、何だって? こいつの角、そんなに危ないのか!?」
「この深層で角に触れて眠れば死に至るよ。冷や冷やした。ここで君を殺したら、タルタ
ロスに何て言えばよかったか」
危なかった……迂闊なことはしないでおこう。
「だえー。ターにぃ? ほえー」
「起きたか。ほら挨拶しなさい」
「ああ、話してたお客さん。だえー」
「また可笑しな喋り方の生物だな……俺はルインだ。よろしくな、ヒュプノス……だったか」
「初めましてー。ヒュプノスなんて呼ばれたくないよー。だえー」
「それは鳴き声なのか……じゃあタナトスの呼び方を」
「それはだえー。ヒューって呼んでいいのはターにぃだえー」
「ダメって意味なのかだけって意味なのかどっちなんだ。はぁ……それじゃヒューメリー
でどうだ?」
「いいおー。ヒューメリー」
よし。まるで羊みたいだから適当にメリーと付けたら上手くいったぞ!
「しかし何というか……同じ兄弟でも随分違うんだな。ヒューメリーはほんわかしてると
いうか羊みたいというか、何というか」
「ヒューは大人しくて優しいから。私は君の想像する通り割と冷たいよ。さて時間が無い
から早速始めようか。ヒュー。協力してくれ」
「ターにぃの言うことなら聞くよー」
「ヒューの吐息。これは傾眠のさ中微睡と覚醒を得られる特殊状態
となる。定期的にこれを施し、君の絶魔を意識ある状態へ定着たせる特訓だ」
「……分かった。やってみてくれ」
絶魔……それは使用する感覚として、絶望と怒り、己の無能さを最大限怒りで爆発させ
る真化の状態に非常に近い。
使用するときは、毎回胸糞悪くなる。
なぜなら……その引き金となった、メルザとカルネの死を思い出さなければならない。
「……辛いなら止めるけど?」
「ここまで来て止められるはず、ないだろう」
「ゆっくり眠っていればそんな顔すること無いのに。眠ってるときは皆幸せそうだえー」
「そうかもしれないな。生物にとって寝ている時間こそ平常だ。でも、ゆっくり寝ている
だけでは誰も助けられないだろ」
「論議している暇は無いよ。さぁ開始だ」
【絶魔】
「くっ……やはり酷い高揚感だ。真化だって抑え込むのが大変だったってのに」
「それはそうだよ。イネービュって嫌な性格してるから。いや、絶対神側はどれも癖が強い。
ゲン神族側はそんな制約ないよ」
「くそっ! 文句言っても始まらない。ぐっ……」
本当に嫌な感覚だ。だが、文句を言ったところで克服しなければ更なる力なんて得られ
ない。
オズワルの戦いを思い返せ。
ロキは……いや、あのとき戦った奴もだが、あいつの取り巻きはオズワル以上に強いってことだ。
国を亡ぼすような奴らが大勢いる。
そしてそいつらは近いうちトリノポートへ来る。
だからこそ事前に罠も張った。
けど、それだけでもまだまだ不安は残る。
俺が……国を守る? そんな必要、あるか? 無いな。
暴れたいだけかもしれない。いや、暴れたい。そして、打ち滅ぼそう。
「全てを……」
「ヒュー。出番だ」
「だえー。だえーーーー!」
ヒュプノスがルインを包み込み、吐息を吐くと、徐々に動きがゆっくりとなる。
そのまま甘えるようにヒュプノスはルインの懐にうずくまる。
「解放させよ。全てを……我が……封印」
「五秒ってところだね。参ったな。闇が深い……いや、だからこそ闇の賢者に見染められ
るのだろうけど」
「だえー。ディーちゃんだえー?」
「そうそう。彼の子供に転生したよ」
「だえー? ディーちゃんのお父さんだえー?」
「そう。もう少し特訓してまともに動けるようになったら彼女……シュトリとも
戦わせよう。ヒューも戦いたい?」
「だえー。ターにぃが戦えっていうなら戦うー」
「それならそうしてもらおう」
「う……」
「まどろみからの復帰。案外早かったね」
「失敗……か?」
「失敗ってことはない。修練を積んでるんだ。気分は悪いだろうけど続けるよ」
「だえー」
――こうして幾度となく【絶魔】を繰り返しては睡眠に襲われ、繰り返しの修行を
行った。
何度絶魔を行使したのか分からない。
だが、徐々にその感覚にも慣れ、少しずつ己の自我を保ったまま【絶魔】形態となるこ
とが出来た。
「大分良くなってきた。どうだい? 自分の今の状態を客観的にみれるかな?」
「だえー。上手くいったー。ご褒美楽しみー」
「……ああ。そうだな。ようやく少し……分かってきた」
「それじゃ、君の能力を君自身の口から話してくれる?」
「いいだろう」
夕闇より仄かに暗いが明かりは何処からか差し込んでいる。
心地よい眠りを誘う風の音や、焚火のような音まで聴こえるのに、そういったものは一
切見当たらない。
そして……あらゆる眠るためのものと思われる寝袋やらベッド、毛布などが吊るされて
いたり置いてあったりする、眠れと言わんばかりの場所だった。
「全然違う領域に来たんだよな。タナトスは……お前も寝てんのか」
タナトスを探すと、近くの吊るされた寝袋の中で手を振っている。
全く絵にならないような恰好だ。
「弟の領域で昏睡するとここへ来れる。ここが眠寧の一番深き場所だ。ヒュー、起きてる
んだろう?」
ヒューと呼ばれた存在……ヒュプノスは、俺の横でうずくまり眠っているままだ。
姿は羊っぽく両手両足を丸めて、ふかふかの羊毛っぽい中に突っ込んでいる。
頭には立派な角が二本生えているのが一番の特徴だろうか。
「凄い角だな。これほど立派な角だと、竜に近いんじゃないか。どれ……」
「あぁっ! それに触ったら!」
「ん? まずいか? あれ……何だ、この眠気……また、寝るのか……」
「いけない! 死の目覚め」
「ふぁっ……!? あれ、心地いい感じだったんだが」
「それ、安らかな最後の眠りだよ……死の直前の」
「な、何だって? こいつの角、そんなに危ないのか!?」
「この深層で角に触れて眠れば死に至るよ。冷や冷やした。ここで君を殺したら、タルタ
ロスに何て言えばよかったか」
危なかった……迂闊なことはしないでおこう。
「だえー。ターにぃ? ほえー」
「起きたか。ほら挨拶しなさい」
「ああ、話してたお客さん。だえー」
「また可笑しな喋り方の生物だな……俺はルインだ。よろしくな、ヒュプノス……だったか」
「初めましてー。ヒュプノスなんて呼ばれたくないよー。だえー」
「それは鳴き声なのか……じゃあタナトスの呼び方を」
「それはだえー。ヒューって呼んでいいのはターにぃだえー」
「ダメって意味なのかだけって意味なのかどっちなんだ。はぁ……それじゃヒューメリー
でどうだ?」
「いいおー。ヒューメリー」
よし。まるで羊みたいだから適当にメリーと付けたら上手くいったぞ!
「しかし何というか……同じ兄弟でも随分違うんだな。ヒューメリーはほんわかしてると
いうか羊みたいというか、何というか」
「ヒューは大人しくて優しいから。私は君の想像する通り割と冷たいよ。さて時間が無い
から早速始めようか。ヒュー。協力してくれ」
「ターにぃの言うことなら聞くよー」
「ヒューの吐息。これは傾眠のさ中微睡と覚醒を得られる特殊状態
となる。定期的にこれを施し、君の絶魔を意識ある状態へ定着たせる特訓だ」
「……分かった。やってみてくれ」
絶魔……それは使用する感覚として、絶望と怒り、己の無能さを最大限怒りで爆発させ
る真化の状態に非常に近い。
使用するときは、毎回胸糞悪くなる。
なぜなら……その引き金となった、メルザとカルネの死を思い出さなければならない。
「……辛いなら止めるけど?」
「ここまで来て止められるはず、ないだろう」
「ゆっくり眠っていればそんな顔すること無いのに。眠ってるときは皆幸せそうだえー」
「そうかもしれないな。生物にとって寝ている時間こそ平常だ。でも、ゆっくり寝ている
だけでは誰も助けられないだろ」
「論議している暇は無いよ。さぁ開始だ」
【絶魔】
「くっ……やはり酷い高揚感だ。真化だって抑え込むのが大変だったってのに」
「それはそうだよ。イネービュって嫌な性格してるから。いや、絶対神側はどれも癖が強い。
ゲン神族側はそんな制約ないよ」
「くそっ! 文句言っても始まらない。ぐっ……」
本当に嫌な感覚だ。だが、文句を言ったところで克服しなければ更なる力なんて得られ
ない。
オズワルの戦いを思い返せ。
ロキは……いや、あのとき戦った奴もだが、あいつの取り巻きはオズワル以上に強いってことだ。
国を亡ぼすような奴らが大勢いる。
そしてそいつらは近いうちトリノポートへ来る。
だからこそ事前に罠も張った。
けど、それだけでもまだまだ不安は残る。
俺が……国を守る? そんな必要、あるか? 無いな。
暴れたいだけかもしれない。いや、暴れたい。そして、打ち滅ぼそう。
「全てを……」
「ヒュー。出番だ」
「だえー。だえーーーー!」
ヒュプノスがルインを包み込み、吐息を吐くと、徐々に動きがゆっくりとなる。
そのまま甘えるようにヒュプノスはルインの懐にうずくまる。
「解放させよ。全てを……我が……封印」
「五秒ってところだね。参ったな。闇が深い……いや、だからこそ闇の賢者に見染められ
るのだろうけど」
「だえー。ディーちゃんだえー?」
「そうそう。彼の子供に転生したよ」
「だえー? ディーちゃんのお父さんだえー?」
「そう。もう少し特訓してまともに動けるようになったら彼女……シュトリとも
戦わせよう。ヒューも戦いたい?」
「だえー。ターにぃが戦えっていうなら戦うー」
「それならそうしてもらおう」
「う……」
「まどろみからの復帰。案外早かったね」
「失敗……か?」
「失敗ってことはない。修練を積んでるんだ。気分は悪いだろうけど続けるよ」
「だえー」
――こうして幾度となく【絶魔】を繰り返しては睡眠に襲われ、繰り返しの修行を
行った。
何度絶魔を行使したのか分からない。
だが、徐々にその感覚にも慣れ、少しずつ己の自我を保ったまま【絶魔】形態となるこ
とが出来た。
「大分良くなってきた。どうだい? 自分の今の状態を客観的にみれるかな?」
「だえー。上手くいったー。ご褒美楽しみー」
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「いいだろう」
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どちらも<ビアンカ・ラッセ>でありつつ、大きくルート分岐したことで、ほとんど別人のように変化してしまっているのです。
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