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第五章 親愛なるものたちのために
第七百九十一話 俺に安息は無いのか
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眠ったメルザとカルネを連れて、個室の部屋まで戻る。
ナナーを呼び出して、メルザとカルネを見てもらうよう頼み込んだら、とても喜び
引き受けてくれた。
ビュイよりナナーの方がしっかりしているのはよくわかっている。
何せこの子は父親を亡くしても、一人で生きていこうとしていた位だ。
モジョコにも後で会って欲しいと思う。
そう思っていたところにアメーダが突如姿を現した。
「あなた様。大変でございます。ジュディ様を止めて欲しいのでございます」
「っ!? どうした? 何があった? そういえばジュディを見ていないけど、出かけていたのか?」
「いえ。先ほどの雷撃の魔王が……」
俺は皆まで聞かず、慌てて外へ飛び出し泉へと急いだ。
くそ、こんなに早く襲撃して来るのか。
俺に少しは休む時間も与えてくれないのか。
他の奴を巻き込むわけにはいかない。
今俺が対処しなければ……アメーダを止めたのは俺だ。
責任は俺にあるんだ。
――急いで泉から死霊族の町まで出ると、ジュディは完全な戦闘態勢だった。
「ジュディ! 落ち着け、攻撃するな!」
「ルイン!? 止めるな。こいつは……敵だ!」
「ダメだ。まずは話し合いを……」
「ふああ……退屈。退屈よ。退屈ね。退屈に違いないわ。こんなところまで来てあげたのに。
竜がいないじゃない。テンガジュウ。腕立てしなさい」
「ここで? 俺だけ?」
「ずるいわよテンガジュウ! お姉様。ビローネにもご命令してください!
あっちの男をやっつけて! とかでいいですから」
「抜け駆けはずるいといっているだろう! どう見てもあっちの男が強い方だ。
俺があっちをやる!」
なんだ、こいつらは……いや、こいつが雷城の絶魔王!? 本人が直接来たのか!?
冗談じゃない。なんだこの威圧感は……俺はこいつらのどれ相手でも……勝てない。
にも拘わらず、ジュディは直ぐにでも飛び出していきそうだ。
魔王と……因縁があるのだろうか。
「要件は、何だ」
「口を慎め。下賤な魔族風情が。我が君に対してそのような口の利き方をするなど、今すぐ
死にたいのか!?」
「他者の住処に土足で足を踏み入れておいて……よく言う」
「家? これは廃墟だと思っていたのだけれど? こんなところに結界を張って住み着いて……
何をしているのかしらね? いえ、何か企みがあるようには見えないですわね。
だってどう見ても、弱い相手ですもの。そうね。そうよ。そうだわ。そうに違いないもの」
「お姉様の言う通りよ。さぁ早くお姉様が仕留めそこなった竜を連れて来なさい」
「だからあの男、妖魔だって、俺言ったよなぁ」
「ふん。下賤な魔族は妖魔でも何でも一緒だろう。テンガジュウ」
くそ。色々ありすぎてパンクしそうだ。老師の許にだって行けてないってのに。
戦うのか? 相手は魔王と、絶魔王とかいう奴だ。
勝ち目なんて絶対に、無い。
泉に逃げるか?
……そんな隙、作った瞬間死ぬだけだ。
「その竜をつれてきたら、どうするつもりだ」
「あら。やっぱりいるのね。わたくしの攻撃を避けた竜が」
「避けた? 攻撃はもろに食らった。お陰で大けがしたぞ」
「大けが? 黒焦げじゃないんですのね?」
「ああ。でも危うく全員死にかけた。どう責任とっ……」
「その喋り方を改めろ! 下等な種族が! 雷撃の旋風!」
風に流れるような紫色の電撃が、俺の頬を掠めていく。
血しぶきを大きくあげたが、命を取るつもりがない攻撃だ。
だが……避けるのは厳しい。
けん制でこれか……雷撃は、相性も悪い……。
「ベロア。手出しはなりませんわ。わたくしの質問に答える前に死んでしまったら、どうする
つもりなの? か弱いか弱い種族なのでしょう?」
「失礼しました! 我が君!」
「そうですわね。もしその竜がリンドヴルムなら、わたくしも諦めがつくの。
でもね。ありえない。ありえないのよ。ありえないわね。ありえるはずがないのですわ!
ただの竜がわたくしの攻撃を受けて黒焦げにならないなんて!」
「……つまり。リンドヴルムだったら?」
「諦めて帰りますわ。約束しましょう」
「それなら、リンドヴルムを連れてくる。必ず戻る。ジュディ、ここにいてくれ。絶対動かない
でくれよ」
「ルイン、その頬の傷……深いが大丈夫か」
「……ああ。頼む。攻撃しないでくれ。絶対にだ」
「わかった」
――泉に戻ると、俺は直ぐに温泉場に直行した。
頼む、居てくれ! そう思いながら。
「キュイオーーン!?」
「うおっ!」
温泉場に入るや否や、ぱっくりと食われる俺。
相変わらずの愛情表現だが、今はいてくれて嬉しいぞ、リンドヴルムよ。
「頼む! このままだと全滅だ。お前の姿だけ借りたい。俺についてきてくれないか?」
「キュイオーン!」
リンドヴルムは巨体を動かしながら、任せろと言わんばかりに合図する。
こいつに好かれてて、本当によかった……急いで泉まで戻ると、リンドヴルムを
連れて浮上する。
それを見た魔王は、とても驚いているように見える。
「リン! なんでわたくしの許から居なくなってそんな男の許に!
どうしてなの! あり得ない。あり得ないわ。あり得ないのよ。あり得るはずがないのですわ!」
「お、おい。何かめちゃくちゃ怒ってない……あ」
リンドヴルムはそのままいつも通り、雷城の主にぱっくりいった。
……これ、大丈夫な状況なのか。
ナナーを呼び出して、メルザとカルネを見てもらうよう頼み込んだら、とても喜び
引き受けてくれた。
ビュイよりナナーの方がしっかりしているのはよくわかっている。
何せこの子は父親を亡くしても、一人で生きていこうとしていた位だ。
モジョコにも後で会って欲しいと思う。
そう思っていたところにアメーダが突如姿を現した。
「あなた様。大変でございます。ジュディ様を止めて欲しいのでございます」
「っ!? どうした? 何があった? そういえばジュディを見ていないけど、出かけていたのか?」
「いえ。先ほどの雷撃の魔王が……」
俺は皆まで聞かず、慌てて外へ飛び出し泉へと急いだ。
くそ、こんなに早く襲撃して来るのか。
俺に少しは休む時間も与えてくれないのか。
他の奴を巻き込むわけにはいかない。
今俺が対処しなければ……アメーダを止めたのは俺だ。
責任は俺にあるんだ。
――急いで泉から死霊族の町まで出ると、ジュディは完全な戦闘態勢だった。
「ジュディ! 落ち着け、攻撃するな!」
「ルイン!? 止めるな。こいつは……敵だ!」
「ダメだ。まずは話し合いを……」
「ふああ……退屈。退屈よ。退屈ね。退屈に違いないわ。こんなところまで来てあげたのに。
竜がいないじゃない。テンガジュウ。腕立てしなさい」
「ここで? 俺だけ?」
「ずるいわよテンガジュウ! お姉様。ビローネにもご命令してください!
あっちの男をやっつけて! とかでいいですから」
「抜け駆けはずるいといっているだろう! どう見てもあっちの男が強い方だ。
俺があっちをやる!」
なんだ、こいつらは……いや、こいつが雷城の絶魔王!? 本人が直接来たのか!?
冗談じゃない。なんだこの威圧感は……俺はこいつらのどれ相手でも……勝てない。
にも拘わらず、ジュディは直ぐにでも飛び出していきそうだ。
魔王と……因縁があるのだろうか。
「要件は、何だ」
「口を慎め。下賤な魔族風情が。我が君に対してそのような口の利き方をするなど、今すぐ
死にたいのか!?」
「他者の住処に土足で足を踏み入れておいて……よく言う」
「家? これは廃墟だと思っていたのだけれど? こんなところに結界を張って住み着いて……
何をしているのかしらね? いえ、何か企みがあるようには見えないですわね。
だってどう見ても、弱い相手ですもの。そうね。そうよ。そうだわ。そうに違いないもの」
「お姉様の言う通りよ。さぁ早くお姉様が仕留めそこなった竜を連れて来なさい」
「だからあの男、妖魔だって、俺言ったよなぁ」
「ふん。下賤な魔族は妖魔でも何でも一緒だろう。テンガジュウ」
くそ。色々ありすぎてパンクしそうだ。老師の許にだって行けてないってのに。
戦うのか? 相手は魔王と、絶魔王とかいう奴だ。
勝ち目なんて絶対に、無い。
泉に逃げるか?
……そんな隙、作った瞬間死ぬだけだ。
「その竜をつれてきたら、どうするつもりだ」
「あら。やっぱりいるのね。わたくしの攻撃を避けた竜が」
「避けた? 攻撃はもろに食らった。お陰で大けがしたぞ」
「大けが? 黒焦げじゃないんですのね?」
「ああ。でも危うく全員死にかけた。どう責任とっ……」
「その喋り方を改めろ! 下等な種族が! 雷撃の旋風!」
風に流れるような紫色の電撃が、俺の頬を掠めていく。
血しぶきを大きくあげたが、命を取るつもりがない攻撃だ。
だが……避けるのは厳しい。
けん制でこれか……雷撃は、相性も悪い……。
「ベロア。手出しはなりませんわ。わたくしの質問に答える前に死んでしまったら、どうする
つもりなの? か弱いか弱い種族なのでしょう?」
「失礼しました! 我が君!」
「そうですわね。もしその竜がリンドヴルムなら、わたくしも諦めがつくの。
でもね。ありえない。ありえないのよ。ありえないわね。ありえるはずがないのですわ!
ただの竜がわたくしの攻撃を受けて黒焦げにならないなんて!」
「……つまり。リンドヴルムだったら?」
「諦めて帰りますわ。約束しましょう」
「それなら、リンドヴルムを連れてくる。必ず戻る。ジュディ、ここにいてくれ。絶対動かない
でくれよ」
「ルイン、その頬の傷……深いが大丈夫か」
「……ああ。頼む。攻撃しないでくれ。絶対にだ」
「わかった」
――泉に戻ると、俺は直ぐに温泉場に直行した。
頼む、居てくれ! そう思いながら。
「キュイオーーン!?」
「うおっ!」
温泉場に入るや否や、ぱっくりと食われる俺。
相変わらずの愛情表現だが、今はいてくれて嬉しいぞ、リンドヴルムよ。
「頼む! このままだと全滅だ。お前の姿だけ借りたい。俺についてきてくれないか?」
「キュイオーン!」
リンドヴルムは巨体を動かしながら、任せろと言わんばかりに合図する。
こいつに好かれてて、本当によかった……急いで泉まで戻ると、リンドヴルムを
連れて浮上する。
それを見た魔王は、とても驚いているように見える。
「リン! なんでわたくしの許から居なくなってそんな男の許に!
どうしてなの! あり得ない。あり得ないわ。あり得ないのよ。あり得るはずがないのですわ!」
「お、おい。何かめちゃくちゃ怒ってない……あ」
リンドヴルムはそのままいつも通り、雷城の主にぱっくりいった。
……これ、大丈夫な状況なのか。
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